プロローグ
アスファルトの上。
1匹の黒猫が駆け回っている。
「待ってよ!」
後ろで少年が呼び止めると、猫は足を止め、後ろを確認する。
しかし、少年がすぐ後ろまで迫ると、また猫は走り出した。
そのまま、少年と猫の追いかけっこは数分間続いた。
少年はすっかり息が上がり、少しずつペースが落ち始める。
そんな少年の様子に気付いているのか、猫も少年に合わせ、ペースを落とす。
しかし、少年を待つ様子は全く見せず、猫は一定の距離を保ち続けている。
その時、猫は公園の中に入って行った。
少年は猫を見失わないよう、足を速める。
公園の中に入ると、猫は周りを確認し、そのままベンチに座る少女の下に向かった。
そして、猫は少女の足下で、1回だけ鳴いた。
少女は猫に視線を送った後、そのまま少年の方を向く。
「……こんにちは」
「うん……こんにちは」
ふと、視線を下に向けると、猫は少年から逃げる事を止め、2人の間を行ったり来たりしている。
その様子を見て、2人は笑った。
「あなたの猫?」
「ううん、捨て猫なんだ……。飼ってあげたいんだけど、家じゃ飼えないんだって……」
その時、猫は少女の膝の上に飛び乗った。
「私、気に入られちゃったみたい」
「そうみたいだね」
猫の様子を見て、2人はまた笑う。
「……家なら飼えるかもしれないよ」
「え、ホント!?」
「お母さんに聞いてみる。きっと大丈夫だよ」
「飼い主が見つかって良かった」
少年は嬉しそうに猫の背中を撫でる。
「ねえ……?」
「ん?」
少女は勇気を振り絞るように大きく深呼吸をした後、不安げな目で少年を見る。
「良かったら……私と友達になってくれない?」
「うん、良いよ」
答えがすぐ返ってきたため、少女は少しだけ驚いた様子を見せた後、嬉しそうに笑う。
その様子を見て、少年も笑った。
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。