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もこうた


『がそりん』


がそりん がそりん くるまのごはん
はやく くわせて おなかがへった
きょうも あさから たべてない
ずうっと まえから たべてない

パパの じまんの かーなびも
おなかが へってちゃ うつらない
ひえしょう ママには わるいけど
ひーたーだって いれてない

しゃこから でるのに どっこいしょ
ちからが でなくて ふらふらふら
ここまで くるのに よっこらせ
からだが おもくて よろよろよろ

がそりん がそりん くるまのごはん
はやく くわせて おなかがへった
ほんとは ならぶの きらいだけれど
おなかがへってちゃ しかたがない 

まってるよ まってるよ……




『ボクの好きなもの』


ボクの好きなもの あまいもの
プラモデルの せっちゃく剤

ボクの好きなもの しょっぱいもの
おべんと箱のふたの のり

ボクの好きなもの にがいもの
おさとうかけた 夏みかん

ボクの好きなもの かたいもの
かったばかりの なんしき球

ボクの好きなもの まぶしいもの
ひかれたばかりの 白いせん

なかでも好きなもの あのひとの
ラジオのなかの 笑いごえ
ふとんをかぶって 息ひそめ
きれいなこえに 耳すます
いつしか夢に ひきこまれ
めざめた朝の てんきよほう 

ほくほくとうの 風 ふうりょく さん
きおんは にじゅうろく度

きょうも あお空――




『喪心――』


びょうびょうと 吹く 浜風に、
雪が まじって 渦をまく
潮の におい 荒くれて、
凍えた 息を 吹き飛ばす

喪心――
見はるかす みぎわせん

ぎいし、ぎいし
あれは 水天宮の やしろの みはしら
ばたん、ばたん
あれは 盲学校の まなびやの やねいた

ごうごう 突っ立つ 浪がしら、
逃げてゆく 船 あざ笑う
鳥の 叫び ささくれて、
にび色 そらに 飲み込まれる

哀号――
見はるかす みぎわせん

ぎいし、ぎいし
あれは 停留所の まちあいの ながいす
ばたん、ばたん
あれは 養老院の にわぐちの いたべい

ぎいし、ぎいし
あれは 折れそうな ひとの こころ
ばたん、ばたん
あれは 母をよぶ おさなごの どうこく


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