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ルームメイト 作者:帆摘
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5話

昨晩から片付け始めた荷物は、午後にはすっかりと片付いてしまっていた。我ながら女にしては素っ気ない部屋だと思う。お兄ちゃんや、遊びに来た友達でさえ、一歩、私の部屋に足を踏み入れた時、大げさにため息をついて言っていたものだ。
「遥・・・、あんたがお洒落とかにあんまり興味ないのは知ってたけど・・・もう少し何とかならないの?これ・・・」呆れたように私の顔を覗き込んだ親友の幸恵ちゃん。彼女は地元の大学へと進路を勧め、以前のようにお互いしょっちゅう合う事は無くなったが、ずっとメールのやり取りはしている。
「吃驚するだろうな・・・」幸恵ちゃん、この私が見ず知らずの男の人と一緒に暮らしているなんて・・・と考えながら小さく呟いた声に反応する声があった。

「うん、ほんと意外だね。」
びくっと弾かれたように後ろを振り向いた。いつの間に帰ってきたのか開け放たれた部屋のドアにもたれかかるようにしてあの男が立っていた。
「な、なんですか?いきなり・・というか帰ってたんですか?!」何故かわからないが微妙に焦ってしまい少し引きつった声で言い募る。
「うん、ただいまって言ったけど、聞こえてなかったみたいだし、それに扉も窓も開けっ放しだったから覗いてみたんだけど。」

なんだ、声をかけてくれていたのか・・・それは気がつかなかった。だけど目の前にいる男は興味深そうに私の部屋を見回している。引っ越ししたとはいえ、元の部屋と同じぐらい、いや、それ以上に殺風景な部屋だった。
もともと置いてあった備え付けの簡易ベットに小さな青い水玉模様のベットカバー、装飾は一切なしの機能的なタンスと少し大きめの勉強机。我ながら、確かに女の子の部屋らしいとはお世辞にも言いがたい。
「・・掃除が終わったので空気転換に窓を開けていたんです。すいません、寒かったですか?」
「いや?別に、俺も今外から帰ったばっかだし・・・。それにしても殺風景な部屋だね、遥ちゃん、なんかもっと女の子らしいふわふわしたイメージを想像してたけど・・・」

悪かったですね!余計なお世話だと思いつつ、私はむっとしながら言い返す。
「別に・・、大学へは遊びに来た訳じゃありませんから・・・。」
「ふうん?でもあそこの置物だけはちょっとイメージが違うかな・・」
目敏いと思いつつも私は彼が目線を向けた先にあるものを目の端に捕えた。それは昔お兄ちゃんが修学旅行のお土産にと私に買って来てくれた2匹のドルフィンが宙を舞うガラスで出来た置物だった。結構高かっただろうなと思いつつ貰い、引っ越しの際に少し迷ったが、一緒に持って来たのだ。

「で、その横にある写真が君の家族?」
そう、そしてその横にはこの冬、お父さんが仕事を解雇される前に、家族旅行で行った温泉宿での写真が飾ってあった。
「そうです。・・にしても早かったですね、忍さん。帰ってくるのは夕方じゃなかったんですか?」ちくりと嫌みを混ぜて言い返す。
男はそれこそ、『妖艶』を絵に描いた様な表情でにっと笑って言った。
「ん、用事はもう済んだんだ。それよりもさ、買い物に行かない?」
「買い物・・って、ああ、食料品の事ですか?」
「うん、それもあるけど、まあ・・・」と何か口ごもる。はっきり言わない所が何か怪しいが、どちらにしろ、今日冷蔵庫と、戸棚をチェックしてみた所、買いそろえなくては行けない物も少なくはない。これだけガタイが良いのだ、良い荷物持ちにはなるだろう、と私は一人納得して頷いた。

昨日、このマンションにくる前に、この近辺の安そうなスーパーなどはチェックしておいたのだが、一緒に外にでて歩き始めると、彼は思っていた方向とまったく別の方へと歩き出す。
「あ、あの!スーパーはこっちだと思うんですけど!」
すると彼は強引に私の手を引っ張って歩きながら行った。「こっちであってるから。」
というか、なんであなたは私の手を握っているんですか!自然と顔が赤くなる。それに周りの視線がとても気になる・・・というか痛い!

今すれ違ったお姉さんなんてきっと、なんでこんなイケメンが冴えない女つれているんだと言ったような目でこちらを見ていた。とりあえず逃げはしないので手は離して欲しい・・・。涙)
しばらく無言で歩き続ける事5分、駅の反対側にある巨大なショッピングモールが見えて来た。
食材の買い物に来たんじゃなかったんですか・・・?忍さん・・・
私を引っ張ったまま彼はモールの中にある、こ洒落た店へと入って行く。入り口にはVIDA Salonと書かれている、てか私なんでこんな所に来てるんですか?!
「ちょっと、忍さん!」私はこらえきれずに小さく叫んだ。
「何?」
「何って、なんなんですか?ここは!」
「見て分かんない?」
見てって・・・見た感じ其処は高級そうなヘアサロンのようだった。嫌違う、だからなんでこんな所にきてるのかというのが問題なのよ!
「あれえ、忍何時帰ってきてたの〜?」サロンの奥からかっこいい・・・けど何か違うお兄さんが出て来た。
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