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ピノコが面倒を引っ張り込むのは何時もの事だと諦め、男の話に耳を傾けた。
「あなたならば救けて下さるはず!どうか、どうか私を診てください…お願いします」
それは悲痛なさけびであった。
「話を聞かなければ何とも言えんが、あなたが私にしがみ付くのは、先程の症状に原因があるようだな?」
男は泣き崩れ、その場にへたり込んでしまった。
「お金ならばいくらでも用意はします…」
ブラックジャックは、その言葉に眉一つ動かさず、黙って目を閉じている。
「あなたは元軍人では?外見だけで確信はなかったが、先程の肉体や傷を見て、それは確実にかわった」
「私を診察してくださるのですか?」
「はっきりはしないが、興味のある手術痕があった…あなたの依頼をうけましょう!報酬は今回、後回しと言うことで、無事に回復したのちで構わない」
ブラックジャックには珍しく、自信なさげな言い回しであった。
本来は自信をもって自ら報酬額を言い放つはずなのに。
「さっそくで悪いが…ピノコ!ルーペを持ってきてくれ」
男は突然で驚いた。まさかすぐに診察が始まるとは思ってもみなかった。
「詳しい検査は病院で全身の隅々まで診なければわからんが、とりあえず手術の痕だけ見せてくれ」
そう言われ、シャツを脱ぎベッドに横になった。
傷は腹部にあり、大きく開かれており、荒削りだが大手術であったことを示していた。それをブラックジャックは黙って見て、その場での診察は終わった。
男はシャツを着て、そのままベッドにすわり何を言われるか待っていた。
すると椅子に座ると同時にブラックジャックは男に話し掛ける。
「いつその手術を…なかり古い痕跡だ」
それを聞いた男は、自分の事を語りだした。 |