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ルームメイト 作者:帆摘
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28話

午前の授業が終わると、真樹ちゃんからお声がかかる。
「ね、遥、昨日先輩とデートしてきたんでしょ?どうだったの?」
「あー・・・えっと、美術展は本当に素晴らしかったですよ。それこそ1日中でもいたかったんですけどね。」
「なんか含みのある答えね、何があったの?」
私は午後のクラスが始まるまでの間、真樹ちゃんに簡単に昨日のあらましを説明する。
「へえ・・ほんとぶっ飛んでるわね、その子。でも笑える。忍さんの困った顔見て見たかったわ〜。」そういって真樹ちゃんは少し意地悪そうに笑う。
「そうですね、確かにあんな余裕の無い忍さんを見たのは初めてかも。うちのお兄ちゃんが来たときでさえ、あそこまで慌てた感じではなかったですし・・。」そういって遥は、ゾフィーの口から漏れたユリアという女性の名を聞いた時の忍を思い出す。

「で、そのゾフィーって子は1週間遥が面倒見る事になった訳?」
「はあ。一応。私よりはるかに大人っぽくみえますが一応未青年ですし・・。それになんだか変に懐かれた様で・・。」
「ふ〜ん、なるほどねえ。」と真樹ちゃんが頷く。何がなるほどなのか分からないが、真樹ちゃんはそれなりに納得したようだ。
「それで先輩の初デートは撃沈した訳か・・ね、今週のどの日か私も遥んちに泊まっていい?その天才少女にもあってみたいしさ。」
「いいですよ。あ、でもうち、シングルベットしかないし、お布団が・・。」
「いいわよ、リビングのソファーで寝るから。冬ならいざ知らず、今は夏なんだし、全然オッケーでしょ。」
「わかりました。じゃあ、一応聞いてみますね。」

***
その頃、忍はゾフィーを某大学へ送り届けて、親代わりとして?挨拶をすませた後、大学へと戻って来ていた。昨日、町中でゾフィーと逢ったのは本当に青天の霹靂というぐらい驚いたのは事実だった。
ゾフィーの母と自身の亡くなった母は幼馴染みの同級生で、お互いに結婚をしてからもずっと母が亡くなるまで良好な関係を続けていた。もともと身体の弱かった母が俺を生んだのは奇跡とも言える確立で、そして出産直後から今まで以上に身体を崩した母は、一年の半分はスイスにある療養所で暮らしていた。
ゾフィーの母親は若くで父と大恋愛の末結ばれた母と違い、キャリアを積んで30代前半で、手広くホテル事業を展開している夫と出会い結婚し、二年目にゾフィーが生まれた。

幼い頃から、ほとんど家に居ない母親の代わりに面倒を見てくれていたのがゾフィーの母親だ。とはいっても、子供を産んだ後は、乳母に子育てを任してすぐに仕事に復帰したのだから、自然残された子供二人は共に居る事が多くなる。
俺の父親も仕事で1年の半分以上は世界中を飛び回っていたのだから仕方が無い。俺も幼少の頃は、スイスにいる母とドイツの実家を行ったり来たりしていた。

ゾフィーは小さな頃からやたらと活発な子供だった。今思えば、それはIQの高さによるものだったのかもしれないが、みじかにある様々な物に興味を示し、いつも俺の後をついて回って質問するのが、多少うざかったが、それでも懐かれるとそれなりに愛着が湧く物でいつの間にか妹のように思っていた。

生前、母とゾフィーの両親は割と本気で俺たちをくっつけようとしていたらしく、その頃6歳になったゾフィーは母達の話を聞いて、婚約という言葉に大いに興味を持って使うようになっていた。あまりうるさくいうので、適当に返事をしていたら、どうやら本気にしたらしく、俺の母親が死んだ後、しばらくして付き合ってた女達に牽制していた事は記憶に新しい。俺が日本でスカウトされて、モデル業を始めるようになると、ゾフィーも同じように雑誌モデルを始めた。まあ、年齢の割には大人っぽく体つきのよいゾフィーはすぐに売れっ子モデルとなって、ティーンの雑誌などで活躍している。

色々あって、親父の意向に従って日本の大学に行く事を決めたときも、こちらにくるぎりぎりにゾフィーに話したのだが、そのとき一瞬殺気の様なものを感じたが、何もいわなかったので納得したのだろうと思っていた。
雑誌モデルだけでなく、その知能でも注目されつつあったゾフィーは、アメリカの某有名大学から奨学金付きでのオファーをいくつか受けていたし、てっきりそっちの方面へ進む物だと思っていたから余計にゾフィーが日本の大学へくる事には驚きを隠せなかった。
だが、昨日ドイツにいるゾフィーの母親に電話して詳細を聞いた所、日本への留学は1年間のみで、その後はもともとの予定通り、アメリカへ行くのだという。
***(ここからはドイツ語の会話です。)
「まあ、日本には忍も居る事だし・・?ゾフィーがどうしてもって聞かなかったからしょうがないわ。あの子、あなたの事が心配で仕方がないのよ。ま、そう言う事だから、1年間よろしくね、忍。」
「ちょっと待って下さい。住む所とかはどうするんですか?!」
「確か、Ayaのルームの隣って空き家じゃなかった?そこを私が買う事にしたから。」
「は?ちょっと、おばさん・・それはうちの隣に住まわすってことですか?」
「そうよ。忍のそばなら安心だし。というか・・・いつも言ってるでしょ、おばさんって呼び方、老けたように感じるから止めてちょうだい。あら、もう時間だわ。ごめんなさい、忍。行かなくちゃいけないから、とりあえずはこの1週間ゾフィーの事よろしくね!バ〜イ!」
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