13
ホテルに戻っていたはずのブラックジャックはティーナに治療をすることを伝えに、眠ったピノコを置き、ジャンと病院へと向かっていた。
だが逢ってはならない男とすれ違った。
ドクター・キリコが病院方向から過ぎていった。
するとキリコはブラックジャックに気付き引き返してきた。
バイクが二人の傍に横付けになりる。
「貴様!一体なにを!」
そう怒鳴りながら近づくブラックジャック。
「いやぁ何ね、彼女は食事が限られたものしか摂取できないもので、しかもあの貧困な病院では、栄養を補うブトウ糖も不足だろうと思い置いてきたまでですよ」
ブラックジャックは黙って睨み付ける。だが、不適に笑い返す。
「安心してください。彼女はあなたに任せます。私が手を下すには若すぎた…逢った時から手出しする気はなくなりましたよ…それに彼女のは移植手術でなおるでしょ…」
訳がわかっていなかったが突然ジャンは、キリコに名を尋ねた。
「あなたも彼女を診てくださったのですね!名前をお聞かせ下さい!」
すると、いつもの返答をする。
「そうですねぇ、じゃぁ……モーツァルト…と言うことで」
「えっ、あ、あの」
キリコは目線をブラックジャックに戻し、告げた。
「今回はたまたまです。あなたに委ねますが、おそらく次は……結局、あなたと私は同じ黒でも、決して混じり合わない黒ですよ」
そう言い残し、この町を出ていった。
ブラックジャックとジャンは急ぎ、病院へと向い走る。
なんとか病院に着きティーナの元へ向かい、ブラックジャックは何も知らないジャンを尻目にティーナの無事に安堵していた。そしてティーナに近付く。
「あなたの病を私が治す。たった今から私が主治医だ!いいね」
ティーナは泣いていた。
「ハイ。よろしく…お願いします…」
だがブラックジャックは知っていた。
ティーナの容体は一刻を争う困難な状況を。その事は誰にも告げはしなかった。 |