第4章第2話 無数の酒屋の店主がオレたちを追いかけてくるんですが。
「お邪魔します」
「なんだ、客か」
感じ悪っ!?
なにこいつ。
「ここにはあんたらに売る酒はねぇぜ」
ここ酒屋ですか?
「オレたちはシンに言われて瓶を貰って来いと・・・」
そしたら店主はさらに顔を歪ませて睨んできた。
もうこいつ客へのサービス心がねぇ。
お前は日本の店の生き残り競争の過酷さを思い知ってから商売しろ。
そうこうしているうちに店主は瓶を持ってきた。
「これだ」
オレは瓶を受け取った。
「ありがとよ、じゃあな」
オレと暁は扉に手をかけた。
<ドロボー!ドロボー!>
なんか店中に警報が響き渡る。
「えぇ!?」
「毎回こんなんや、ここの店主。ウチは簡単に逃げれたんやけど、仲間がひとり死んだ」
死んだのかよ!!
「駿、くるよ!」
ちっ、仕方ねぇ、逃げる!
ってえぇ!?
なんか店主が50人くらいになって追いかけてくる!!
ガーゴイルかよ!?
「全員蹴散らす、暁は逃げろ!」
「いやや、駿が死ぬのは絶対にいやや!」
死が前提ですか・・・。
「オレを誰だと思っている、現代の剣聖だぜ」
オレは腰に下げていた刀を抜く。
「死ねやクソドロボー!」
「おまえが死ね!」
オレは大気を十字に斬る。
そしてそのまま斬られた大気が店主に飛んでいく。
「奥義・天地開闢!」
これは気体(天)と固体(地)を切り拓く奥義である。
ちなみにこれを習得できるのはオレの流派でもかなりの位を持つ者でなければ不可能である。
これをこの歳で使えるオレは前代未聞らしい。
オレはこの流派の継承者22代目なんだが、この奥義はオレの5代前、つまり17代目が編み出した奥義。
これを使いこなせたものは歴代で3人だそうだ。
大気に斬られた店主の群れは力無くして崩れ落ちた。
まあ、数人は生きているだろう。
オレは刀を納めて暁を見る。
「あいつは一回殺した方がよかったよな」
オレは呟いた。
「そやな、少しは懲りた方がええ」
当たり前の反応。
まあ、今回の依頼はよかっただろう。
暁にオレの剣術を見せたことでオレの強さも十分わかっただろうしな。
次は暁がオレに強さを見せる番だな。
「ところでこれ何入ってんだ?」
「ん、たぶん酒やで。社長酒好きやしな。相当な銘酒かなんかとちゃう?」
ははは、オレはあのクソ野郎にパシリにされたってわけか・・・。
ぶっ殺す!
もう笑いにならない笑い方してるよ、オレ。
「暁、これ飲むわ」
もう自棄である。
あの野郎には一滴も飲ませてやるか!
「ウチお酒好きや!ウチにも飲ませて!」
「これは酒だぞ。未成年が飲んでいいものじゃない」
「駿だけずるい!なんでウチはダメで駿はいいんや!」
ん、オレか。
オレは一時期不良だったからOK
「オレ不良だし」
「絶対ウソや!」
・・・この際仕方無い。
少し黙らせるか。
「なあ、暁」
「飲ませる気になったんか?」
「飲むの我慢したら・・・キスしてやろうか?」
オレは少しポーズを決めながら言った。
正直やっててキモいと思った。
「・・・ほんま?」
顔を赤らめた。
効果あり。
滅茶苦茶キモいと思った行動も無駄ではなかった。
と、その時
「ドロボー!ドロボー!」
店主!?
まだ生きてたのかよ!?
しかも人数増えてるし!?
「仕方ねぇな、行くぞ暁!」
オレは刀を抜く。
「今度はウチも!」
「奥義・一騎当千!」
オレは刀で地面を縦に一閃する。
刀が放った氣が地面を伝わり、店主の軍団を襲う。
オレはこの流派の22代目なんだが・・・ってさっきも言ったか。
この奥義はオレの8代前、つまり14代目が編み出したといわれる。
たった一太刀で約1000人もの人を斬ることが可能といわれている。
この奥義を使いこなせたものは歴代で4人。
まあ、できてから少ししか経ってないしな。
ちなみに本当に千人斬ったのは14代目だけといわれている。
まあ、戦国時代の人だしな。
まあ、何が言いたいかというと、この奥義は強いということだ。
これを食らって生きている方がおかしい。
が、しかし。
「やはり、あなた方は生きているんですね」
もはや人じゃないな、こいつら。
まだ2割くらい生き残ってるし!!
「ウチに任しとき!」
暁は何やら構え始めた。
「一ノ型、リミット・バスター!」
えぇ、和風な技なのに技名カタカナですか!?
でも・・・威力は人外だ。
なんかもう手からビーム出してるし!?
まあ、家の人間みんな人外的な特徴あるしな・・・。
「どうや!」
もう出す言葉もありません。
とりあえず残りの奴らを片付けたので逃げることにした。 |