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囚われの王子と・・ 作者:帆摘
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77話:風2

ジェラルドはリディアーナをじっと見つめそしてカイルに目を移すと言った。「俺も信用できるのではないかと思う。商人は十中八九表の顔と思うが・・得体は知れないが、悪い奴ではなさそうだ。キルケとの関係もいまいち気になる所だがな。」

「分かりました。ジェラルドとリディアーナ姫が大丈夫だと仰るのであれば、それを信頼しましょう・・。この計画に関しては、こちらで知っている者は、魔術師長であるウェイズ殿と、弟のオースティン、そして幾人かの信頼できる魔術師達のみです。

正直・・・もう駄目かと思ってました・・。君たちは予定の日程を過ぎてもなかなか到着しないし、知っての通り、今ユフテス王宮内はぐちゃぐちゃも良い所だ。本来なら身内の問題に君たちを巻き込むのは筋違いなのは分かっているが、当初僕のこの計画は、8年前、リディアーナ姫がこのユフテスを訪れ、僕の片割れにあった後から密かに考えて来た事だ。驚くのも無理はない。まあその内容は年月が過ぎるに連れ何度も練り直し、変更を余儀なくされたが・・。

私は貴方が弟に対して熱心に働きかけてくれた事を心より感謝しますよ。今更とお思いになるかもしれませんがね・・リディアーナ姫、あの時の幼い貴方が私に勇気を与えて下さったのです。それまで私は、自分の犯した失敗に囚われて父を恐れ、動きだす事ができなかった。
でも貴方は帰られるその日、いやそれ以後もずっと諦めなかった。」
カイル王子の熱に浮かされた様な潤った瞳に見つめられ、一瞬リディアの心がドクンと大きく波打った。リディアは気がついていないがジェラルドはとてつもなく不機嫌そうだが・・

「貴方が帰られた後、私は決心して、少しずつ内堀から固めて行く事に専念しました。その時はまだ竜にまつわる事を知らず、父上が気を変えて弟を出してくれる事を考えていましたが、そんな時、私はこの日誌を手に入れたのです。」

カイルはジェラルドが持って来た日誌を手に取り続けて言った。「不思議な事に、君たちが持っているその本は、今まで誰もその存在を知られていないものだった。この千年後を見定めていたかのように突如現れたといっても過言ではない。そう、なんて言えば良いかな・・今も昔もその本はあったのだが、誰もその存在に気がつかなかった、いや気がつかないようにされていたと言うべきか・・・

ともかく最初偶然その本を手にしたのは僕だった。いつも見てる王宮内の図書室の中で突如その存在を放ったんだ。図書室にはよく通っていたし、蔵書はすべて知っているはずだったのに、その本は初めて見るものだった。まあ、ともかく僕はそれを部屋に持って帰り読み始めた。それに書かれている内容を把握した時、喜びでうちしがれたよ。
最初は僕自身が術を行おうと思っていたが、残念な事に僕にはこの術を行使できるほどの魔力はない、リザルで随分と試みたが、どうやっても無理だという事に気がついた。うちの魔術師長にしてもそうだ。

どうするか・・一計を案じていたが、ある罠をはる事にしたんだ。地下の一室に私と魔術師長、そして幾人かの術師が幾重にも魔法をかけた部屋にこの本を設置して、もしこれを易々と手に入れられるような魔術師がいるのなら、そいつをスカウトしようとね。言っとくがあれにかけた魔法はそうやすやすと破られるものじゃなかった。ある意味賭けでもあったんだ。
この術を行使できるような魔術師を見つけられるかどうか・・・。君たち以外でも何人かの間者がきたが、皆諦めて帰ったよ。だがその者は現れた。いとも簡単に僕たちの罠を解き、本を手に入れて早々と姿を消した。

本当は・・・スカウトするつもりだったんだけどね・・話する間もなく、消えられちゃってあの時は焦ったなあ・・まあでも、それほどの腕を持つ魔術師なら僕の記した手紙も見つけると思ってたしさ。いやあ、ホント君の所の魔術師で良かったよ。はは」

「はははじゃない!」大体俺がキルケに出会ったのも偶然なんだ。なんだ、その成り行き任せの計画は!」ジェラルドが声を荒立てる。

「君は運命を信じないのかい?なんていうのかな、リディアーナ姫の感にしてもそうだけど、私は何か超自然的な働きを感じるんだよ。この計画の裏にね。もしかしたらそれはこの日記をしたためた僕の先祖かもしれないし、そうでは無いかもしれない。だが事実、その日誌を手にしたのは君たちであり、今、君たちはここにいる。それで十分だとは思わないかい?」

「俺は・・そういったものに頼る気もないし、俺の信じた道しか選ばない。」
「私は、君のそういう所がとても好きだよ、ジェラルド。で、手紙に記したアレはどうなった?」
「アレ?」リディアが首を傾げる。
「キルケが必要なものは全て用意しているはずだ。それにかかった金は後から全てお前に請求するからな!」ジェラルドがむっつりふくれながら言う。
「ああ、もちろんだ。あれらの魔石はこの大陸ではなかなか手に入らないものばかりだからね。貴重なんだよ、風の力が宿るのは少ないから。」
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