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囚われの王子と・・ 作者:帆摘
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88話:竜の一族5

物音に反応したのか、檻の中に入れられていた獣がむくりと起き上がった。
「ほら、ちゃっちゃっと壊してその子達連れて逃げるわよ。」ジークフォルンがあくびをかみ殺しながらのんきに言った。
「は?何?これも俺にやらせんの?つーか、今日俺働きどうしじゃね?」相手がジークフォルンだと、ついジェラルドもいつもの王子然とした喋り方から一気に素の自分に戻る。
「あら、そんなことないわよー。それにあんたもこうやって働いてたほうが色々と気がまぎれるんじゃないの?」
心の奥底にくすぶっているものを知っているかのようにジークフォルンがにやりと笑う。
「くそっ!」
力任せに檻をぶち壊すと、フィクサーがゆっくりと中から出てきた。御丁寧に幼皇帝を口にくわえている。とはいえ、こちらに敵意が無い訳ではないらしく、一定の距離を保ちつつこちらを観察しているようだ。
「あー、なーんて綺麗なの、フィクサーちゃん!ほら、警戒しなくても大丈夫よ。こっちの馬鹿はともかくあたしは綺麗なものには超寛大なの。傷つける訳じゃないし、その子を渡してくれたら、あなたも元いた所へ返してあげるわよ?」
ーーーーーソレハマコトカ?ーーーーー
脳内に声にならない声が響く。ぎょっとしてフィクサーを見つめるジェラルドを無視してジークフォルンは言葉を繋ぐ。
「本当よ。貴方ならあたしの言葉に嘘がないのは分かるでしょう?まあ、今すぐって訳にはいかないけど、この件が片付いたらちゃんと返してあげるわよ。」
まあ馬鹿息子がしでかしたことについては親代わりのあたしにも責任がある事だしね・・と心の中で付け加える。

しばらくの沈黙の後、また頭に声が響いた
ーーーーーワカッタ、ソレデイイーーーーー

「ふふ、幼いのにお利口ちゃんね。さ、ジェラルド・・さっさと行くわよ。こんな埃っぽいところに居たらあたしの玉のお肌と美容に良くないわ。」
用は終わったとばかりにさっさと出て行くジークフォルンの後を皇帝をくわえたフィクサーとついて行きながら、ジェラルドはこの正体不明の男について考えあぐねていたのだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
深夜、リディアーナを初めとする面々がジークフォルンの屋敷の一室に集まり最後の打ち合わせをしていた。
「それで?白い竜の居場所はもう突き止めたのか?」とジェラルド。

「問題ない。居場所はちゃんと吐かせておいた。」キルケが不敵な笑みをうかべながら床に転がされ、失神している神官らしき男を一瞥する。

「そんなことよりも問題は術を行うにあたって、弟の体がもつかどうか・・・ということですよね?」カイルが真面目な顔でキルケに問いただす。

「そうだ。本来ならば健康であったとしても、この術の負担はかなり大きいからな。体から核となる魔力を吸い上げる為には本人の精神力と体力が欠かせない。今のままだと下手をすれば死んでしまう恐れもある。」

死という言葉にリディアがびくりと体を震わせた。
「殺すために助けたんじゃないのよ、どうにかならないの?」ジークフォルンが問う。

「ないこともない・・・。だが・・・。」キルケは迷うように床に視線を落とす。一時的に弱り切った体を回復させる薬・・ミルセディならそれを作る事が可能だ。だがこの事に他の竜を巻き込む訳にはいかない。いくらアルファスが関わっている事とはいえ、ただでさえ掟破りの仕事だ。だが確かに今のままでは魔力を吸い出した時点であの男は死んでしまう。考え込むキルケの耳にリディアーナの声が響く。

「お願い、キルケちゃん!彼を死なせない方法があるなら教えて?!私なんでもするから!」

そのとき、部屋の中に魔法陣特有の淡い光が包み込んだ。

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