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ここまで読んでくださった皆さん。
本当にありがとうございました。
エピローグ:希望の光
 


 神々の黄昏事件は塔の崩落により一応の幕を引いた。蒼二と遥緋は何とか凍った海に着地し、
 助けに来た他の家に救出されるとそのまま病院へと搬送された。
 遥緋の方は落ちた衝撃で全身の何箇所かを骨折しており、蒼二の方は体力の消耗が激しい状態。
 瓦礫にレヴァティーンは刺さっていなかったらしい。すなわち、藍は死んだか気絶したかのどちらか。
 事件から一週間経っても、あの辺りは完全に封鎖され今もユグドラシルの瓦礫が回収されている。
 鬼神の死体見つかっていないらしい。きっと、粒子化して消えてしまったのだろうというのが全員の見解。
 戦闘を繰り広げていた蒼威と戒は、戒が戦いの終わりを感じると

「もう終わりにしましょう。僕は帰りますから、八神さんによろしくお伝えください」

 そう言うと、戒は音も無くその場から消えてしまい、蒼威はその事で一週間ばかり機嫌が悪く、
 蒼二と遥緋の見舞いに来てはグチグチと苦々しげに戒への暴言を吐いていた。
 そのうち、郁人が緊張した面持ちで見舞いに来て、全てを話していった。フラガラッハの事。
 起動の為に分かれた四人の反意思を借りた事。多分、二度と話せないという事。
 悲しかったが、それをしなければ郁人と梨香と竜胆は殺されてしまっていたので、誰も郁人を責めない。

「俺はあの人達の意思を次いで皆さんを守る力になります。何かあったら、すぐに連絡を下さい」

 そういい残し、郁人と竜胆は帰っていった。そんなこんなで時間が流れ、退院した後はすぐに学校の試験。
 死に物狂いで蒼二と遥緋と神璽と由加は勉強した結果。何とか赤点は回避という結果に。
 そして、時間が経つのは早く夏休みが終わり、冬休みが終わり、新学期のとある日。
 蒼二と遥緋は午前中で学校を無理矢理早退、という名の脱走を繰り広げて家に居た。
 そわそわと落ち着かない。そう、今日は遥が新しく生まれた子供を連れて帰ってくる日。

「男の子かぁ……女の子が良かったなぁ」

「フフン。最強の弟に仕立てあげてやるぜ」

「ちょっと。お兄ちゃんみたいな乱暴者の弟は嫌だからね」

 そんな言い合いを続ける二人。命の姿は無い。あれから命は運命達と暮らすようになり、
 千島家から出て行ってしまった。だが、学校が変わることは無い。
 運命達が住んでいる場所は神璽と由加のアパートの向かいにある高級マンション。
 今日も追試が終わったら、命を始め運命達も子供を見に来る予定だった。
 これも、鬼神と人間の共存の第一歩。藍の為だけでなく、自分達の未来の為の一歩でもある。
 
「ただいまー」

 すると、玄関の戸が開き母親の声が聞こえた。二人はゆっくりと、緊張した面持ちで待つ。
 やがて、現れたのは蒼威。二人は、持っていたジュースの空き缶や、ゴミを蒼威にぶつけると

「紛らわしいんだよ!」

「そうだよ! 私達のドキドキを返して!」

 蒼二と遥緋に踏みつけられ、蒼威はなす術も無く沈黙。そして、今度こそ遥と子供が現れた。
 すやすやとタオルケットに包まれて眠る姿は本当に無防備で可愛らしい。
 二人は顔を見合わせると、ゆっくりと近づき頭を撫でたり、頬をつついたりする。
 子供は起きる気配が無い。遥は、とりあえず事前に買ってあったベットに子供を寝かせる。
 しばらく三人でその寝ている姿を声を出す事無く見つめていた。だが、蒼威が突然起き上がり、

「ハイ! ここで、この子の名前決定会議をしたいと思います!」

 三人の非難の視線を浴びるが、蒼威は一向に気にせず、会議のためのお茶の準備を始めた。
 遥は「まだ気が早い」みたいな態度ではあるが、この数ヶ月間で、蒼二と遥緋はこの子につける名前を決めていた。
 蒼威が準備したお茶に誘われて、全員が席に着くとまず遥緋が切り出した。

「お父さんとママにね。お願いがあるの」

「言ってみろ」

「なぁに?」

「私とお兄ちゃんで……うん。色々考えてね。藍さんの事とか千島の事とかね。
 それで、一つの名前を考え付いたから、私とお兄ちゃんはその名前をこの子につけたい」

「ほぉ……玉三郎とかそんな名前か?」

「そりゃ、テメーの意見だろうが! 俺達はな、こう見えても真剣に考えたんだ」

「とりあえず、言ってみなさいよ」

「流石母さん。肉がついても綺麗だね……嘘嘘ごめんなさい。すっごく変わってません」

 遥に睨まれ、蒼二は顔を青くすると遥緋と顔を見合わせた。
 二人が選んだ名前の意味は、新しく始まった世界と、千島の希望の光となって欲しいという意味。
 色々な事があった。自分達ではどうにもならないこともあった。
 それら全てを何とかしてくれるような、強い人間になってほしい。そんな願いを込めて、
 蒼二と遥緋はその名前を口にした──












                        緋色の眼 〜神々の黄昏〜 完











 はい、何とか終わりました神々の黄昏。行き当たりばったりな感じだったので、
 四十話ぐらいで終わるだろうと思ってたら、またしてもこんなに書いてしまいました。
 文字数で言ったら、前作よりも数万文字以上多いですしね。ええ、長すぎです。
 何人かの読者様も飽きてきた次第かと思います。
 元々十名家は出すつもりありませんでしたしね。でも、今では出してよかったと思います。
 結局全ての家、出ちゃいましたしね(笑
 プロット通りには進まないものです…………次回こそは頑張ってみます。
 

 次回作に関してですが、現在は三話ほどまで書けてます。
 神々の黄昏から九年後の話なので、主要キャラの殆どは二十歳以上になってます。
 この後書きという名の言い訳の後に予告編書いておくので、良かったら見てください。
 内容に関しては、"過去"それが大きなテーマとなります。
 人は何時か死にます。問題は、それをどう受け止めるか。死者をどう捉えるか。
 そんな感じでやっていこうかと。

 そんなわけで、しばらくはDaysを中心にしてやっていきます。
 ファーストコンタクトをやったり、時雨の受難をやったりと。みたいな感じで。
 時期が来たら、新作を投稿しようかと。


 あ、後アンケートに答えてくださった皆様、ありがとうございした。
 かなり参考になった部分が多かったです。蒼二人気が高くて、めっちゃビックリし。
 郁人人気が低くて悲しくなりました。郁人、一番気に入ってるキャラなんですがね。
 雨龍と大罪とロキも不人気でしたね。雨龍は続編で詳しくやるので、その際はよろしくお願いします。


 それでは、最終話まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。


 ↓次回作予告編(タイトルは仮題)









 失った人を、取り戻したいってを思ったことはありませんか?








 恋人でも、友人でも、家族でも。失った人に会いたいと思ったことはありませんか?





 


 私は、会いたいんです。どうしても──どうしても伝えたい事があるんです。









  だから、その為なら私は──












 「会って伝えたい事があるの」──その一言から、全ては動き出した。
 神々の黄昏事件から九年後の世界で、日本は大きく動こうとしていた。
 九我山家襲撃事件を始めとして、次々と連鎖的に起こる事件。
 その根底には、誰もが願うほんの些細な願いがあった。
 そして、希望の光と未来への希望が交差した時、新たなる運命が廻り出す。
 緋色の眼シリーズ最終作。



           【 緋 色 の 眼 〜 P A S T 〜 】




                 ──私は、幸せだからね。



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