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★青春ゲーム★
作:水姫



第41回戦 体育祭〜借り物競走〜





◆第41話 借り物は人より物のほうが有利






『か、かっこよかった……!』

私は地面にぺたりと座りこんで、うっとりとした表情でそうこぼした。

今の今まで花形先輩を応援してたんだけど、それがもうかっこいいのなんのって!

しかも1位だよ!?マジどつぼついてくるんだけどッ!あ〜!先輩と肩組んでいたペアの人がうらやましい!

「おい、バカ女」

不意に背後からかけられた声。聞きなれたその声色に、私のテンションは一気に下降。

『なによ、私の幸せ侵さないでくれる?』

私はめいっぱい不機嫌を張り付けて返事した。っていうか、バカ女で振り返る私って一体……。

「早く戻れ。2年の借り物競走始まる」

『あり?2人3脚は?』

「お前が先輩見て悶えてる間に終わったボケ」

うわ、いちいちムカつくぁこいつ…。まぁ仕方ない。自分のクラス応援するか。





  ◇

戻ってきたら、なんだかざわついてた。

「なになに?どうしたわけ?」

近くにいたクラスメイトに聞いてみる。その娘は私の顔を見た途端、『舞ちゃん!』って言ってすがりついてきた。ヤベ、照れるって。

『え、マジでなに?』

「大変なの!借り物競走に出るはずの北林くんが見当たらなくて……!」

………。
鈴、あいつサボりやがったか。

『止むをえない。代役出そう』

「代役……?」

キョトン、とした声でオウム返しするクラスメイト。私はフッと微笑み

『浅野舞、出陣!』

そう叫んだ。
さぁさぁ早速舞の見せどころ!!いっくよー♪






「よーい…………」

ダァン!!!

スタートの甲高い銃声が、乾いた空気に響いた。それを合図に、みんな地面を蹴る。

「はいはい始まりました、借り物競走!実況は私内山が、解説は我が学園中等部の王子、高梨青海くんに来てもらってまーす!」

キャアアア、と悲鳴に近い黄色い歓声が沸き上がった。

青海は内心、だりいよ、なんで俺がこんな馬鹿馬鹿しいこと──なんて思ってるが、そこは多重人格。しっかり王子スマイルだ。

「青海くんはD組だよね?じゃあやっぱりD組……えーと、浅野舞ちゃん?贔屓ですかねぇ?」

内山が隣の青海に、ニヤニヤと笑いながら尋ねり。

「いえ、確かに自分のクラスに勝ってほしいですけど、他のみんなも応援してます」

俺、博愛者なんで、と微笑めば、再びおこる女子の悲鳴。
青海はそれを嘲笑うかのように、一瞬だけ黒い笑みをもらした。もちろん誰も気付かないが。

「では、青海くんの話は一端止め、実況に入りましょう!」

そう言い、コホン、とわざとらしく咳払いする。

「えーと、用意された紙には、それぞれ指示があります。その内容とは……あ〜と!端の紙をB組がとったぁッ!」

マイクを掴み、前屈みになる実況。青海はそれを冷めた目で一瞥する。

「続いてD、C、A…。さて、ではメモのネタばらししまぁす。まず一番左の紙。Bが取ったものですね。それにはこんな指示が書いてありました」

実況がその中身とは、と言いかけたところで、競走に参加してる4人が一斉に叫んだ。

「「「『はぁぁぁぁぁぁ!!?』」」」

「ちょっ、なんだこれ。血の繋がってないオタクの心をくすぐる萌え系妹?どこから連れてくるんだ!っていうか俺が欲しい!」

「庶民に土下座してもらった千円札?そんなプライドが傷付く真似したくないから、下の者にやらせますわ」

「自分より頭の良いクラスメイト……?はん、そんな奴いないね」

『好きな人の恋人の浮気相手……。翔兄でいいや』

選手は全員、紙を握った。

※ツッコミ(幸希)不在なため、みなさん心の中で存分にツッコんでやって下さい。

みんなはうだうだ言いつつも、どこから持ってくる気なのか、探し始めた。各々の目的地へ急ぐ。

「フフフフフ、なにが起こるかわからない。それが借り物競走だ。ついでにメモ書いたのは私です♪」

内山が愉快そうに言った。













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