ファイル522:貴嶋沙希失踪の真実
ロンドン旅行での事件により、晴れてカップルとなったワタルと伊澄。
普通なら喜ばしい事である。
しかし、ワタルにはそれよりも気になっている事があった。
彼のメイド、サキの事である。
実は最近、サキが行方不明なのだ。
ロンドン旅行に行く前から彼女は田舎に里帰りしていたのだが、その直後から彼女からの連絡が途絶えているのである。
ワタルは幼い頃からサキにカワイがられているため、彼女の事が心配なのだろう。
ワタル
「(サキ・・・オマエ、今どこにいるんだよ・・・)」
ワタルは暗い顔でビデオを整理している。
伊澄
「ワタル君・・・」
ワタルの手伝いをしている伊澄も心配そうだ。
「ワタル君、あまり暗い顔しないでください。」
「そんな暗い顔していては、何事もうまく進みませんよ。」
ワタル
「シスター、愛歌さん・・・」
ワタルが振り向くと、メイド姿のソニアと愛歌が立っていた。
なぜ2人がここにいるのかというと、サキがいない間ワタルと伊澄だけでビデオ屋をやるのは危険だという事で、最初に愛歌が2人の手伝い役に名乗り出たのだ。
ちょうどその時、客として来ていたソニアも手伝いに加わる事になったのである。
ちなみに彼女、今度白皇の3年生のクラスに編入生として入る事が決まっている。
ソニア
「ど、どうでしょうか、ワタル君・・・」
愛歌
「私達の格好・・・」
ソニアと愛歌は、モジモジしている。
ワタル
「良く似合ってるよ。なぁ、伊澄?」
ワタルが笑顔で、伊澄に同意を求めた。
伊澄
「ええ、ステキです。」
伊澄も笑顔で言う。
ソニア・愛歌
「あ、ありがとうございます・・・」
愛歌とソニアは赤面した。
ワタル
「あ、そうだ。後でハヤテと咲夜が来るから、紅茶の葉を買い出しに行って来てくれ。」
ソニア・愛歌
「わかりました。」
ソニアと愛歌は、買い物袋を持ってビデオ屋を出て行った。
紅茶の葉を買い終えたソニアと愛歌は、帰路を急いでいた。
ソニア
「無事に買えましたね。」
愛歌
「ええ。早く戻りましょう。もし知っている人にこの姿を見られでもしたら、色々とマズイですから。」
愛歌が足早に歩きながら言う。
ソニア
「そういえば、愛歌さん弱点長2を美希さんに渡してるんでしたね。」
愛歌
「ええ。なので、気をつけねば・・・」
愛歌がそう言った時、不意に誰かの声が聞こえてきた。
「ヘェ、2人共メイド服を着てるんですか?結構似合ってるじゃないですか。」
ソニア・愛歌
「?」
ソニアと愛歌が振り向くと、仮面をつけた女性が立っていた。
愛歌
「あなたは?」
「私はとある方に依頼され、あなた達を倒しにやって来た者です。ここでの立ち話も何ですし、一気に片づけさせてもらいます!!」
女性は手をかざした。
「ジキル!!」
ドンッ!!
女性の手から、風の塊が放たれた。
愛歌
「わっ、わっ・・・」
愛歌が慌てていると、彼女をかばうようにソニアが進み出る。
ソニアはトンファーを取り出すと、風を弾いた。
ソニア
「ハァッ!!」
バキン!!
「ヘェ、中々やるじゃないですか。」
女性は感心している。
ソニア
「とにかく、ここじゃ人目につきます!人気のない公園まで誘い寄せて、戦いましょう!」
愛歌
「そうですね!」
ソニアと愛歌は、走り出した。
「ウフフ・・・そう来ますか・・・」
女性はクスッと笑うと、後を追いかけた。
勝ち虫公園
ソニアと愛歌は、勝ち虫公園と言う人気のない公園まで女性を誘い込んだ。
ソニア
「ここなら、人目につきません!」
愛歌
「さぁ、かかってきなさい!」
「では、いきますよ・・・ジキルガ!!」
ドンッ!!
女性が両手をかざすと、さっきより大きい風が飛んできた。
愛歌
「うわっ!さっきより大きいです!!」
ソニア
「任せてください!!」
ソニアはトンファーをクロスさせ、飛んできた風を弾き飛ばした。
バキィン!!
「ヘェ、やるじゃないですか。」
女性は微笑んだ。
ソニア
「今度はこっちから行きますよ!!」
ソニアは女性に突っ込んだ、
ソニア
「ハァッ!!」
ドカァ!!
ソニアの一撃で、仮面が弾け飛んだ。
ソニア・愛歌
「え!?」
仮面がはがれた女性の素顔に、ソニアと愛歌は驚愕した。
なぜなら、その素顔は・・・
ソニア
「サ・・・」
愛歌
「サキさん!?」
そう、この女性こそ、行方不明になっていたサキだったのだ。
サキ
「イタタ・・・やってくれましたねぇ・・・」
ソニア
「サキさん、何やってたんですか!」
愛歌
「ワタル君が心配してましたよ!」
ソニアと愛歌が叫んだ。
しかし、サキはキョトンとしている。
サキ
「サキって誰ですか?」
ソニア・愛歌
「!!」
2人は唖然となった。
「彼女はもう、貴島サキではないわ。」
ソニア・愛歌
「!?」
2人が声のしてきた上の方を見上げると、歩が宙に浮いていた。
歩
「彼女の今の名は、メロンよ。」
サキ
「あら、アップル。来てくれたんですか?」
歩
「ええ、随分と時間がかかっていたものでね。」
歩は含み笑いをした。
歩
「本当なら、ここであなた達も始末しておきたいところだけど・・・」
歩がにらむと、ソニアと愛歌は身構えた。
歩
「まぁ、まだあのお方が事を実行するまでには日がある事だし・・・今日の所は見逃してあげるわ。」
愛歌
「あのお方?」
ソニア
「事の実行って、一体何なの?」
歩
「全てはいずれわかるわ。せいぜいその時が来るまでに腕を磨いておく事ね、ヒナギクの友人の霞愛歌とシスターのソニア・シャフルナーズ?」
ソニア・愛歌
「!!」
歩
「戻るわよ、メロン。」
サキ
「ええ。」
歩とサキは、放心するソニアと愛歌をその場に残し消えた。
シュウウウウウ・・・
愛歌
「い、一体・・・」
ソニア
「何が起こるって言うの・・・?」
2人は疑問を浮かべながら、ビデオ屋へと向かった。 |