創造主の異世界旅行 10話
それはそうと……。
「あれ?『召喚儀式』してゼロちゃんを喚んだってことは『キャスバル』まで私達馬車ですか?」
馬車を使いたくなかったから使い魔を喚んだのだか、ゼロは人型だし無理だろ。
「僕としては、幻竜とか古代種を喚ぼうかとしたんだけどね」
まぁ、でも、古代種の程度ではゼロってトップランクだよね?
「それは、我が幻竜や古代種に劣ると言いたい訳ですか主」
ゼロは不機嫌顔でそう言った。
「別にそんなつもりじゃなかったんだけど……。僕達は『キャスバル』にまで行く足が欲しくて『召喚儀式』したんだ。乗り物(?)が欲しかったんだよ僕達は……」
「なるほど……。主に喚ばれて応えたからには、失望させる訳にはいきません」
ゼロは考えるそぶりをしながらエリスさんに頭を撫でられている。
……馴れてきてるね……。
「ゼロちゃん、何か方法ありますか?」
「すみませんエリス殿、行った事もない所だと現在の私では『送る』ことが出来ません」
「???」
さっきの話から推測するに、ゼロは『転移』出来るんだなぁ~。と思った。
「すみません……」
ゼロの顔がしょげり、どこか力無く言った。
「別に良いですよ!私、妹と一緒に旅に出るのが夢だったんです!」
それに対し、ゼロを励ますように、エリスさんが力強く言った。
「エリス殿……」
ゼロは落ち込んでいたのだが、エリスさんの励まし(?)により瞳に活力が戻ってきた。
「それじゃ、ちょっくら馬車を借りてきます!」
そう言うと、エリスさんは疾風の如く走り去って行った。
そして、なによりも聞きたい事をゼロに聞くことにした。
「ゼロ……」
「なんですか主」
ゼロは、僕の聞きたい事を分かっているのか目が真剣だ。
「ゼロはいったいなんなの?能力は『転移』できるのはなんとなく分かるけど、その他は全然分からない」
存在するだけでこの世界に影響を与える存在って、何がある?
「我は……。元主のパートナー……。それだけです」
言いたくないのか、言葉を濁しながら滑舌が悪い。
「それはそうと、我は、元主に伝言を頼まれました」
「それは僕に?」
違うだろうと思いながらも聞いた。
「違います。我もその者の容姿については聞かされていませんが、元主いわく見れば分かる馬鹿だそうです」
何その特徴……。
「それ、捜すの無理なんじゃ……」
「時間は掛かりますが、たっぷりと時間はあります。コッコッと捜せばいずれ見つかると思います」
ゼロの存在自体が規格外ってことは、その捜している奴って……。
「もしかして、その馬鹿って『此処』に存在しない?」
「それはちょっと分かりません。我は、その者が生きているのと、その者が異世界移動することしか分かりません」
結論。
人外が捜しているのは人外でした。
「ほぼ無理だね」
「でも、いずれ会えると思いますから」
長い時間を掛ければ会えるかもしれないけど、それは何時のことになるのやら。100年?1000年?そんな近い間に会えれば良いね。
僕は、ゼロにも色々あるのかと思い、これ以上聞かないことにした。
「持って来ましたよ!」
元気な声がした方を向くと、そこには馬車らしか物と一緒に手を振っているエリスさんが居た。
「では、出発しましょう!」
そして僕らは『キャスバル』まで馬車で行くことになった。
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