ファイル525:ゲレンデの推理対決・リアンVS美保『2』
美保
「・・・って事で、私とそのどっかの女子中学生との・・・推理合戦の火蓋が切って落とされたってワケよ!どう?1人でリフトに乗った女が、降りる時には自分の頭撃ち抜いた拳銃握って死んでいて・・・その傍らには雪の詰まったバッグが置いてあった・・・面白そうでしょ?これ、殺人だったのよ?」
刃
「(・・・ってか、その女子中学生アタシやで・・・それに、あの時推理勝負で勝っとったのは・・・アタシの方やなくて・・・)」
ヒュオオオオ・・・
銀一
「ちょっと美保!ダメだって!!『吹雪いてきたからホテルにいろ』って先生言ってたじゃん!それに、本当に雪男が出たらどうするの?」
美保
「アホ!そんな兄ちゃんがいたらお目にかかりたいわよ!4年前の事件解くには、まずは問題のリフト調べなきゃいかないのよ!どっかの女子中学生に先越されないためにもねぇ!」
銀一
「ああ・・・さっき美保が事件に関わった人達に言ってた・・・『人間がやったから犯罪って言うのよ!!それに不可能なモンがあるかってのよ!!ボケェ!!!』っていう言葉と同じ事言ってた人の事だろ?そんなの、気にしなくて良いじゃない!美保と同じ考え持った人がいるってだけの事・・・」
美保
「だから負けられないのよ!その子に勝たないと、私も中学生レベルだと思われちゃうからねぇ・・・」
銀一
「(オマエも中学生だろ・・・)」
「んもぅ、ラブラブやねお2人さん♪」
美保
「ドアホ!そんなんじゃない・・・」
「2人が描く愛のシュプールで雪が解けそうやで〜♪」
美保
「(何よ・・・他人の事ね・・・)」
シャアア・・・
ザッ!
リアン
「和葉!アンタ寝ぼけた事叫ぶなや!!」
平次
「勘違いされてまうやない!!」
遠山和葉『当時14歳』
「そやかて〜ず〜っと2人で一緒におるんやも〜ん♪」
リアン
「あのリフト調べるんを平次に手伝ってもろてただけや!」
和葉
「リフト?」
平次
「和葉も聞いたやろ?4年前の事件の話・・・リアンったら、あれを解こうとしゃかりきになってるんよ!」
リアン
「ほな次は、歩いてじっくり上まで登ってみようや!」
平次
「ええ〜、こんなに吹雪いとんのに〜!?」
銀一
「まぁリフト調べるのはこの吹雪が終わってからでも遅くないし・・・」
美保
「ま、良いけど・・・その前に・・・」
「・・・」
ドン!
「あ、すみません・・・」
「あ、いえ、こちらこそ・・・〜♪」
ツカツカ・・・
美保
「コラ!いい加減にしなさいよ!!さっきからジロジロ撮りやがって・・・」
銀一
「良いじゃない!この雪の風景撮ってるだけかもしれないし・・・」
美保
「ちがうちがう!このオッサンが撮ってるのはこの私よ!私の父さんなんだから!」
銀一
「ええっ!?」
スッ!
白野マシュー『当時33歳 美保の父』
「さすがだね美保!琴葉に似て良い勘働きしてるよ!」
美保
「(わかるってのよバカ!)」
銀一
「けど、ここで何してるんですか?」
マシュー
「美保、東北の方にあまり来た事ないから、心配で心配で・・・」
美保
「アホぬかせ!私が生まれてからず〜っと撮ってる成長ビデオのコレクションに加えたいだけでしょうが!!」
銀一
「(み、観たいかも・・・)」
美保
「いい?吹雪が収まるまで一旦ホテルに戻るけど、あんまり目立つ事しないでよ!中学にもなって、親がついて来てるって思われたら恥ずかしいからねっ!」
マシュー
「わかってるって!」
ホテル
震蔵
「あの時もこんな吹雪だったな・・・」
炎人
「え?」
震蔵
「吹代君が自殺した4年前のあの日だよ・・・あの日もこんな感じで撮影待ちをしている間に、台矢君がファンに囲まれていて・・・」
4年前
地山震蔵『当時53歳』『弱ったねぇ・・・これから上のロッジのシーンを撮らねばならんのに・・・』
落俣雷美『当時24歳』『あれじゃ撮影どころじゃないですね・・・』
火立炎人『当時28歳』『それより問題はこの吹雪ですね・・・俳優さんに2時間も前にメイク済ませて、上のロッジで待ってもらってるのに・・・』
震蔵『早く収まってくれないとスケジュールが・・・』
吹代雪麗『当時30歳 女流スタントマン』『大丈夫!何とかなるっしょ!』
雷美『また出ましたね!吹代先輩の『何とかなるっしょ』が・・・』
炎人『でも彼女がそう言ったら、何とかなっちゃうから不思議だよね・・・』
震蔵『しかし残念だよ・・・君のその口グセがもう聞けなくなってしまうとは・・・』
雪麗『あ、イヤ・・・実はスタントを辞めるかどうか、まだ決めかねていて・・・』
震蔵『おいおい、大丈夫かね?』
炎人『ご心配なく!これから彼女は女優1本でやっていきますから!』
震蔵『は、俳優!?』
雷美『できるんですか!?』
炎人『・・・って言っても、仮面ヤイバーの女怪人役・・・セリフも少ないし、オレの特殊メイクで誰だかわからないから・・・』
雪麗『何とかなるっしょ!』
ハハハ・・・
震蔵
「あの彼女が、まさかその1時間後にあんな事になるとは・・・」
霧美
「そうそう、4年前のあの日もアンタらはここで映画を撮っていた・・・『雪男の怪』ってホラー物を・・・その3年前に撮った『雪男の恋』ってラブストーリーと、今回の『雪男の計』ってミステリーで雪男3部作になるワケだけど・・・『雪男の計』は『雪男の怪』を撮ってる最中に起こった吹代の事件を忠実に再現してるそうじゃない・・・探偵役も『恋』や『怪』で主役を務めた台矢風子が実名で出てるって言うし・・・映画の前宣伝じゃ、雪男に魅入られた女が自殺したとなっているけど本当は犯人がいるんでしょ?ミステリーなんだから・・・聞かせて欲しいわね・・・脚本上じゃ誰が犯人なのかを・・・」
震蔵
「そ、それは・・・」
雷美
「あっ!吹雪収まってきたみたいですよ!」
震蔵
「お、おお、そうか!」
「じゃあ滑ってる所見せてくれませんか?」
「『雪男の恋』や『怪』の抜群のスキーテクを!!」
「お願〜い!!」
風子
「困ったなぁ・・・これから撮影なんだけど・・・」
パッ!
炎人
「ダメダメ!!ここに来てから、君達のようなファンにせがまれて彼女、3回も滑っているんだよ!彼女のスキーが見たければ、映画を観に来なさい!!」
「え〜っ!!」
風子
「どうします?」
震蔵
「まぁ日程はキツいが、ファンは大切にせにゃならんし・・・」
雷美
「きっと吹代先輩ならこう言うんじゃないですか?『何とかなるっしょ!』・・・ってね!」
炎人
「・・・ったく、もう彼女はここにはいないの!いい加減忘れてよ!」
震蔵
「スマンな・・・君の妻となるハズだった吹代君の死を元にした映画に、君まで関わらせてしまって・・・」
炎人
「いえ、参加させてくれと言ったのはオレの方ですし・・・何となくわかるような気がしたんです・・・この映画を完成させると、彼女の死の真実が・・・」
美保
「・・・」
リアン
「2ヶ所やな・・・」
平次
「え?」
リアン
「下から見て来たけど・・・このリフトとゲレンデが近うなってる場所が2ヶ所ある・・・」
平次
「ほな、下から飛び乗ったりできるん?」
リアン
「イヤ・・・近いって言うても、3メートル近くある・・・トランポリンでもないとムリや・・・」
ザシュ!
リアン
「!」
シャアア・・・
リアン
「あれ、ホテルにおった台矢風子やないか・・・」
平次
「うまいな〜!」
ザッ!
風子
「よっ!」
「アンコール!アンコール!」
風子
「ダメダメ、今日はこれ1回だけ!続きは映画でヨロシク!」
震蔵
「もう4時前じゃないか!!早く上のゲレンデのシーンを撮らないと・・・」
風子
「じゃあ先にリフトに乗せてもらいましょう!5時過ぎると真っ暗ですから・・・」
霧美
「ねぇ、監督さん?特殊メイクの男とスタントの女の姿が見えないけど・・・」
震蔵
「ああ・・・あの2人なら先に上に行くと言ってたよ・・・」
美保
「何かある・・・絶対何かあるわよこのリフト・・・」
銀一
「な、なぁ美保・・・怖いなぁこのリフト・・・」
美保
「何よ銀一、あなた上級者班なのにリフトに乗った事ないの?」
銀一
「あ、あるけど、これとちがうタイプだったから・・・」
ヒュオオオ・・・
美保
「クソ・・・また吹雪いてきたわ・・・前に乗ってる探偵の姉ちゃんの姿がよく見えない・・・」
シャアア・・・
雷美
「お〜い、火立さん!!」
炎人
「あ、落俣君・・・」
雷美
「何してるんですか?それ、下りのリフトですよ?」
炎人
「ちょっと降りそびれちゃって・・・オレ、こういうの苦手だから・・・」
パァン!!
雷美・炎人
「!」
震蔵
「!」
霧美
「!」
リアン・平次
「!」
美保・銀一
「!」
ダッ!
平次
「リ、リアン!?」
銀一
「な、何なの?今の音・・・」
美保
「(拳銃の音か・・・?確か乗ったのは、地山監督・女優の台矢・探偵の姉ちゃんの順だったわね・・・)」
ザッザッザッザッ・・・
リアン
「な、何かあったんですか!?」
震蔵
「ああ、君か・・・さぁ、わからんよ・・・私も今降りたところだから・・・」
リアン
「!!(台矢さん・・・死んでる・・・)」
事件、発生・・・
次回、2人の女探偵が捜査を開始!! |