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囚われの王子と・・ 作者:帆摘
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90話:決行

鶏が鳴く前、治療を終えたミルセディは、カイルとジェラルドを別室に呼び寄せ、話をした後、竜の里へと帰っていった。また後ほど今度は必要になるであろうキルケの為の薬草などを採ってくるという。そして朝早く、ジークフォルンとカルナ、そしてジェラルドは幼帝オズベルトを連れ、グランディスの将軍イルディアスとの交渉の為出て行った。それぞれが各自のやるべき事をする為に・・・残されたリディアと寝台で眠る青年に付き添うカイル王子はキルケと共に外へ、そして残りの者らが屋敷の窓から外に描かれた巨大な魔法陣を固唾をのんで見守っていた。

巨大な魔法陣の上でキルケが呪文を唱えだすと、そこに巨大な白い竜の姿が浮かび上がった。分かっていたとはいえ、その荘厳で気高い姿に残っていたものは圧倒される。事前にジークフォルンが調べていた白竜の移転をこれほどまでに鮮やかに成し遂げたキルケに感嘆を覚えながら、リディアはこれから始まる念願の時に期待し、また恐れ震えていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


竜はゆっくりとその瞳を開き少し驚いたように目前に佇む黒いフードをかぶった小さな少女を見た。
キルケは自分に注がれる無言の圧力を感じながらなおも途切れる事無く詠唱を続けていた。そんなキルケの脳裏にアルファスの声が響く。

<どうして其方が此処に・・・?目覚めた時から微弱な其方の気を感じては居たが・・・。まさか本当に地上に降りて来ているとは・・だが其方がしようとしていることは里の理に反する事だ。わかっているのか、キルケ?! 今ならまだ間に合う、このまま私を眠りにつかせてくれ。そしてお前は里へ帰りなさい。だが、こうして死の際の前にお前を一目見れた事は幸いだった・・だからもうーーー>

<うるさいよ、アルファス。俺はもう昔の俺じゃない。小さな子供じゃないんだ。大体約束を破った貴方に俺のする事を指図される覚えはない!だから・・・すべてが終わる迄貴方は眠っていて!!>

そしてキルケはさらに上から呪文を重ね紡いで行く。いくら膨大な魔力をもつ竜とはいえ、緻密な術式をくみ上げるのにこれ以上ないほどの集中力と神経を消耗する。キルケの顔にいくつもの玉のような汗が浮いていた。

強制的に眠らせたアルファスを横目に見ながら、第二段階の術式に取りかかる。隣の魔法陣の中で眠る青年の体からゆっくりと青白い炎のような物が集まりだし急速に大きくなっていく。
青年の体から発せられる青白い炎が止んだ時、第三の術式を展開していく。アルファスを転成させる為の重要な部分だ。だが、キルケの体力と精神はほとんど限界に近くなってきていた。

それを感じたリディアが祈るようにキルケを励ます。リディアの声に意識を飛ばしそうになっていたキルケが薄く笑みを浮かべながら応対する。
「うるさいよ、リディア・・・。もう少しだ・・もう少しで術が完成する。」

1分、一秒がこれほど長く感じた事は誰一人として居なかったかもしれない、突如爆発的な光に包まれた後、目を開いたリディアは魔法陣の前に倒れたキルケに駆け寄った。
「キルケちゃん!」
一瞬の間を置いてカイル王子も魔法陣の中にいる己の分身とも言える弟の元に駆けつける。慌てて弟の胸に耳を当て、息をしているのを確かめた後、リディアとキルケの元へと走って来た。

「失敗したのか・・・?!」

「いや・・・成功した・・・。」リディアに抱きかかえられながらうっすらと金色の瞳を開いたキルケが息を整えながら答えた。次第に光が弱まり見えたそれは、白竜ではなく、ほのかに青白い光を纏う銀の竜だった。
「彼の・・魔力が核となって転成したからね・・・少し様変わりしたようだ・・。もう一人の方も大丈夫なはずだ。転成に必要な分だけを移しとった・・だから・・・・」そこまで言って小柄なキルケはリディアの腕の中で目を閉じた。

それと同時に銀の竜は目を覚まし大きな咆哮をあげた。
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