抽選始めました~当選者にはなんと異世界転移!!~
お越しいただきありがとうございます。
これより、某小説投稿サイトで人気の剣と魔法のファンタジーな世界への転移をかけた抽選を始めさせて頂きます。
抽選への参加を希望する方は感想欄へその意思をご記入ください。
当選されると感想欄への投稿と同時に転移が開始されます。その際、身に着けている物のみしか持って行く事が出来ませんのでご承知願います。
抽選の期間は2016年5月4日より二週間とし、当選者は10名までとさせて頂きます。
また抽選方法等に対する質問は、どのような場合であってもお答えできません。
さて異世界転移にあたり、定番中の定番と言って良いアレを期待している方も多いかと思います。
そう、俗に言うチート能力です。
今回はこの短編小説に対して、入れて頂いた分と同等のポイントを付与したいと考えております。
つまり評価点及びブックマークで付けられる分、最大で12ポイントを自由に使用できる権利として差し上げます。
つきましては評価とブックマークを行った後で、抽選への参加希望と一緒に、欲しい能力を感想欄にご記入ください。その際使用可能なポイントを超えていた場合は、端数分をこちらで勝手に削除させて頂きますのでご了承ください。
取得出来る能力は以下の通りです。
またそれぞれに3ポイントまで使用でき、1ポイントで初級、2ポイントで中級、3ポイントで上級を取得出来ます。
〈能力一覧〉
・火魔法……魔力を使用して火を生み出し操る事が出来る。
・水魔法……魔力を使用して水を生み出し操る事が出来る。
・風魔法……魔力を使用して風を生み出し操る事が出来る。
・土魔法……魔力を使用して土を生み出し操る事が出来る。
・光魔法……魔力を使用して光を生み出し操る事が出来る。
・闇魔法……魔力を使用して闇を生み出し操る事が出来る。
・召喚魔法……魔力を使用して眷属を召喚する事が出来る。
・使役魔法……魔力を使用して魔物を使役する事が出来る。
・付与魔法……魔力を使用して一定時間能力を付与する事が出来る。
・治癒魔法……魔力を使用して治癒を行う事が出来る。
・植物魔法……魔力を使用して植物の成長を促し操る事が出来る。
・雷魔法……魔力を使用して雷を生み出し操る事が出来る。
・氷魔法……魔力を使用して氷を生み出し操る事が出来る。
・重力魔法……魔力を使用して重力を操る事が出来る。
・魔力……異世界で生きる為に必要な魔力を手に入れる事が出来る。
・魔力精密操作……細かい魔力操作が出来る。
・鑑定眼……目で見て念じるだけで、詳細を知る事が出来る。
・アイテムボックス……異空間に時間の停止した収納空間を得る事が出来る。
・気功術……気功を操る事が出来る。
・環境適応……地球の生物では生きられない異世界の環境に適応出来る。
・燃費上昇……体力や魔力等の消費を抑える事が出来る。
・五感強化……五感が強化される。
・直感……直感が働きやすくなる。
・空間把握……一定範囲内になる全てを把握する事が出来る。
・思考加速……思考速度が加速する。
・並列思考……同時に複数の思考が可能になる。
・警報……危険を知らせてくれる。
・身体能力強化……身体能力が強化される。
・肉体強化……肉体が強化されて頑丈になる。
・魂力強化……手に入れた能力の負荷で廃人化しないように魂を強化する。
・ネットショッピング……地球のネットで購入が出来るようになる。
・過去視……現在目に映っているモノを過去に遡って視る事が出来る。
・未来視……数秒後の未来を視る事が出来る。
・翻訳……異世界で使用されている全ての言語を理解出来る。
・異世界の知識……異世界に関する知識を手に入れる事が出来る。
・レベル制……レベルアップシステムを適応する事が出来る。
・スキル制……剣術等の技術をスキルとして取得出来るようになる。
・強奪……対象を血肉を一定以上食らう事で能力を奪う事が出来る。
・取得経験値倍増……取得出来る経験値が倍増する。
・転移……転移を行う事が出来る。
・状態異常耐性……状態異常に対する耐性が上がる。
質問がある方は参加表明をせずに、感想欄へ書き込みをお願い致します。
それでは、抽選へのご参加をお待ちしております。
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「逆に清々しいな」
小林弘樹はスマホ片手に鼻で笑った。
タイトルに釣られて開いたページからは、どんな形でも良いからポイントが欲しいというそんな気持ちが伝わってくるようだった。
そこまでしてポイントが欲しいのだろうか。
バカバカしい。
そう思いつつも、やはり気になってしまう。
絶対にあり得ないと分かっていても、もしかしてと心のどこかで期待してしまう自分は、痛い奴なのだろう。
小さくため息がこぼれた。
でも、もし仮にこれが本当だとしたら……。
弘樹はゴクリと唾を飲み込んだ。
今の生活から抜け出せるかもしれない。
「まぁ、違った所で何の問題もないか」
仮に違ったとしても、評価してブックマークを付けるだけなのだ。全くと言って良い程、何のリスクもない。あるとすれば、感想を読んだ誰かに痛い奴だと思われる程度であるが、それさえネタとして片づける事が出来る。
弘樹はとりあえず、もう一度最初から読み返してみる事にした。
特に先程適当に読み飛ばした能力の説明に関して丁寧に読んでみた。
「おいおい、性格悪過ぎだろ」
そう呟いて必須になってくるだろう能力をチェックした。
・魔力……異世界で生きる為に必要な魔力を手に入れる事が出来る。
・環境適応……地球の生物では生きられない異世界の環境に適応出来る。
・魂力強化……手に入れた能力の負荷で廃人化しないように魂を強化する。
最低でもこの三つがなければ、まともに生きて行く事も出来ないだろう。
もし仮に異世界転移が本当だった場合、説明をしっかりと読まなかった何人かが死んでしまう可能性がある。
それに初級とか中級とか書かれても、それがどの程度か分からない。なんて不親切なんだと思わずにはいられない。
とりあえず誰かがアクションを起こしてないだろうかと、感想欄を確認してみる事にした。
投稿者:--
良い点
ポイントが欲しい気持ちがストレートに伝わってきました。
一言
その世界でベリーイージーモードの人生を送るにはどうしたら良いですか?
>ありがとうございます。来世に期待してください。
投稿者:--
一言
もし当選したとして、今の世界での自分の扱いはどうなりますか?
死亡?存在自体がなかった事になる?
>失踪扱いになります。
投稿者:--
良い点
抽選に参加しますwww
一言
闇魔法3、治癒魔法3、鑑定眼3、強奪3
>ありがとうございます。
投稿者:--
良い点
この発想はなかった。
悪い点
せこ過ぎ
一言
楽しいですか?
>仕事ですので楽しくはありません。
感想欄に欲しい情報はなかったが、概ね予想通りと言えた。
一部そうでない人もいるが、寛容でノリが良い人の方が多いようだ。
注目を集めたいだけというのが見え見えであるが、こうゆうノリは嫌いではない。それに本当に抽選が行われている可能性が万分の一程は存在しているかもしれないのだ。
弘樹は苦笑交じりに感想欄に質問を載せる事にした。
投稿者:--
良い点
希望が持てましたw
一言
初級、中級、上級の違いは何ですか?
能力によって違うなら、魔力、環境適応、魂力強化だけでも良いです。
>それは良かったです。
魔力初級:一般人、中級:魔法が使える、上級:優秀な魔法使い。
環境適応初級:一般的な生活圏で生活できる、中級:劣悪な環境に耐えられる、上級:劣悪な環境で生活できる。
魂力強化初級:4ポイント分の能力に耐えられる、中級:8ポイント、上級12ポイント
思った以上に早く返ってきた回答を読みながら弘樹は考える。
抽選が本当かどうかは一先ず考えないとして、魂力強化は3必須である事がわかった。魔力と環境適応に関しては他に取得する能力と合わせて考えても良いだろう。
弘樹はもう一度能力一覧を読み返して、自分だったらどうするかを慎重に考えた。
何度も感想欄をチェックして情報を収集しつつ、二、三時間を費やした。
「よし、決めた!」
今日何度目になるか分からない独り言を呟いて、感想を書こうとした手が止まった。
危ない所だった。
仮に本当だとしたら、感想を投稿した瞬間に転移してしまう事になる。弘樹はスマホをポケットへとしまうと、リュックサックを取り出して準備を始めた。
「何やってるんだか」
あり得ないと分かっているのに、しっかりと準備を整えてしまった。
リュックの中にはちょっとした着替えから、水や食料、キャンプ用品等が詰め込まれている。さらには靴箱から登山用のブーツを取り出してしっかりと靴紐を結び終えているのだ。
誰にも見られていないからこそ出来た事である。
もし、これを誰かに見られたらと思うと恥ずかしさで死にたくなる。
「まぁせっかく準備した訳だし、やってみるか」
弘樹は入力内容をしっかりと確認した。
良い点
参加希望www
一言
魂力強化3、環境適応2、魔力1、アイテムボックス1、鑑定1、翻訳1、ネットショッピング3
正直言えば強さを求めたい所ではあるが、今よりも上手く生きられればそれで良い。
商人になって儲けてやろう。
あり得ないと分かっていてもテンションが上がる。
ふざけた考えだと分かりつつも投稿ボタンを押す指が緊張で震えた。
「えっ?」
ボタンを押した次の瞬間、突然地面がなくなったかのような感覚に襲われた。
目の前が真っ白になったかと思うと、気付いた時には森の中に立尽くしていた。
そして彼の目の前の茂みがガサガサと揺れて、熊程の大きさの狼が現れた。
「ハハハ、マジかよ……」
転移出来た事自体驚きだが、いくらなんでも、いきなりそれはないだろう。
小説だったらここで誰か助けに来てくれるんだけどな。
何も出来ずに思考すらも放棄して、立ち竦む彼に向かって狼が跳びかかった。
そして……。
胸から上がなくなった弘樹の身体が地面に倒れた。
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一人の男がパソコンの前で大きく伸びをした。
これで六人目。
昔は魂を刈り取る為にいちいち人前に出て契約を行っていたが、最近はネットが普及したおかげで随分と楽が出来るようになった。こうして釣り針を垂らすだけで、向こうからやって来てくれるのだ。
「バカが多くて助かるな」
今月のノルマまで後少し。とっとと十人分の魂を集めて新人のあの娘にマンツーマンで教育してあげよう。
男は口元をいやらしく歪めて、再びパソコンへと視線を向けた。