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第三次異世界大戦  作者: ヴァーリ
異世界侵攻編
15/46

P13 第1偵察隊

翌日、立川たちは第1偵察隊10名を連れて西へと向かう。車両は高機動車、73式大型トラック、15式装甲戦闘車の3台である。


「異世界ですねぇ」


「そだな」


「どうしたんですか隊長?元気ないですよ」


「何って?わかるだろが」


立川は後ろを振り向く、後部座席には小隊唯一の女性自衛官である原と、金髪の女性が乗っていた。


「魔女ですか?」


「なんでこいつが乗ってるんだよ?仮にでも敵国人で殺人犯だぞ?」


「仕方ないじゃないですか、彼女は翻訳の魔法を使えるらしいですし、実地試験を兼ねた同行なんですよ」


「俺が気にしてるのはそんな問題じゃない。魔法だ、こいつはいつでも俺たちを後ろから殺すことができる」


立川の一言で市川はハッと振り返る。すると、金髪の女性、サーシャはビクつく。その姿はシェパードに睨まれたチワワのようだった。


「ちょっと、サーシャがそんな事するはずないわよ」


「原、お前のその自信はどっから出て来るか説明しろ」


「隊長よりマシな頭でありますが?」


「狂ってないな?よし、平常運転だ。上はこいつに何をしたんだ?」


「可愛がったとは言ってましたわ」


原がニコニコと笑うと、サーシャは怯えて離れる。この女、部隊内では有名なドSである。何をしたのか想像に任せる。


「上は何をしてるんだよ……とりあえず自己紹介しよう、俺は立川圭一、この第1偵察隊の隊長を引き受けてる」


「俺は市原伸也、隊長の目付け役である陸曹長、よろしくね」


「サーシャ……サーシャ・エルバトロ・クラリス…………」


「サーシャさんか、何て呼べばいい?」


「エルバトロは家名だから……サーシャかクラリスで……」


「サーシャさん、念のために聞きますが、我々に危害を加える気はありませんか?」


「ないです……あなた達の武力を見ました。私一人どうあがいても、すぐに殺されるだけです……だから、あなた達に協力します」


「分かりました。それだけ聞ければ十分です」


再び前を向き直し、双眼鏡で周辺を観察する立川。ふと、北西に人影が見えた。


「生命体発見、10時方向」


近づくと、そこは畑だった。いたのは姉弟らしき2人の男女だった。2人は偵察隊の車列が近づくと、びっくりしたかのように身構える。


「俺が行く、サーシャさんも着いて来て下さい」


「は、はい……」


高機から降りた2人はゆっくりと姉弟に近づく。最初は緑の戦闘服を来た立川に警戒していたが、後から降りてきた金髪の女性を見ると、警戒の念を解いた。


「こんにちは、君たちは何をしているのかな?」


サーシャは、立川に翻訳魔法をかけたので難なくコミュニケーションをとれた。


「私たちは畑仕事をしてました。あなた達は何者ですか?」


「俺は日本国陸上自衛隊、第1戦闘団第1偵察隊の隊長、立川圭一2等陸尉だよ」


「私はエル、この子は弟のアルよ」


「初めましてエル、アル。私はイージニア帝国魔女のサーシャよ」


「魔女さん、このニホンジエータイという人たちは何者ですか?」


エルはサーシャに立川たちの身元について説明を受ける。


「時空の裂け目から来たんですか……」


「エルとアルの村の村長さんと話がしたいんだけど、構わないかな?」


「いいですよ、村長に伝えておきます」


エルとアルは先に村へと帰る。そのあとを自動車教習所並みのスピードで、第1偵察隊はトロトロ後を追う。

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