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12☆で終わらないみたい
11☆:大逃走
〜牢屋にぶち込まれた僕。

僕は目を覚ました。
「リョウタよ。死んでしまうとは情けない」
―誰かと隣にいる!
「僕は死んだのか?」
隣にはタツオがいた。
「お前・・・。最近素直だな」
「タツオか。逃げられたのか」
僕はタツオに聞いた。
タツオは答えた。
「タツオは逃げ出した・・・。ダメでした」
それはそうだ。
同じ牢屋の中にいるんだから。
僕は辺りを見回した。
牢屋の壁はレンガで、少しじめじめした感じの部屋だ。

「だが、今度は大丈夫だ。トンネルを掘った」
タツオは笑いながら指を三本立てた。
―すごいよタツオさん!
タツオは自慢げに顔を上げて言う。
「三本掘ったんだ」

「トンネルを掘って脱出する映画を知ってるか?」
タツオは僕に尋ねる。
タツオは映画にもアニメにも漫画にも強そうな人間だ。
「さあ、どうゆう映画なの?」
「知らないのか。トンネルを三本掘って収容所から脱走を企てるんだ。ノンフィクションだ」
タツオは呆れた顔で説明した。
「で、彼らは逃げられるのか」
「映画の結末を言うほど野暮じゃない」

タツオはトンネルの穴を指差しながら続けて言う。
「ロイド・トンネル」
「アナ・トンネル」
「テディ・トンネル」
どれもうまく隠されていてわからなかった。
「アナ・トンネルは水道管にぶち当たったから未開通だ。ロイド・トンネルは隣の牢屋につながっている」
タツオは隣の牢屋にいて、たまたまリョウタがこの部屋に連れてこられたらしい。

「じゃあテディ・トンネルは?」
僕が期待をしつつ尋ねると、
「あとは逃げるだけだ」
とタツオはいつものように笑って答えた。
「名前の由来のテディは確かゲームの途中で死ぬけどな」
―縁起悪っ!
「あれ、死ななかったか・・・?」
「そんなことより早く逃げよう!」
僕はタツオを急かした。
タツオは黙ってトンネルの中に入っていった。
「トンネルの先が安全か確認してくるから待ってろよ」


その時、足音が響く音を僕は聞いた。
「タツオ!急げ!」

タツオはなかなか戻ってこない。
僕は背中に冷たい嫌な汗を感じた。

心臓がトクントクンと打つ音が聞こえる。
―早く早く早く・・・。


「大丈夫だ!」
トンネルの中からタツオの声が漏れてきた。


「リョウタ。皇帝がお待ちだ」
僕は後ろを振り向いた。
そこにはジャアイアン卿の、父テツロウの姿があった。
「手荒な真似はしたくない」


タツオはうまく逃げたのだろうか。
タツオならうまくやれるはずだ。
そう僕は願いながらジャアイアン卿に連れられて万屋の本社へ向かう。

巧妙に隠されていた穴は、堂々とそこに残されていた。
読んでくれてありがと


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