朝…カーテンの開く音がしたと思ったら、鋭い眩しさがオレの瞼を貫いた。
余りの衝撃に、これでもかと云う程キュッときつく目を瞑った。
…少しずつ、目を開けていく…
すると、『あいつ』の姿が目に入った。
「な、んでお前がここに…!?」
寝ていた身体をバッと素早く起こし、言い放つ。すると『やつ』はいつもの悪戯な笑顔でこういった。
「お前に会いに来たんや」
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「なんだよ、蘭の誕生会に呼ばれたならそう言えよなバーロー」
「そない普通の事言うたってつまらへんやん」
「誰もボケなんか求めてねーよ」
そう…『あいつ』とは、大阪の色黒男、服部平次の事だ。
服部が来たって事は…
「…お前、変な運持ち込むんじゃねぇぞ?」
「何や、事件でも起きる思てんのか?あの姉ちゃんの誕生日なんやから、いらん人間呼んでへん限り、心配あらへん」
だから、お前が居るから心配なんだろ。と云う言葉を視線で送りつけるが、当の本人…服部はヘラッと笑っている。
「お前、いつまでいるんだ?」
「なんや、はよ帰れ言うんか?」
「あのなぁ、質問に答えろよ」
「飛行機のチケットは明日取るつもりや…けど、もし取れへんかったらまた邪魔すんで〜」
服部はそう言い、またヘラッと笑った。俺は呆れた顔で着替え始めた。
蘭達は居ないようで、事務所全体はとても静かだ。
「他の皆は?」
「オッチャンつこて、買いもんやて。俺らも行く予定やったんやけど、どっかの阿呆があんっ──まりにも気持ち良さそうに眠てるから、お留守番になったっちゅうわけや。」
服部は嫌味を含めながら、相変わらず絞まりのない表情で俺の頭をつつく。
その指を片手で軽く払い退ければ、おーおー反抗期かコラと、またちょっかいを出してきた。
「買い物なんて、昨日したじゃねぇか。」
「遅くまでやろ?ほんで、疲れたお前は起きれんかったと。ま、身体はガキやしな♪」
あんだけ買って、まだ買い忘れがあったのか。と昨日の買い物の風景を思い浮かべながら思うと、ついつい失笑してしまった。
「──蘭の、誕生日か…。誕生日会ぐらいで、はしゃぎすぎだよな…」
「……電話したんか?」
「まだ…。会の前や最中に電話して泣いたり怒られたら、その場の雰囲気悪くなるだろ?」
「あの姉ちゃんはそない事せんて。それよりも…はよお前と話したくてしゃあないって感じやったで?」
服部はそれだけ言うと部屋を出てしまった。多分事務所の方に行ったんだろう。
服部…ありがとな。お前の気遣い、いつもすげえ嬉しいんだぜ。………──なんて、直接は言ってやんねぇけど。
俺はこのあと、また服部に馬鹿にされるとは知らずに、今はただそっと太陽の明かりに目を細め微笑んでいた。
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