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ギフト〜君を信じていいのかな?〜
作:氷乃涙



第三章:驚天動地? 吃驚仰天?


「何か用か?」
 返事をした先に居たのは山形である。
「用って程でもないんだけどね。少し話がしたいから一緒に帰らないかい?」
「話し? って……お前と一緒に帰るのか?」
「嫌なら別にいいんだけどさ」
「別に嫌ではないが……」
 驚天動地(きょうてんどうち)? 違うな。こういうのをなんと言うんだったか……
吃驚仰天(きっきょうぎょうてん)ってやつかな?」
 それだ! って何故俺の考えていることが!?
「あはは。面白い反応するね」
「あのな……人をからかうのは止めろ」
「ごめんごめん」
 今思ったのだがこいつはこんなキャラだったか? 数度しか話したことが無いとはいえ、こんな喋る奴ではなかったと記憶しているんだが。
「まあいい。で、話しって何なんだ?」
「そんなに急かさないでくれるかな。君は、急がば回れって言葉を知らないのかい?」
「知ってるに決まってるだろ」
 こいつは俺をからかって遊んでいるのか? どうなんだ?
「そんなに怖い顔しないでよ。あたし泣いちゃうよ?」
 ……明日にでも大地に教えてやろう。世紀の美少女は、神秘のベールに包まれた馬鹿だったと。
「勝手に泣いてくれ。俺は一人で帰らせてもらう。じゃあな」
 山形をその場に置き去り、普段なら絶対にしないであろう速度の早足で下足場に向かい、靴を履き替え帰ろうとすると、
「ちょっと待ってよ!」
「……」
 無視だ無視! 俺は帰る。
「ちょ、ちょっと!」
 話しがあるなどと言い、人を小馬鹿にした罪を思い知るがいい。
「待てって言ってるだろ!」
 その瞬間、前方から突風が吹き前へ進むことが出来なくなった。
「……」
 今のはなんだ? 山形のギフトか?
「良かったー。無視されたまま帰られちゃうかと思ったよ」
「……」
「って、聞いてる?」
「……今のはお前がやったのか?」
「今のって?」
「あの突風を起こしたのはお前かと聞いてるんだ」
 すると、山形は鳩が豆鉄砲を食ったような顔で、
「偶然じゃないかな? 自然を操るギフトなんて聞いたことも無いよ?」
「そう……なのか?」
「うん」
 正直、納得できない。偶然にしてはタイミングが良すぎるし、前に進めないほどの突風など今の今まで一度も体験したことは無い。しかもだ、もし人を浮き上がらせるほどの風を起こせるとしたらどうだろう? 山形が、以前街中で変な二人組みに絡まれていたときの事象でさえ容易に説明できてしまうではないか。
「その顔は信じてないね?」
「おわっ!」
 顔が近い! 頼むからもっと離れてくれ。お前の顔が至近距離にあるのは、血気盛んな男子高校生にはその気がなくても毒だ。
「そうだなー君には一度助けてもらってるし、そのお返しにあたしのギフトの名前教えてあげようか? どんな能力かは君の想像にまかせるけどさ」
 これは願っても無い申し出ではないか! 佐伯の銃撃者(ガンナー)もそうだが、小林の操り人形(ドールマスター)や井上の嘘か真か(ライアーハント)も名前でどのような能力か想像がつく。このことから山形の能力も例外ではないだろう。
「なら教えてくれないか? それ次第で、さっきのが偶然かどうか判断できるからな」
「『絶対拒絶(リジェクト)』……それがあたしのギフトの名前」
絶対拒絶(リジェクト)ね」
 名前から察するに、山形が対象とした人物、もしくは物体を拒絶するってことだろう。それなら、あの時のことも説明出来なくは無い。しかし……うまいこと言いくるめられた気がしないでもないのは何故だろう?
「まだ納得してないみたいだねー」
「いや、そういうわけじゃないんだが」
「そう? じゃあ帰ろうよ。いつまでもこんなところで話してるのもなんだしさ」







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