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突然の彼女・エピソード2
作:ヒロヒト.JJ



その41 プライド・前編


 プライド・前編

「おかしい…あれからもうだいぶ経つのに何も変化らしい変化がない。」
ベッドで仰向けにタバコをふかしている慎也がボソッと呟いた。
 その横でベッドを共にしている倉沢まりもが話しかけた。
「やっぱりそんなこと考えてたのね。」
「いや、今ふと思っただけさ。」
「ウソ!全然集中してなかったじゃない。」
「そんなことはないさ。ちゃんと時間もかけたじゃないか。」
「時間の問題じゃないわ。心ここにあらずだったでしょ!」
まりもは少し故意にすねてみせた。
「そうか…わかってたか。ごめん悪かった。そういうつもりじゃなかったんだ。」
「あのブ男のこと考えてたんでしょ?」
「変な言い方するなよ。まるで俺があいつに気があるみたいじゃないか。」
「別にそんなこと思ってないよ。」
「チクショー、写真も送ったのになんで何も反応がないんだ?」
「様子観に行ったの?」
「いや、俺は行ってない。情報が入ることになってるだけだ。」
「それって誰?」
「まぁちょっとな。」
「もうっ!それなら最初からアタシじゃなくてその人に頼めば良かったのに!」
「それは無理だ。森田卓を誘惑するのはお前しかできない。」
「慎也の頼みだから仕方なくやったのよ!」
「もう一度頼んだらやってくれるか?」
「やめてよっ!1回ポッキリでたくさん!森田は生理的にもう無理!」
「アハハ。んじゃあそこの会社の部長はどうなんだ?付き合い長いじゃないか。その都度吐き気でもしてんのか?」
「あぁ、あの部長さんね。あの人はドMなのにとってもダンディなの。それにアタシの方から触れない限り、先に触れてくることはないの。年は取ってても森田よりは数段マシね。」
「へぇ、それは都合のいい金づるだな。そんなのが他に何人いるんだ?」
「今は5,6人かな。でも勘違いしないでね。別にアタシ、体を許してるわけじゃないから。M男を引っ叩いて喜ばせてあげるだけだもの。」
「( ̄ー ̄)フフ わかったわかった。」
「今のアタシは…慎也だけ。」
「今はか。まりもらしい答えだな。まぁいい。ありがとよ。」
 慎也はまりもの頭の後ろに腕をまわし包み込むように自分に引き寄せた。
 まりもは慎也の方へやや横向きになり、自分の片腕を彼の胸板に乗せる。
 そしてぼーっと天井を見ている慎也の横顔を見ながら言った。
「でもアタシ、ちょっと気になることがあるんだけど…言っていい?」
「ん?なんだ?」不意に振り向く慎也。
「怒らないで聞いてね。」
「あぁ。」
「慎也って、森田卓の奥さんに未練があるんじゃない?」
 その瞬間、慎也の顔色がサーッと変わったのをまりもは見逃さなかった。
                (続く)







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