05☆:私上最大の作戦
〜万屋にはしばらく行かないよ。取り込まれてしまいそうだから・・・。
「なあタツオ。今度、友達とキャンプに行くんだよ。でさ・・・、タツオも来てくれない?」
「マイブラザーがミーに頼み事とは珍しいな、無問題さ」
こうなってしまったのはわけがあるんだ・・・。
話は数時間前へさかのぼる。
学校で仲間が何やら盛り上がった話をしている。
「ねえ、何の話?」
僕は話に割って入った。
「今度の休みにどこかにキャンプにいこうと思うんだ」
この話の提案者らしいカズヤが教えてくれた。
「へええ!いいね!」
―キャンプかあ、行ってみたかったんだよね。
「そこでリョウタくん。君には大役を与えようと思うのだ」
カズヤがかしこまって言った。
「なんでありましょうか、閣下」
僕はカズヤに合わせてかしこまって聞いた。
周りにいる男どもの視線がが僕に集まる。
「・・・君には女の子の勧誘を頼みたい。やってくれるな」
カズヤは僕の腕を持ち、目を見て真剣な目で言う。
周りの男どもも真剣だ。
「え、僕ですか?」
―え、僕ですか?
僕は男どもの期待を背に、女子の集まる席へ向かう。
「あのー・・・、僕達とキャンプに行きませんか?楽しいですよ」
少し棒読みになってしまったが仕方あるまい。
これ以上期待されても困る。
「いいよー!」
―こいつぁ驚いたぜ!
彼女達は僕らのやりとりを聞いていたようだ。
声がでかかったしな。
しかし彼女は想定外の条件を付けてきた。
「八菱くんってお兄さんいるんでしょ?」
―こいつぁ驚いたぜ!
「ええ、まあ、うん、そうだね、いるかいないかって言ったら・・・いるほうかなあ」
「えーっ?見たいよねー」
と女の子の中で中心的役割をしている中村さんが周りの女子に同意を求める。
「うん、見たい!見たい!」
―あっ悪夢だ・・・
リョウタはめのまえがまっくらになった。
と言うわけだ。
幸運なことに彼女達は兄を知らないようだった。
兄にしっかり釘を刺しておけば大丈夫・・・だ。