占い
私は毎朝、○チャンネルの天気予報を見てから家を出る。
○チャンネルは、天気予報のあと、ラッキーカラーやラッキーアイテムなどのちょっとした占いがあるからだ。
ここの占いは、なぜかよく当たる。
「今日は、全国的に雨の一日です」
あぁ、嫌だ。
明日は学園祭なのに、準備が遅れてしまう。
私はいつもより急いでいた。
「さて、今日は、傘占いです」
「一人で細道を通る時、後ろの人が透明の傘をさしていたら、ラッキーです」
透明のビニール傘さしている人って多くない?
私は、歯磨きを終えた。
「後ろの人が、黄色い傘をさしていたら、今日は良いことないかも」
黄色い傘って、ほとんどの小学生がさしてるよ。
私はジャケットを羽織って、玄関に向かった。
「後ろの人が、赤い傘をさしていたら気をつけて。それは幽霊かもしれません」
何それ! ちょっと冗談がキツくない?
今日のネットの掲示板が荒れそう。
「赤い傘……」
「いってきまーす」
私は、傘立てから傘を取って、急いだ。
学校へ着くと、予想どおり、学園祭の準備が遅れていて、家に帰るのも遅くなってしまった。
雨は一日中降り続いている。
途中まで一緒に帰っていた友達とも別れ、細道に入る時、ふと、朝の占いを思い出した。
もう、こんなに遅い時間に小学生は通らないから、アンラッキーな事は起こらない。
後ろに赤い傘をさした人がいませんように……。
私は少し速めに歩いた。
少し前に黒い傘をさした人がいる。
良かった。
一人で細道を歩くのは心細い。
私は、なるべく前の人から離れないよう、足を速めた。
黒い傘をさした前の人が、突然くるっと振り向いたその瞬間、
ザッ!
私は、自分の赤い傘を放り投げ、血まみれになって倒れた。
黒い傘をさしていた人は、血まみれになった自分の傘の先を見つめて
「嘘だろ……嘘だろ……」
と、つぶやいていた。
そういえば、占いの続きは何だったんだろう。
「赤い傘をさす人は、気をつけて。
前の人に、幽霊と間違えられるかもしれません」