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ルームメイト 作者:帆摘
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40/41

40話

せっかくユリアを襲った犯人の一人が捕まったというのに、それから捜査は一向にはかどらなかった。というのも、逮捕された男曰く、「一種変わった」プレイを好む者たちが活用している、ある禁サイトにその情報は載っていたのだという。一般には暴露できない性癖を持つ者たちが相手を探す掲示板・・・そこで、ご丁寧にもユリアの写真付きで「沢山」の不特定男性を募っていたのだという。現在そのサイトの運営の方へも手が伸びて取り調べがなされているらしいが、たいていの会員やビジターがIPアドレスを偽っていたり、足取りがつかめないような処置をしている知能犯も多いため、犯人を特定するのが難しいという。逮捕されたドラックジャンキーの男の取り調べで、嫌がるユリアを「そういうプレイ」だと勘違いした不特定多数の男どもが、暴力を振るいながらかわるがわる犯したと聞き俺の理性は崩壊寸前だった。

「誰」かが明確な「悪意」をもってそのサイトにユリアの情報を流したことは間違いない。
学校で行われるいじめも、陰湿なものが多いが、これは明らかに常識を逸した明確な悪意・・・大人しいユリアがそこまで酷い悪意に晒される理由も思いつかない。
唯一、自分の周りにそういうことをしそうな女がいたが、何も証拠がないのに疑いをかけることはできない。ここ数日ユリアや、事件の事を考えると寝られない日が続き、睡眠不足も相まって絶不調だった俺の元に、一本の電話が入った。珍しくそれは、親父からのものであり、ある重要な書類を桐生真弓から受け取ってきてほしいというものだった。渡りに船とばかりに俺は二つ返事で了承して出かけた。だが、憮然とした曖昧な予感だけで、犯人だと決めつけることはできないことは子供でも分かることだ。何か、徹底的な証拠となるものがいる・・・。

呼び鈴を鳴らすと、カメラで俺の姿を確認したのだろう、すぐに扉が開かれ真弓がねっとりとした笑みを浮かべ俺を中に引き入れた。なんだか、今迄以上に悪寒の走る笑みに俺は吐き気を覚えながらも用心深く相手を油断させる甘い言葉を並べ立てた。
気を良くした女はすぐに乗ってきて、俺は目的の為に彼女が疲れ果てて眠り込むまで貪り続けた。隣で寝息を立てる女に気づかれないよう気を付けて、俺は彼女の仕事用の鞄からパソコンを取り出し、中身を確認しようとしたが案の定パスワードがかかっていて開かない。小さく舌打ちをして、パソコンを元の鞄に返し、これからどうやってこの女からパスワードを引き出すか考えた。

何度かの逢引の後、やっとそれらしいパスワードの情報を聞き出した俺は、前回と同じように真弓を抱きつぶした。念のため、睡眠剤も盛っておいたのでしばらくは目を覚まさないだろう。
今度はすんなりとログインができた俺は、何か証拠になるものは無いかと片っ端からファイルを開きウェッブサイトの復歴などを確認していたが、何も見つからない。

「くそっ・・・見込み違いか・・・?」焦る俺の後ろからくすくす嗤う声が聞こえた。

「ねえ・・何を探しているの?」ぎょっとして振り向くと、真弓が素肌にバスタオルを巻き付けたまま、ドアに寄りかかってこちらを見ていた。
「な・・んで?」
「くっ、くく、な・ん・で私が起きているかって聞きたいの?ああ・・・本当におかしい・・なんでわからないとでも思ったの?大体、ずっと私を避けてたくせに、突如手のひらを返したみたいにされたら、普通は何か企んでるって思うもんじゃないのかしら?」

「っ!お前が・・・お前がやったのか?」
「やったって何を・・・・?」
「お前がサイトに書き込んでユリアを襲わせたのかと聞いてるんだっ!」
真弓はにやりと獲物を定めた蛇のように嗤いながら言った。
「何のこと?・・・あ~ああ、そういえば最近あなたの学校の子でレイプされた子がいるんですってね。ご愁傷さま・・・本当に怖いわぁ」その言葉にとっさに俺は真弓の腕を引き、きつく握りしめたまま問い詰めた。
「ふざけるなっ!大体何でお前がそのことを知っている?!彼女はまだ未成年だ。情報は最低限しか出回っていない!」
手をきつく握られた痛みに彼女は眉をひそめながら馬鹿にしたように答える。「はっ、今どきどんな情報でもネットに出回る時代よ。相手が未成年だろうが何だろうが関係ないわ。それよりも手を放してさっさと帰って頂戴。もうそろそろ帰ってくるのよ。」
「このっ!」頭に血が上ったあの時の俺は真弓のバックについていたヤバいものを理解していなかった。
振り上げたこぶしと体は拘束され、帰ってきたマフィアの幹部とその部下達に俺はぼこぼこに殴られ路地裏に捨てられた。途中で真弓が止めた為か、その場で殺されるまではいかなかったが、肋骨や足の骨が折れ、出血多量だったのでかなりやばかったらしいが、幸運にも誰がが見つけて通告を受けた救急隊員が駆け付け比較的すぐに処置がなされたので、大事には至らなかった。

だが、退院した俺を待ち受けていたのは、ユリアが飛び降り自殺をしたという事実だった。
告別式で、彼女の母から、ユリアが最後まで持っていたと渡されたのは、俺が、付き合い始めに彼女にあげた安物のペンダントだった。

その後、事件は大した進展もないまま迷宮入りとなったーーーーーーーーー

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