★青春ゲーム★(37/64)縦書き表示RDF


☆体育祭編☆
★青春ゲーム★
作:水姫



第36回戦 ミーティング



◆第36話 会議を始めよう





こんにちは、藤森幸希です。授業はもう5時間目、僕等D組は話し合いをしていた。
そう、2週間後に控えている【体育祭】についての。

 リレー
 障害物競争
 二人三脚
 借り物競争etu……

たくさんの個人競技を、学級委員の2人が黒板に書いていく。

その様子を、翔先生はつまらなそうに、椅子に座って見ていた。司会は面倒くさいから、指揮を全部学級委員に任せたんだよこの教師。

「では、皆さん。この中から立候補・推薦をお願いします」

時代はずれの、漫画みたいなぐるぐるメガネをかけた学級委員が、僕等のほうを向いて言った。
途端にざわつく教室内。皆友達同士で、相談してるみたい。

うーん、僕なにやろうかな。去年はリレー出たから、今年は違うのがいいけど…

『ハイハイハイ!わたし借り物競争出たい!!』

元気だなぁ、舞ちゃん。

「ハイは1回。じゃあ、とりあえず浅野さんは借り物競争で―」

そう言って、メガネ君─本名は瀬崎君─が黒板に舞ちゃんの名前を書こうとした時、反対の声が。

「俺はアイツが借り物競争出るなんて反対だ。っていうか、アイツが生きている事に反対だ」

かなりめちゃくちゃな異議を申し立てるのは、外面完璧、内面腹黒の青海その人。

『テメェそれどういう意味だ!!』

「そういう意味だよ」

案の定怒る舞ちゃんに、青海はポーカーフェイスで対応する。
他のみんなは、またか…という目で、傍観者モードに入ってた。なんだかんだで、この2人の喧嘩はD組の名物状態だからね。

「痴和喧嘩は放っておいて、他にもどんどん言って下さい」

もう1人の学級委員、長い黒髪をお下げにしている矢野さんが、皆に向かって言う。だけど皆、喧嘩のほうばかり見てるし…。

早いうちに決めたほうが楽かな?えっと、じゃあ……

「僕、障害物きょ『だから、微生物といったらミジンコだろ!?』

……は?

「何馬鹿言ってんだ。微生物=アメーバって昔から決まってるんだよ。なんでよりによってミジンコ…」

……なんか僕の意見遮られたんだけど。しかも、争いの論点変わってない?なんで微生物?

『うるさい!ミジンコをバカにする奴はミジンコに泣くんだぞ!!』

ミジンコに泣くってどんな状況?

「舞ちゃん、借り物競争はどこいったの?」

『え?………そうだ!借り物競争!!』

やっぱりこの娘バカだ

『わたしは借り物競争で好きな人と一緒にゴールするんだ!それで体育祭が終わった後、ドキドキしながら告白して、夕日が射す教室でキッスみたいな?きゃー!待ってて下さいね花形先輩vV』

うわ!すごい青春期待してるよ!っていうか、相手は先輩なんだ。まだ好きだったんだね…。

「そんな事はどうでもいいから、早く決めて下さい」

やや低い声で、矢野さんが睨み気味に言う。結構怒ってるね、コレ。

「…舞ちゃんさ、足速いんだし、リレー出れば?」

頭は確かに悪いけど、舞ちゃんの運動神経は異常な程、秀でてる。なんでB組の誘い蹴ったんだろ?まぁ、僕も断ったから人のこと言えないけど。

『リレーかぁ〜、じゃあ幸希一緒に出る?』

「僕、障害物競争出たいからさ。青海はどう?」

そう言って、チラリと青海を横目で見る。相変わらずポーカーフェイスで、考えがよめない。

『えー、青海私より足遅いじゃん』

「明けテスト3教科50点以下だった奴に馬鹿にされたくないんだけど」

『青海、人は成績じゃないのよ。天才と頭良いは違うの。エジソンが良い例よ。だからね』

「なんか殺意わく…幸希、俺、殺人者なるかも」

「物騒なこと言わない!!」

この人は本気でやりそうだから恐いんだよ!舞ちゃんは舞ちゃんで、自分に都合の良い事言ってるし!


「ああもう、ダリイよお前等。早く決めてくれ」

なかなかまとまらない僕等に、翔先生がやっと口を出した。
ゆるゆるのネクタイを更に緩め、頭を乱暴に掻きながら黒板の前へと出る。

「あのなぁ、体育祭なんて来年もあるんだし、何でもいいじゃん。何をそんなに迷ってるわけ?」

黒板に寄りかかり、ずり落ちそうになったメガネをくいっと、中指で定位置に戻し、そう言った。

『先生、私達は一瞬一瞬を大切にしてるんだよ?だからそんな適当に決めたくないの。エジソンがいい例だね』

「舞ちゃん、エジソン関係ないから」

『じゃあクレオパトラ』

「偉人言えばいいと思ってる?」

だいたい『じゃあ』って君…。誰がこんな風に教育したんだろ、ゆとり教育どころじゃないぞ。

「とりあえず幸希は障害物競争。舞と青海はリレーでよくね?」

相変わらず適当な先生が、これまた適当にまとめた。

あ、でも僕は障害物競争決定?良かった。


「じゃあ私もリレー出るわ!」

突然大声を出したのは、舞ちゃん激ラブの流華ちゃん。今までおとなしいと思ってたら、やっぱりきたか。

「冗談じゃねぇ。なんで舞や葉月流華と走らなきゃいけないんだよ。それなら俺は、幸希と一緒に障害物のほう出るぜ」

そう言って、僕のほうを見てくる。見てくる、というより、睨むって感じだ。僕を脅してどうするの。

「いや、青海はやっぱりリレーやりなよ」

「……あ?」

青海は無表情を崩し、不機嫌な声を出した。かなり恐いけど、もう慣れたかな。

「藤森、私は青海と一緒に出るなんてごめんよ」

珍しく青海と同じ意見を言う流華ちゃん。まぁ、仲悪いからこそだろうけど。

「だから、流華ちゃんは僕と障害物出よ」

「はぁ?なんでよ!!」

……そんな否定されるとショックなんだけど。

「僕は、あの2人にもっと素直になってほしいんだ」

口喧嘩している青海と舞ちゃんを見て、僕は呟く。

「……舞と青海が、なんて嫌よ」

怒りと哀しみの混ざった声で、流華ちゃんはそう言った。

意地っ張りは青海のほう。舞ちゃんは、きっと気付いてないだろう。でも流華ちゃんは舞ちゃんの事をよく見てるから、多分分かってる。僕だってそこまで鈍くない。

「ダメかな?」

「協力なんかしたくない」

「舞ちゃんの秘蔵プレミア生写真をセットで」

「今回だけならいいわ」

簡単に意見を変えたよこの娘。単純だなオイ。

方法はとにかく、一応了承をとった僕は、学級委員2人に向かい

「じゃあ、僕と流華ちゃんが障害物競争。青海と舞ちゃんがリレーで」

「不本意だけどね」

矢野さんがそれぞれの名前を書いていく。メガネ君、もとい瀬崎君は、他の皆にやりたい競技を聞いていた。

『えー!?ちょっと何勝手に決めてるのさ!!』

「テメェ等俺の意見聞けよ」

……………無視無視。



「幸希もお人好しだな、友達の恋路を手伝うなんて」
「──先生」

いつのまにか教室の後ろに移った先生は、1番後ろの席の僕に、周りに聞こえない程度の声で話しかけてきた。

「別にそういうわけじゃ…、っていうか、僕と流華ちゃんの話聞いてたんですか?」
「さぁな。でも、なんとなく分かるんだよ」

意味深な言葉を吐く。恐いんですけどこの人。どれだけ観察力あるわけ?

「でも、ちゃんと自分の恋愛も進めようとしてるあたり素敵な性格だよな」
「……なんの事ですか?」
「べっつにー」

だから怪しい言い方するな!!


学校行事といったら体育祭ですよね!!クラス対抗戦にしていきます★











ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう