序章曲 ―そうやって生きていくのは誰の為なのですか―
私のことを、少し話そうと思う。
私は小さいときに母親に捨てられて、
その時は、国がすっごい戦争をしていて、
路地裏で何とか生きていて、
生きていて生きていて生きていて生きていて生きていて生きていたくって、
でも死にそうで、
死にたいと思う自分と、死にたくないと思う自分がいて、
必死になって生きていた。
そんなとき、師匠に拾われた。
師匠は軍人で、
私を拾ったときはもうぼろぼろで、
周りは雨で、
師匠の顔も涙でぼろぼろで、
でもそんなことはどうでも良くって。
それからは幸せだった。
一番最初に、名前をつけてもらった。
とっても良い響きで私には勿体ないくらいの名前をつけてもらった。
すぐに私は師匠から色んな事を学んだ。
それこそ文字の読み書きや、計算の仕方。
家事全般、生きるためにしなきゃいけないこと。
そして、銃の使い方、戦い方。
私は師匠の役に立ちたくて、
いっぱいいっぱい学んだ。
私は自分のことを『おれ』と呼ぶようになって
女なんだけど、男っぽくして見せた。
それが、強くなるための近道だと思った。
それから何年もたって、やっぱり国は大きな戦争をした。
師匠はもう軍人をやめていたようなものだったけど、
招集がかかって、戦争をしにいった。
そして、それっきり帰ってこなかった。
おれは、また、家族を、失った。
おれは師匠のしていた店を継いだ。
師匠が軍を辞めたときのためにやっていた、街外れの小さな店。
どんな内容でも引き受ける、『便利屋』。
便利屋のカノン・ソリティア。
店主は、ジン・ソリティア。
それが、今のおれ。
あなたはもう帰ってこない。
BGM:cage/鬼束ちひろ
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