ファイル538:暗黒の死花束(デスブーケ)『4・リアン拉致事件』
リアンは1人、控え室用に割り当てられた教室に戻った。
リアン
「アタシ、何であないな事言うてしもたんやろ・・・アタシ、アホやないか・・・」
リアンは涙を流し始めた。
そんな彼女の後ろに、誰かが現れた。
柏
「思い詰めているようだね、お嬢ちゃん。」
リアン
「柏・・・さん・・・」
教室に現れたのは、柏だった。
柏
「そんなに思い詰める事はないよ、お嬢ちゃん。君には1つの道があるだろう?」
リアン
「1つの道?」
柏
「そうだ、お嬢ちゃん。ヤツらに見せてやるんだよ。君の真の力というものをね。私と一緒に来るんだ。」
リアン
「・・・」
リアンは少し考えたが、柏の言葉に乗ってしまった。
リアン
「わかりました・・・アタシ、行きます。」
リアンがそう返事した瞬間、リアンの両手と首、右足にミサンガが巻きついた。
シュル・・・
その直後、リアンのオデコに柏が指を差した。
ビッ!
リアン
「ふぁ・・・」
リアンは目がトロンとなると、そのまま床に倒れ込んだ。
ドサッ!
柏
「フフ・・・サイクロプス様の見よう見マネだが、うまくいくものだな・・・」
柏はそう言うと、リアンを背中に背負った。
ガッ!
柏
「さて、行くか・・・」
ガラ!
柏が外に出たその時、リリスが廊下に来ていた。
リリス
「あなた、ここで何してるの?」
柏
「ゲッ・・・」
リリスは柏の背中に背負われているリアンを見つけた。
リリス
「あぁ!リアン!!」
リリスは柏をにらみつけると、トンファーを取り出した。
リリス
「リアンを放しなさい!!さもないと・・・」
トンファーにバチッと電流が走る。
リリス
「ただじゃ済まさないわよ!!」
リリスはトンファーを振った。
ブン!!
柏
「うぉっ!!」
柏はギリギリで避けた。
リリス
「このまま一気にたたみかける!!ハァァ・・・」
リリスが充電を始めたその時、柏の右側が光った。
「影電撃!!」
ゴォッ!!
リリス
「な・・・これはリアンの・・・」
驚くあまり、リアンは避けきれずに呪文を喰らった。
ドッ!
リリス
「キャアアアアア!!」
リリスは少し吹っ飛ばされた。
ドッ!
「何やってるのよ、柏?」
リアンと全く同じ呪文を放った人物が、柏の右側から現れた。
柏
「おお、来ていたのかアップル。」
柏にアップルと呼ばれた少女・歩は、顔をしかめながら言った。
歩
「ええ。あなた1人だけじゃ不安だから、アタシがついて来たのよ。」
歩は言葉を一旦句切ると、リリスの方をにらんだ。
歩
「本当なら、ここでこの娘を始末しておきたいのがアタシの性分なんだけど・・・」
リリス
「クッ・・・」
リリスはトンファーを構えた。
歩
「今のアタシ達の任務は、一刻も早くこの子をアタシ達の上司に届ける事。余計な戦闘に時間をかけているヒマはない。」
歩はそう言うと、フンと笑った。
歩
「行くわよ、柏。」
柏
「あ、ああ。」
歩の言動に、柏は少し引きつつ従った。
ところが・・・
リリス
「待ちなさい!!」
リリスが前に立ち塞がった。
歩
「ん?」
リリス
「どうしてもここを通りたいというなら、私を倒してから行きなさい!!」
リリスはトンファーをかざした。
歩
「面倒くさい事するわねこの子。柏、アタシから離れないように。」
柏
「ああ。」
柏が歩の近くに行くと、歩は両手で木刀を持ち前にかざした。
歩
「影霧霞!!」
ブォッ!!
木刀から発せられた濃い霧が、リリスの視界を遮った。
リリス
「うっ・・・ゲホゲホ・・・」
歩
「さ、今の内に。」
柏
「ああ。」
歩と柏は、リアンを連れたまま消えていった。
リリス
「ま、待ちなさ・・・い・・・」
リリスはそのまま、意識を失った・・・
次回は、ザルチム達共にFBI東京都支部へ!! |