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囚われの王子と・・ 作者:帆摘
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73話:移転

「一体、何をしようとしているんだ?」ジェラルドが皆の意思を代弁するようにジークフォルンに問いかけた。いきなり現れたこの大男、話し方や服装の意外性だけではなく、先ほどの魔術の行使やキルケに対する態度をみていても只ものではない事が伺い知れる。なんというか奇妙な雰囲気を纏った男だった。
キルケは抱えられていたジークフォルンの胸から飛び降りると無言で魔法陣を描き始めた。魔法陣は指先からでる魔力の光を使って描かれる。術者が術を行った後も暫くの間そこに滞在しているが、大抵は時間と共に消え失せるのだ。もともと魔力の無いものには見えないし、見えていたとしても、よっぽどでなくては他人の魔法陣など使えない。

ジークフォルンはジェラルドの方に振り向くと簡単に説明を始めた。
「今キルケが描いているのが移転魔法の術式を使った魔法陣よ。まあ、貴方・・はほとんど魔力が無いようだから見えないかもしれないわねえ。そこの可愛いお嬢ちゃんには見えているんじゃなくて?」ジークフォルンの問いかけにリディアが軽く頷く。だが、目はしっかりとキルケの描き出す移転魔法の術式に釘付けだ。
リディアも、魔力の強い母方の血を受け継いだお陰で、魔力は通常のものよりかなり力がある。だが力があると言っても、ちゃんと学ばないで魔力を行使する事はできない。今までリディアが習得してきた魔力は攻撃系のものが多い。リディアの魔術の師であった、魔術師が身を守るための魔法を中心に教えていたからだ。だが、キルケの使う魔法はリディアが知っているようなものではなく、かなり高等な魔法が多く、興味が尽きない。

「この魔法陣から一気に王都まで跳ぶのよ。人数が多いから、厳選した10名だけで先に行って残りは後からこの道のりを来てもらう事になるわ。あ、キルケちゃん、向こう側の出口は私の家を使ってくれて良いわよ。」キルケは一瞬その言葉を聞いて顔をしかめたが、すぐに座標を問い返した。
「この人数で跳ぶのですか?」リディアは興奮した面持ちで聞き返す。移転の術はわりかし、高等な魔術を扱えるものなら使える魔法だが、それはほとんど自分自身を跳ばす事に限ってだ。10人もの人数を一気に、しかも随分と距離の離れたユフテスの王都ファーレンまで跳ばすのは至難の業だ。

「ああ、大丈夫よ、心配しないで。キルケちゃんの魔力はすごいんだから、これぐらいどうってことないわよ〜。」そういってキルケにウインクを寄越す。内心ゲッとは思ったがもちろん口には出さない。それに本当の所、10人の移動を行うのは聖地でならいざ知らず、この地上ではキツいものがある。それに今はそんなに魔力を使う訳にもいかないと考えているとまたジークフォルンから思念の念波が届く。

=心配しなくていいわよ、キルケちゃん。移動は私が行うわ。あなたは、少しサポートしてくれるだけでいいわよ。キルケちゃんにはこの後、大切なお仕事があるもの、今疲れさす訳にもいかないしね。それにここに付くのが遅くなったのもうちの馬鹿息子の所為だし・・・

=その馬鹿息子とやらは何処へいったんだ?

=さあ・・・まあ後で追跡かけるから良いわよ。本当にお仕置きが足りないわね、あの子も・・

「良し、描けたぞ」キルケが構築した魔法陣を満足そうに見た。
「じゃあ、、こっちへ集まって・・そう、ジェラルド、リディア、マリアベル・・・・」
皆を陣の真ん中に立たせる。
「本当に大丈夫なのか・・・?」心配げにジェラルドが問うた。
「大丈夫よ〜。心配しないで?まあ、詳しい話は向こうについてからするから。じゃあ、貴方達は、これから、急いで、王都に向かって頂戴ね。」

キルケが詠唱を始めた。「大地を司るレムノーリア、時空の裂け目を開き我らを彼の地に導かん・・」同時にジークフォルンも詠唱を始める。キルケは皆に気付かれぬ様途中からジークフォルンの詠唱にあわせるようにする。魔法陣が光り出し、中にいた10名は姿を消した。

残された騎士達は、しばらくほうけたようにその場に立ち尽くしていたが、荷を整えると、王都に向かって歩を進めた。
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