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囚われの王子と・・ 作者:帆摘
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87話:竜の一族4

「着いたわよ。」ジークフォルンの言葉に目を上げると其処は寂れた廃屋の様な屋敷だった。
「・・こんなところに一体何の用があるんだ?」
「ん〜。まあ行けばわかるわよ。あ、それと今からあまり大きな声立てないで頂戴ね。見つかると鬱陶しいから。」
「は?」何を言っているんだこいつは。というか、何がしたいのかさっぱり分からない。すたすたと自分の前を歩いて行く大男をじっと後ろから眺める。だが、その歩き方は訓練された兵士以上に隙がなく、また無造作に歩いているように見えるが、音をまったく立てる事がない。
侮れない・・・。
「ここから入れそうね・・。」
「まじでここから入るのか・・・?」
「あら嫌なの?」
「・・・。分かったよ、行けば良いんだろう。くそっ。」仕方なしに今にも崩れそうな排気口をこじ開けて中に入って行く奴の後をついて行く。もしかしたら、ここは元々、催事の脱出口に使われていたのかもしれない。中に入って見ると思ったよりも幅があり、手をついて張って行くには十分の広さがあった。
暫く進んで行くとどこからか人の声がする。
「あーあ、ついてないよな。こんな所でガキのおもりなんてさ。」
「ほんと、ほんと。てか、俺子供の泣き声って嫌いなんだよ。女の鳴き声なら別だけどな・・。」
「っぷ、お前正直な奴だな。あんな我が侭なガキでも一応は元一国の主だぜ?ま、それも今夜限りってとこか・・。」
「ジルベスター様が生け贄にすると仰っていたが、あんなガタイのでかい竜にこんなちっこい子供喰わせても腹の足しにもならんだろう。」
「まあ・・・今の所、竜はイルディアス将軍が押さえているらしいからな、これからどうするのか俺たちのような下っ端には何も知らされてない。とりあえずは逃げられないように見はっておけば良いんだからな。」
「そうだな・・・。で、元グランディスの皇帝様は泣きつかれてお休みあそばされてるというところか。」

下から聞こえてくる兵らしいもの達の会話からジェラルドは事の内容を推測する。なるほど・・・グランディスが1枚岩ではないと言う事は分かっていたが、まさか自国の皇帝を誘拐して、生け贄にしようと考えているとは。
ほとんど足音を立てずに進んでいたジークフォルンは立ち止まって短く呪文を唱えた。これは風系の呪文か・・・だが聞いた事のない言霊だ。言い終わるや否やグォオーと言う音が響き部屋全体が地震にでもあったかのように揺らされた。バリッ、メキッと音がして潜伏していた天井ごと崩れ落ちる。つーかやり過ぎだろ!見つかると鬱陶しいと言ってたのはどこのどいつだと思いつつ咄嗟に受け身を取りながら地面に着地する。
突然の突風と揺れに足を取られ、無様に床に這いつくばる兵士を一人は昏倒させ、もう一人を片手で掴み上げてジークフォルンが問うた。
「面白いお話を聞かせてくれてありがとう。ところで、その皇帝ちゃんは一体何処にいるのかしら。気を探ったけどうまく見つけられないのよね。よっぽど強い結界でも張ってるのかしら、ねえ・・・?」
「っひ」
「やだ、そんな顔しなくてもいいじゃない?誰も別に取って食ったりはしないわよ?」
「本当かよ・・・」呆れた様子でジェラルドが呟いた。
その言葉が聞こえたのか、兵士の顔が益々青白くなる。
「で、どこなの?」
「この真下にある礼拝堂だ。」
「そう、ありがとう。」そういうとジークフォルンは男に深く口づけし・・・その男はショックで気絶したようだった。お気の毒に。

「助けるのか?」
「もちろんよ。後でいい取引の材料になるでしょうからね。」
「なるほど・・確かにな。しかしグランディスが国内分裂をしていたという噂は本当だったんだな。」
「まあ、そうでしょうね。さ、さっさと片付けるわよ。」物音を聞きつけてやって来た兵士にちらりと目を向けてジークフォルンが退屈そうに言った。

こいつは本当に大した腕を持っているらしい。もしかしたらキルケと同じ・・いやそれ以上?難なく階下の礼拝堂へとやって来たジークフォルンは獣を入れる大きな檻の中に繋がれた皇帝とペット?らしき獣を発見した。
「悪趣味ねえ・・・。」
『お前に人の事が言えるのか?」
「あら、少なくとも私は繋いで無理矢理なんて事はしないわよ〜。それにしてもこの幼獣、間違いなくフィクサーよねぇ?なーんでこんな稀少動物と一緒に囲われてんのかしら?」
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