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第二十話 次の目的地

本日最終話!

 


「珍しく苦戦したな?」

「アホか、攻撃を喰らったのはワザとだ。身体を真っ二つにされたって、死なないから試したいことを試す事にしたわけだ」


 鎖で縛られた時は、すぐに破って抜け出すことも可能だった。現に狂気と激昂の状態になれば、余裕だったのは間違いない。とにかく、試したかったことは成功した。


「材料は無機物以外なら人形を作り出せるのはわかっていたが、自分の一部を人形化させることが出来るかわからなかったからな」


 無機物とは土、木、鉱石などのことを指しており、アリスは元から人形の魔物であったから人形化出来るかわかっていなかった。オーガの集落を潰した後に色々と試そうと思ったが、丁度良く試す機会が現れたわけだ。


「ふむ、こいつらはBランクの冒険者らしいぞ」

「こっちはお金を見つけたぞ。使う機会があるか知らないが」


 2人は死体から荷物を漁っていた。アリスは冒険者が持つギルドカードを見つけ、バトラはお金を抜き取っていた。何故、盗賊紛いなことをしているのかは、人間側の情報を集めたいからだ。といっても、余計な荷物を持たない冒険者から得られた物は、ギルドカードとお金と薬草。武器もあるが、ダルクが使っていた盾をバトラが貰っただけだった。


「チッ、何も情報はなしか」

「あ、ギルドカードをくれるか? 少しはわかることがあるかも」

「ギルドカードを? あ、約束通りにステータスを見せてもらうがいいよな? 豊富な知識はスキルのお陰だと考えているが……」

「構わない。アリスになら、見られても困る物でもないし」

「そうか? ……………………成る程。希少スキルか」


 許可を貰い、早速鑑定でバトラのステータスを見せて貰った。

 豊富な知識は、希少スキルの『識別者シルモノ』のお陰だと理解した。


「お前は歩く図書館ってとこか」

「トショカン? 初めて聞く言葉だな。あ、ランクについての情報を得られたけど、聞く?」

「おい、便利だな。ランクって、あれか。強さの階級みたいな?」

「よく知っているな。便利と言うか、少しの情報しか得られないからちょっと物足りないけど。ちなみに、知り得た情報はランクについての情報だけ」

「ふむ……、ギルドカードには沢山の情報が詰まっていそうな気がするけど、スキルだけで全てを知り得たらアカシックレコードと呼ばれてもおかしくはないしな」

「アカシックレコード?」


 アカシックレコードとは、元始からのすべての事象、想念、感情が記録されているという世界記憶の概念。過去のあらゆる出来事の痕跡が永久に刻まれているという凄いものだとわかるが、説明してもバトラには難しかったようだ。とにかく、『識別者シルモノ』にはそこまでの力はない。


(もし、スキルが強化されて変化するならアカシックレコードに基づくスキルが出来るかもしれないな。出来るか知らんが)


 今はアカシックレコードのことよりも、身近な情報を聞きたい。この世界では、冒険者のランクはどういう階級になっているか。


「Fから始まり、SSSランクまでの9段階もあるみたい。ギルドから昇段試験があって、それにクリアすれば、上がるみたい」

「こいつらはBランクだったから、上にはまだ4ランクも残っているか」

「今のままじゃ、Sランクでヤバいかもね。Aランクはギリギリかな?」

「まぁ、それぐらいだろうな。もっと強くならなければ……」


 強くなるには、敵を倒しまくって魔素と魔力を吸収していくのが一番だろう。それに、魔物や魔人には進化がある。進化はあと何回出来るかわからないが、進化を目指して強くなるのもいいだろう。


「次はどうするの?」

「その前に聞いておきたいことがある」

「私に?」


 本来なら、オーガの集落を潰すまでは一緒だったが、これからは違う。アリスに目的があり、配下になったと称号に出たといえ、バトラもそれに付き合う必要もない。だから、今のうちに聞いておく。まだ、今なら引き返せるうちに…………


「俺の目的はわかっているよな。俺の道は人間の全てを敵に回すことになることは、間違いないだろう。それでも、着いてくると言うのか?」

「まぁ、目的を聞けば、そうなると容易に想像出来るよ。私はもう帰る家はないし、このままブラブラするよりはアリスに着いていった方が有意義だと思える。忠誠心はないけど、配下として着いていってもいいか?」

「忠誠心がないとか正直だな。危険だと知り、それでも着いてくるなら好きにしな」


 バトラはアリスに着いていくと決まった。次の目的を考えている時、バトラから提案があると言ってきた。


「強くなりたいなら、ここより強い魔物がいる場所に向かうのは?」

「俺もそうしたいが、地理を知らないんだよな」

「なら、私が知っている場所に向かう? あそこなら、ここの魔物よりは強いよ。ここから見えるけど、あの山だ」


 バトラが指を指した先は山を3つほど越え、他の山とは違う風景が映っていた。緑色で自然が溢れる山と違って、一つだけ灰色でゴツゴツとしている山がある。風景では異様な姿に見えるだろう。




「聞いた話では、昔に魔王が拠点にしていたらしいよ」

「ほぅ、興味深いな。よし、次の目的地はあそこに決まりだ!!」


 魔王が拠点にしていたと言う山に向かうことに決まった。何かがあることを期待して、徒歩で山を目指していくのだったーーーー










次は明日の朝7時になります。


日間ファンタジーで19位まで登りついていました。皆様、ありがとうございます。

これからも応援を宜しくお願いします。

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