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突然の彼女・エピソード2
作:ヒロヒト.JJ



その9 隠しごと


 隠しごと

 ●森田卓の視点

 帰宅が遅くなった僕は今、ゆりかちゃ・・いや、ゆりかが作ってくれていた晩ごはんを黙々と食べている。
 さすがにお酒や焼きとりを食べた後だから食欲があるはずもないんだけど、彼女が用意してくれたごはんを無駄にすることなんて申し訳なくてできない。
お腹が苦しくても全部食べてあげなくちゃ・・

 そういった僕の表情がどうやらゆりかに見透かされたらしい。
「卓さん、無理して食べなくていいよ。お腹減ってないんでしょ?」
「・・そ、そんなことないよ(^_^;)どして?」
「だって卓さん、食べながらため息ついてるじゃない。」
「・・それは疲れてるから。。」
「いつも早食いなのに今日はゆっくりだし。」
「味わって食べたいんだよ(^_^;)」
「じゃあもっとおかわりする?」
「う・・うん。も、もらおっかなぁ。」
 ゆりかはやれやれといった顔で僕を見つめている。もうバレバレかもしれない。それにしても彼女はどんな表情をしてても可愛い。(*^.^*)
「お酒飲んで来たんでしょ?匂いでわかるよ。」
「ヘ( ̄ω ̄|||)ヘぎくッ!ちょ、ちょっと無理矢理誘われて1杯だけ。。」
「何食べたの?」
「いや僕はビール1杯だけ・・」
「焼きとりおいしかった?」
「Σ|ll( ̄▽ ̄;)||lな、なんでわかるの?見てたの?」
「いいえ、そういう匂いがスーツからしただけよ。どうやら当たりねw」
「すごい鼻だ・・(⌒-⌒;」
「ビールは何杯飲んだの?」
「いやだから1杯。。」
「え?聞こえない。何杯だって?」
「・・・・中ジョッキで4杯です。。」
「 (o^-^o) ウフッ。正直でよろしい!」
「ごめんね。ゆりかちゃ・・ゆりか。。」
 不思議そうな顔をする彼女。
「どうして謝るの?お仕事の付き合いなら仕方ないじゃない。私、そんなことで怒ったりしたことある?」
「ないけど。。」
「卓さん、私ってそんなに怖い女?」
「それはないけど。。」
「ならどんなことでも正直に言って。隠し事されると私悲しい。」
「ご、ごめん。ただ、僕のためにせっかく用意してくれた食事に手をつけないなんてできなかったんだ。」
「そう・・そう思ってくれてたんなら嬉しいけど、食べなかったら明日の朝に出すだけだから構わないのよ。」
「そ、そうだったのか。。( ̄Д ̄;;」
「じゃこの話はもう終わりね。それより今度の日曜にいずみの父親参観があるのよ。」
「( ̄□ ̄;)!!えっ?」
「そんなにびっくりするもん?」
「そ、そりゃ驚くよ。僕が行かなきゃなんないんだろ?」
「一応決まりは父親だから私が行くよりはね。」
「うわっ、もう緊張して来た。」
「じゃあ行ってくれるのね?」
「行かなくていいんなら行かないけどw」
「ダメよ。いずみの勉強ぶりもしっかり見てやって。本当の父親以上に立派な父親になってあげて。」
「なんかプレッシャーだなぁ( ̄ー ̄; ヒヤリ」
「別に卓さんが手をあげて発言するわけじゃないから。」
「そりゃそうだけど。」

 僕の苦手な公の場。参観日なんて未知の世界。当日まで眠れない日々が続きそうだ。
 それにしてもゆりかは僕のことをどれだけ期待してるんだろう?
 もし僕が彼女の期待に添えなかったら、僕なんて愛想尽かされてしまうのかな?

 ゆりかは僕に何でも正直に話して欲しいと言った。
 焼きとり屋のことはバレたけど、その後の出来事も話した方がいいのかな?
 大したことじゃないから隠し事にもならないし、別にいっか・・
 ウソもついてるわけじゃないし。。

 
●森田ゆりかの視点
 洗い物を片付けた後、私は卓さんが着ていた焼きとり臭いスーツの匂いを消臭スプレーで消そうとしていた。
『けっこう、匂いって染み込むものね。』
 そう思いながらスプレーを噴射する直前、私はかすかに別な匂いを嗅ぎ取った。

『・・香水。。。女?』
             (続く)







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