覚悟しぃよ(^_^)/(3/4)PDFで表示縦書き表示RDF


覚悟しぃよ(^_^)/
作:国後旺



(non title)


●ユリとショウタのメールのやり取りが始まって、早一ヶ月。 それは、もはや日課となっている。 

 そして、その内容は本当に他愛のないモノだ。

      メールの内容

 宛先:ショウちゃん
 件名:Re2:Re2:Re2:Re2:Re2:
    Re2:Re2:Re
 本文:友達できた(^_^)/?

    そっち楽しい?


送信者:ショウちゃん
 件名:Re2:Re2:Re2:Re2:Re2:
    Re2:Re2:Re
 本文:結構できたなー(^_^)/
    方言通じんけん
    ちょっと疲れるけど(-_-;)

    まあまあやねー(- -)
    空気はそっちのが美味いょ
    (*^^)ノ

    でもさ、
    やっぱ、そっちがいーよ。
    ユリが おるけんね(^-^)


 宛先:ショウちゃん
 件名:Re2:Re2:Re2:Re2:Re2:
    Re2:Re2:Re
 本文:もー(^_^*)
    そげん言ってから
    
    浮気しとったら
    承知せんけんね( °-°)フフ


送信者:ショウちゃん
 件名:Re2:Re2:Re2:Re2:Re2:
    Re2:Re2:Re
 本文:こわッ(°□°; )!!

    気をつけます(^_^;)


 宛先:ショウちゃん
 件名:Re2:Re2:Re2:Re2:Re2:
    Re2:Re2:Re
 本文:よし(*^_^*)

 という感じだ。それは毎日、ユリの中でエネルギーに変わっていた。

 もう、依存症と言っても過言ではないだろう。 今のユリにとってケータイは、まさに命の次に大切なモノになっていた。


●話は変わるが、ユリはこの一年で大きく変化した。

 正確に言えば、ショウタがユリを変えたのだ。


●それは半年前。 ユリが六年生になったばかりの頃。

 これから一年間を共に過ごす班を決める、クラス会議中のこと。

 ユリの隣の席になったショウタが、ユリに話しかけた。

 学年は上がったが、クラス替えはしていないため、ユリはショウタがどんな人物かはだいたい知っていた。

 ユリは当時、今よりずっと内気でおとなしい子だった。そのため五年生のとき、ほとんどクラスに打ち解けることができていなかった。

 一方、ショウタは真逆の存在。彼を嫌う者はこの学校にはいないだろう…それほどまでに、彼は人に好かれていた。非常に明るく、クラスに笑いを産むのが得意だった。

 ユリとはあまりに釣り合わない相手。

 ユリもそう思っていたからだろう。 本当に驚いていた。

 そして、ショウタは言った。
「エトウさん、だよね? 隣り同士、仲良くしよっ!」
 その微笑みに、その差し出された手のひらに、エトウ ユリは吸い込まれていった。

 しかし、それはあくまでユリにとって信じられないことだっただけで、ショウタはだいぶ前からユリのことを気にしていた。ただ、そのことにユリが気付いていなかった…それだけのことだった。

 それからというもの、ショウタはユリに付きっきりだった。 そして、ユリもショウタの影響を受けて変わりつつあった。


「伝えたいことは自分で伝えなよ」

「もうちょっと前に出ないと。 それじゃダメだよ」

「笑った方がいいって。絶対そっちの方が可愛いよ」

「ユリと一緒だと、俺、すっごく嬉しくなるんだ」


 たくさんの言葉を貰って、ユリは内気な性格が、少しはマシになった。 笑顔を浮かべることができるようになった。 友達ができた。 ショウタのことを、好きになった。

 そして、言葉では貰えないモノも貰った。


 ユリの頭の中には、もう、ショウタしかいなかった。



 それでも気付けなかったのか。それとも、だからこそ気付けなかったのか…。


●ショウタが引っ越して、二ヶ月後の夕方。ユリは宿題を終わらせて、疲れたのか、眠っていた。


 その時からだ。

 このケータイに、彼のメールがくるようになったのは。


 ユリは、着メロの音に気付いて目を覚まし、誰かからのメールが届いたことを知った。

 それは、知らないアドレスからのメールだった。 ユリは、その重い(まぶた)を開いて、「迷惑メールかな…?」と言った。この二ヶ月でユリは、多少の知識をつけていた。

 そして、そのメールを開いた。


 ユリは、ユリにとって不思議なモノを見た。そのメールの内容は、

送信者:◇◇◇◇◇@ezweb.ne.jp
 件名:(non title)
 本文:ゴメンね!
    遅くなっちゃった(>_<)

    ケータイ買ったぜ!

    以上。

    ショウタからでした!
    (^^)/またなー。


「どういう…こと……?」

 ユリは、そのメールの内容を、信じることはできなかった。

 それでも、何かが引っかかったのか、ユリは[ショウちゃん]からのメールを読み返し始めた。 そんなことをしても、意味はないのに。

 その馬鹿な行為は見るに耐えなかった。














 だから私は、最後にもう一度だけ、メールを送ってやった。












 ケータイから着メロが鳴る。

 それはユリが今まで、ずっと大好きだった、音。

 そしてユリは、たった今送られてきたメールを見て、困惑の表情を浮かべた。


送信者:ショウちゃん
 件名:Re2:Re2:Re2:Re2:Re2:
    Re2:Re2:Re
 本文:やっと気付いたんだね。

    残念! 遅すぎたネ☆

    タイムオーバー(@_@)


 ユリがケータイをベッドに放り投げた。 私はケータイ画面から、華奢で青白く、腕力のある腕を出して、ユリの顔面をカーペットに叩きつけた。


  そして 私は ユリを



●ユリの泣き顔は、今まで私に見せてくれた…どの笑顔にも負けないぐらい、最高に面白かった。












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