挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
異世界コンサル株式会社(旧題:冒険者パーティーの経営を支援します!!) 作者:ダイスケ

第二十章 冊子を印刷して冒険者を支援します

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

321/721

第320話 新しい描き手

だが、結論はすぐには出なかった。

「その利権、ですが。よくわかりません。絵を保護することが、なぜ利益になるのですか。絵は買い取った人のモノに思えますが、重ねて報酬を払う意味はどこにあるのでしょうか。もう一度説明をしてもらえますか。ケンジさんが重要なことを仰っているのはわかりますが、ニコロ司祭に説明できる気がしません。」

ミケリーノ助祭から指摘を受けて、俺は説明が先走りすぎていたことに気がついた。

たしかに、これまでの教会に納品された絵と、銅版画は性質が全く違う。
そこから説明しなければならない。

「この銅版画ですが」

サラに合図をして、数枚の羊皮紙を取り出す。

「このように、10枚でも100枚でも、同じ水準の絵を印刷することができます」

取り出した数枚の羊皮紙には男爵様の手による精細な魔狼の絵が、全く同じ絵、構図で印刷されている。

「これは・・・疑っていたわけではありませんが、見事なものですね」

「はい。そして、そこが問題になるのです。普通の絵を増やすことはできませんが、この素晴らしい絵は少ない手間で幾らでも増やすことができます。私は、この版画を1000の冊子に載せるつもりです。それだけでも、この絵の価値は普通の絵画と同じように説明できないことは、ご理解いただけると思いますが」

俺が版画の拡張性について強調すると、ミケリーノ助祭は理解を示したが、同時に疑念が拭えないようだった。

「なるほど、確かに教会に置かれる絵画は1つだけですから、報酬の払い方は違ってくるのも道理かもしれません。ですが、失礼ながら男爵様は大層な財産家でいらっしゃるはずです。報酬を目当てにされていることとは思えませんが?」

「その通りです。描き手が男爵様だけであれば、報酬は必要ないでしょう。署名が書かれていることでもおわかりのように、男爵様は名誉を求めていらっしゃいます」

「でしたら・・・」

理屈で拗れそうなときは、事実を元に論理を組み立てるのがいい。
俺は攻め口を変えることにした。

「男爵様が、どのように題材を描かれたか、想像はつきますか」

「それは、冒険者などに怪物の屍体を運ばせたのでは?」

「いいえ。男爵様は、ご自分で冒険者を雇い、街の外まで同道し、間近で怪物を観察して絵を描かれました。それ故、絵にそれだけの迫力が出たのだと思います」

「男爵家の当主が、冒険者と街の外にでて怪物を狩ったのですか?」

ミケリーノ助祭は、三度みたび呆れた声を上げた。
今日は、ミケリーノ助祭の常識という琴線に触れる回数が多い日らしい。

「ええ生け捕りにして間近で観察されました。私も同道しましたので、確かです」

「なんというか、まあ・・・」

「今回の依頼は近場の農村でしたので、ゴブリンと魔狼だけでしたが、次回は人喰巨人オーガを狙うそうです」

人喰巨人オーガを!!正気ですか?いえ、それ以前に、そんなことが可能なのですか?」

「可能です。この街でも一番の腕利きが方策を検討しています。数ヶ月のうちに、成果がでるでしょう」

「それは、剣牙の兵団であれば、それは可能なのでしょうが・・・あまりに無謀です」

「私も、そう考えます。男爵様は確かに優れた描き手ですが、それでも貴族家の当主でいらっしゃいます。人喰巨人以上の怪物退治に同道することは難しいでしょう。ですから、私は別の書き手を育てたい。そして、それは冒険者の仕事だと思うのです」
本日は22:00にも更新します
連載を再開しています。宇宙ゴミ掃除をビジネスにする話  バナーは特設サイトです 

i252243/
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ