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この作品には 〔残酷描写〕 が含まれています。

単発恋愛系

幼馴染が勇者に選ばれたそうなので村のみんなで応援しに行きます。

作者:
 
 突然だが私の幼馴染は勇者である。名前はユリス、歳は多分……18歳くらい、王都から馬車で20日くらいかかるとっても田舎の村出身。ユリスは田舎の村にいるには勿体無いくらい顔が整っていた。綺麗な金髪に蒼色の瞳、長い足にバランスの良い体。そんな彼はつい一ヶ月前勇者として魔王を倒してお姫様を助けるために旅立ってしまった。それもこれも王族のせいである。

 王族は勇者を見つける魔法を完成したらしい。魔法を使って見るとあら、不思議____王子様でもなく騎士団長でもなくユリスだった。まあ、昔から並外れた運動神経で私にドラゴンを狩ってきてくれたりしていたけれど。三ヶ月前のある日王族の使いがこの村にやってきた。そしてユリスに脅しをかけたのだ。

「貴方が私の言うことを聞かなければ、私達はこの村の人間達を殺します。」

 なんて、なかなか酷い脅しだと思う。権力って怖い。みんなはユリスに心配するなって言ったのだけど、だって魔族は強いから。魔族一体で100人人間が殺せるし。優しいユリスは王族に従って隷属の首輪を嵌めてしまった。そしてその五日後、彼は王都に向かって旅立った。

 それに怒ったのは村の人間全員の総勢30人だった。温和な長老は皆を集めて村会議を始めた。すると大変、みんなユリスを王族から奪還しようと言い始めた。ヤケ酒のお酒が若干入っているユリスの両親と私の両親が賛成したせいもあって________私達は何故だか魔王城にいる。


「お母さん、魔王城って本当に黒いんだね。真っ黒だね、海苔みたい。」
「そうねぇ、心なしか臭いわ。お父さんの靴下の匂いかしら。」
「あら、貴女の旦那さんも足臭いの? 大変よねぇ……。」
「「ねえ〜〜……」」

 お母さん、ユリスの母さんとお父さんの足の匂いについて話すのはやめてあげて! お父さんのライフがもうゼロに近いよ。イケメンなユリスのお父さんも涙目だよ。

 そんな状態を横目で見ながら私はユリスのことを考えていた。

 ♢♢♢

 ユリスは私にとって仲の良い友達であり、王子様でもあった。私が転べばいつも手を差し伸べてくれたしドラゴンに追いかけられれば退治してくれた。

『このお花綺麗だね。』
『あ、メリー。その花は魔物の一種だから触っちゃダ………。もう触ってる。』
『ユリスーー!! 噛み付いてきたーーー!!!』
『…………。えいっ。』

 ちなみに私の名前はメリーだ。
 これはなかなか恥ずかしい記憶だがユリスは私のことを守ってくれた。私の得意なことは料理くらいだけどそれをユリスは美味しいと言ってくれた。

 そんなユリスだが口下手だったりもする。そんなユリスが昔、私に約束してくれたことがある。

『……メリー。大きくなったら俺と結婚して? 』
『喜んで。』
『頑張って俺、メリーの理想のお金持ちになるから。』
『ユリスだったら小金持ちでもいいよ。』

 8歳の時の話だ。こんな約束を____私は16歳まで忘れていた。16歳の誕生日にユリスに言われて思い出した。目から鱗の話に食べていた大蛇の肉を落とすところだったのを間一髪ユリスがキャッチすることになる。若干怒っていたユリスだけど、物忘れの激しい私に覚えていろと言う方が無理がある。もともとユリスのことを私は好きだったので別にいいと思うんだけど、と親友のリアちゃんに言うと本人に言ったの? と聞かれた。首をブンブンと振ると平手打ちを思い切りされた。

 ♢♢♢

 物思いにふけっていると魔王城から大きな悲鳴が聞こえた。もうユリス含む勇者一行は魔王城の中に辿り着いているらしい、情報係のリアちゃんが言っていた。ここにいるのは10名。残りの20名は村に残ったり、リアちゃんのように情報を掻き集めていた。

「なあ、もう行こうぜ。どうするんだよ、行ったらユリスの首と胴がサヨナラしてたってなったら……。いくら俺でも力付くでくっつけることは出来ないからな。」
「逆に出来たら吃驚だよね。」

 即座にツッコミを入れる。
 あれー…隣の家兄ちゃんがおかしなことを喋っている。なんだが腕と胴くらいならくっつけられるかもしれないとブツブツと言っている。

「長老、もう行こうよ。」

 長老という言葉が似合わないムキムキマッチョマン(80歳)に訴えかける。私も実は心配なのだ。いくらユリスでも魔族100体を倒せば腕の一本や二本は取れるかもしれない。隷属の首輪を嵌めているせいで力が十分の一くらいしか出ないみたいだし。本当、王族何やってるの。取れたその時は準備運動をしている隣の家の兄ちゃんに任せよう、そうしよう。ちなみに勇者一行のユリス以外は戦力外だ。全員で戦っても魔族一体、倒せるかどうかくらいだろう。


「そうじゃのぅ。久しぶりの運動じゃから腰が……。」
「その時は俺が治してやるよ。」
「よし、では突撃じゃ!」



 腰の心配がなくなった途端長老が元気になり始めた。掛け声と共に私はユリスの弟と共に地上から飛び上がり魔王城に空から乗り込んだ。なかなか高い魔王城だからそこまで行けるかな、なんてちょっと心配だったけど。


 バリバリバリッッッ 魔王城の結界が破れる音がする。


「あはははははははは!!!!! 僕のせいで頑張ってかけた結界が壊れて可哀想!!!!!!!!あははははは!!!!」

 ユリスの弟は厨二病を拗らせたキチガイだ。そっと目線をそこから逸らす。私の両親は横から魔王城に入って、逃げようとする魔族を一体残らず倒すつもりらしい。私とユリスの弟はユリス奪還。長老とユリスの両親、ほかの3名は魔王を倒すことに専念するらしい。

 やっと結界が破れると彼は「僕の力にかかれば」うんたらかんたら……と言っていた。私はそれを無視するとカバンから大きな瓶を出した。

「あ、メリー姉、『ドラゴンメルト』持ってきたんだ。」

 ドラゴンメルトが何かは知らないが私は神妙に頷く。この瓶の中に入っているのはドラゴンも溶けちゃう劇薬だ。

「魔王城にぶっかけたらいい感じに溶けて穴開くかなって。」
「兄さんも溶けるんじゃない?」
「ユリスならきっと避けてくれるよ。」
「メリー姉のユリスさんに対しての謎の期待なんなの? この前僕、兄さんがうなされてたの聞いたよ?」

 そんな話をしながら瓶の蓋を開けてひっくり返す。

「ちょっっっ!!!!! 僕の母さんも父さんも長老も城の中にいるんだけどーーー!?」
「大丈夫。みんな避けるよ。」
「やだもうメリー姉、変なところで大雑把。」

 うるさい小言に耳を塞ぎながら私は城に入る準備をした。

 ♢♢♢

「最悪だな。」

 ユリスはため息と共に呟いた。隣を見てみると、魔族に食べられかけている王子、宮廷の魔法使い……あと諸々。この付けられた首輪のせいで満足に動くことも出来ない。

 ユリスも行きたかった訳ではないのだ。流石に一国を相手にして村の人間が怪我をしないとは言えないし、何よりユリスにとっては可愛い可愛い婚約者にかすり傷でもされたら困る。そう思って引き止める村人達を振り切ってきたわけだが____。

「お前!!! 早く俺のことを助けろよ! 田舎村の平民の癖に俺のことを見捨てる気なのか! お父様に言いつけるからな!」
「な、なぜ……。私の魔法は完璧だったはず。」
「きゃああああああ! 早く助けなさいな!」

 うるさい。とにかくうるさい。道中の戦いは大変だった……。それを無視しつつユリスは自身の大剣を肩に担ぐ。魔族を50体ほど切り始めてから斬れ味が悪くなった大剣を振るいながら考える。どうすれば村に帰れるかと。
 きいきいと叫ぶ外野を無視しつつ、最善策を考えていた時だった。

 ドゴオオオオオオオオッッッッッ

「な、なんだ!何事だ!?」

 魔族の悲鳴が上がる。何処かから魔王城に侵入者が入ったようだった。

「…………まさか、な。」

 冗談だと思いたいと首を振って、ふと横を見ると____ムッキムッキの白ひげの男が壁を蹴って戦いに乱入してきた時だった。そして遅れて「あははは!」と何処かで聞いたことのあるような声が聞こえ……城が溶けた。
 そして、ユリスにとっては何よりも聞きたかったものがその耳に届いた。

「ダーリン、助けにきちゃった。」

 空中からにっこり笑う長い茶髪の愛しい愛しいメリーの声。

 ♢♢♢

「ダーリン、助けにきちゃった。」

 ユリスは身体中に傷を負っていた。きっと、そこの騒いでいる王子やらを庇ってやったのだろう。

「メリー姉! って……みんな避けてるし!!! なんなの!?」

 落ちる私の体をタイミング良くユリスがキャッチしてくれる。流石私の未来の旦那様である。周りを見渡すと長老はもう奥にいる魔王と戦っているらしいし、私の両親は散らばった魔族を倒し尽くし長老へと加勢に向かうところだった。ユリスの弟は面倒臭そうに王子と姫を助けてやっていた。

「なんで来たんだ。」
「未来の旦那様を心配しちゃダメ? 巷では姫とユリスが結婚するんじゃないかって噂だったのよ。嫉妬しちゃうじゃない。」
「………。怪我は。」
「ないわ。」
「ならいい。……ありがとう。」

 そんな会話をしている内にもう戦いは終わったらしい。白旗を持った魔王と共に長老達が出て来て、ニコニコとしている。

「お、お前達は誰なんだ! 」

 王子がピーピーと何か叫んでいるが、私はそれをガン無視してユリスの首元の首輪に手を掛ける。
 パキッと悲しい音を立てて首輪は割れた。

「メリーは解除が得意だなあ。」

 いつの間にか戻って来た隣の家の兄ちゃんが笑いながら言う。みんな王子の言葉には無視だ。
 白ひげを撫でつつ長老が王子の前に立つ。

「のう、王子とやら。これに懲りたら儂の村の人間には手を出さぬようにと父君に伝えておくれ。」

 王子は長老の威圧にガタガタブルブル震えて……あっ……。失禁してしまったようだった。すぐさまお父さんに目隠しされる。見えないよー。

「帰ろう。」

 ユリスの頰を撫でて笑った。

 ♢♢♢

 城下町の外れにある酒場にて大きな声が聞こえる。

「知らないのか? あの村の伝説。小さな30人の村だ。……ん? そんなので大丈夫なのかって? あの村は魔物がうじゃうじゃいる場所にあるんだぞ? そこの村人は皆強いに決まっているだろう。なんだか古竜が復活した際もあそこの村人が倒したらしいぞ。……権力?……はて、確かあの村はこの国に従う義務はないはずだが。古竜を倒した際にその権利を獲得して正確には村ではなくたった30人の国なんだよな。」

 男は青ざめた顔で呟いた。

「まさか……脅したりなんかしてないよなぁ……? 魔王を倒すだか言っていたこの国の王様は。」

お久しぶりです。書きたいものをわーっと書いてみました(⌒-⌒; )
このあとユリスとメリーは村に帰って結婚式を挙げたと思います。
魔物は魔族よりも強いです。族を作らない分個々が強いイメージ。

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