ファイル499:美希がメイドになったワケ
白皇学院 生徒会室
霞愛歌
「そうですか、千桜さんに続いて理沙さんもメイドをやっていると・・・」
愛歌が美希と話をしながら、その事をジャプニカ弱点帳に書き込んでいる。
美希
「ええ、しかもあの伊澄ちゃんのメイドです。」
愛歌
「そう。で、どうでしたか?」
美希
「ええ、普段の理沙からは想像もできないほどカワイらしい姿でしたよ。これで理沙をいじるネタが手に入りました。」
美希はジャプニカ弱点帳2を見ながら、クスクスと笑っている。
愛歌
「そうですか。でも美希さん・・・」
美希
「な、何です?」
愛歌
「あなたも私に弱点を書かれているという事をお忘れなく・・・」
美希
「は・・・はいっ!!」
美希は冷や汗をかいた。
愛歌
「では、私は先に帰りますので。」
そう言うと、愛歌はエレベーターで降りて行った。
美希
「うぅ・・・まさか、あんなにも早く愛歌さんにバレてしまうなんて・・・」
美希はドキドキしながら、エレベーターに乗った。
なぜ美希まで愛歌に弱点を書かれているのか?
それは彼女、花菱美希もまた・・・
如月家
風月
「ただいま〜。」
美希
「お帰りなさい、風月ちゃん。」
そう、彼女もまた如月風月という1人の少女に仕えるメイドだからである!!
なぜこんな事になったかというと、それは12月の終わり頃までさかのぼる・・・
花鳥
「ん・・・ん〜・・・」
花鳥は目を覚ました。
いきなりこんな始まり方で、ワケのわからない人に解説しよう。
彼女の名前は如月花鳥。
花鳥は『アトリ』と読む。
風月(こちらは『フヅキ』と読む)の母親で、何と23歳の若い女性である。
かつては黒の組織にいたスゴ腕の構成員なのだ。
今回は、そんな花鳥の1日と、彼女とある少女の出会いについてお話ししよう。
花鳥
「さてと、今日は日曜だし組織の仕事もないし、何もやる事がないわね〜。」
花鳥は風月を起こしに向かった。
ちなみに風月は暁と同じ部屋で寝ている。
え?
男女が一緒の部屋で寝るのはマズくないかって?
確かにそれが例えば高校生くらいの若い男女なら、問題にもなるでしょう。
しかしそれが7歳の子供同士なら、何も心配事はありません。
花鳥
「風月〜、朝よ〜。」
花鳥は風月の部屋に入った。
風月
「スー、スー・・・」
風月はスヤスヤと寝ていた。
花鳥
「(しかし本当によく寝てるわね〜。今日は日曜とはいえ、確か帝丹で読書会があるハズ・・・全く、夜遅くまでDVDを観て・・・一体、どんな・・・)」
カタ・・・
『東京沈没』
花鳥
「・・・(随分とピンポイントな・・・自然災害のDVDね・・・あの子は一体何を観てるんだか・・・まぁ、朝食の時間までは寝かせといてあげましょう。)」
で、この家には彼女達2人以外に、もう1人住んでいる。
それが、さっき言った暁である。
暁
「おはようございます、義母さん。今日もいい天気ですね。」
暁が言った『義母さん』についてだが、実は暁には両親がいないのだ。
風月と出会った時より、彼は如月家の養子として花鳥に引き取られたのである。
風月
「学校で読書会とはいえ・・・行くのがダルいわね〜・・・」
花鳥
「・・・もぉ、そんな事言ってないで・・・これが終わればしばらく休みじゃない。」
ちなみにこの日は作中では12月30日です。
暁
「そうだよ風月。風月は前にリアンさんと寝屋川小学校の読書会に参加してるから、読みたい本もあらかた決まってるんだろ?オレなんて・・・読みたい本の目星ないし・・・」
風月
「・・・」
花鳥
「・・・」
風月
「じゃあ、いっそ旅にでも出るか暁〜。」
暁
「それもいいかもね〜。」
花鳥
「そんな寝言を言ってないで・・・サッサと学校に旅立ちなさい!!暁君までもぉ!」
風月
「でも試験が終わったら本当に旅に出るわよ、暁。」
暁
「そなの?」
風月
「ええ、父さんの墓参りにも行かなきゃならないし、ピクニックも温泉旅行もここんトコ事件続きで台無しになってばかりだから今度こそ楽しみたいし・・・」
暁
「そうか。じゃあ義母さん、行って来ます。」
花鳥
「行ってらっしゃい。」
風月
「あ、そうだ母さん!ヒマだったら昨日観たDVDをワタル君の店に返しておいて!」
花鳥
「はいはい。・・・早く行きなさい・・・」
こうして、2人を送り出すと・・・
少し花鳥はおヒマです。
花鳥
「さて、2人が帰って来る前に・・・DVDを返しに行きますか・・・」
花鳥はDVDを手に取り、家を出た。
それから1時間後、どこかの公園にて
美希
「ウフフ・・・まさか理沙がメイドさんをやってたなんてねぇ・・・しかも伊澄ちゃんのメイドとは・・・千桜さんに続いて、理沙をいじるネタも手に入ったわ・・・」
美希は愛歌からもらったジャプニカ弱点帳2を見ていた。
美希
「さ〜てと、早く家に帰って秘密のブログにこの事書こう・・・」
そう言ってベンチから立ち上がった美希は、ほどなく妙な3人組にぶつかった。
ドンッ!
美希
「キャッ!!」
「・・・」
美希
「・・・」
「何じゃゴルァ!!」
「やんのかワレェェ!!」
美希はチンピラに絡まれた。
美希
「キャアアア!!(どうしよどうしよ!!わ、私・・・ヤバいんじゃないかな!?)」
「☆△○ー!!」
「○△☆ー△○ー!!」
と、そこに花鳥が通りかかった。
花鳥
「(あら?あの子は確か・・・えっと・・・)」
花鳥は風月から渡された写真を見た。
その写真には、風月と美希と咲夜が仲良く写っている。
「ワレ聞いてんのか!!イテコマしたろかボケェェ!!」
「オンドレナメとったらシバくぞゴルァァァ!!」
「ちょっと待て・・・コイツ、あの有名政治家花菱の孫じゃねぇのか?」
「そういえば見た事あるな。」
「じゃあ、ちょっと教育って事でどこかに連れて行くか。」
チンピラ達が美希に迫る。
美希
「(どうしよどうしよ!!っていうか、何で私がピンチになってるのかな!?)」
花鳥
「そうそう♪花菱さんでしたっけ?」
美希
「へ?」
花鳥
「ですよね?以前、ウチの風月を助けていただいた。」
「何じゃオマエはぁ!?メイドさんやんけぇ!!」
男の1人が叫んだ。
どうやら花鳥、メイド服を着たままで外出してしまったらしい。
「ちょっとオメガマブいメイドさんやからってシカトブッコクなやボケェ〜!!」
花鳥
「・・・あの・・・私、人造人間語はちょっと・・・ごめんなさいね〜・・・」
「日本語じゃボケェ!!あんまナメた口聞いてっと、例えキュートなメイドさんでも・・・」
そう言って、男の1人が花鳥の胸ぐらをつかんだ。
バッ!
花鳥
「!!」
ゴッ!!
花鳥は男を回し倒した。
ドッ!
美希
「!!」
花鳥
「女性の胸ぐらをいきなりつかむなんて・・・無粋な人達ですね・・・」
「な!何じゃ今のは〜!!」
花鳥
「ただの如月流形意拳ですよ。護身術程度で、不意打ちぐらいにしか使えませんが。」
「クッ!!クッソ〜!!テメェ、ブッ殺してやる!!」
男の1人がナイフを取り出した。
花鳥
「あらあら、お止めになった方がいいですよ?でないと、ケガだけでは・・・済まなくなりますよ?」
男の背後に、どこからともなく花鳥直属の部下達が現れた。
ゴゴゴゴゴ・・・
「ヒィィィィィ!!」
男達はあわてて逃げて行った。
花鳥
「おケガはありませんか?」
美希
「あ・・・ありがとうございます。でも、こんな所で風月ちゃんのお母さんに会えるなんて奇遇ですね。」
花鳥
「ハハ、それもそうですね。」
美希
「あの・・・助けていただいたので、何かお礼がしたいのですが・・・」
花鳥
「う〜ん、お礼ですかぁ〜・・・(あ!そうだ!)じゃあ、私の家でメイドをやりませんか?」
美希
「え!メイドさんですか?」
花鳥
「ええ。私こんな格好してますが、本業はメイドじゃないんですよ。というか私親ですし。それにウチには2人子供がいて、私が長期不在の時どうしてるか不安なので・・・」
美希
「ハァ・・・でも、私なんかで良いんですか?」
花鳥
「ええ、あなたは娘の命の恩人ですから。さ、ウチに来てください。」
美希
「あ、はい!」
美希は花鳥と一緒に如月家に向かった。
そして・・・
帰って来た風月と暁は、驚いた。
風月
「うわ、美希さん!!」
暁
「その格好は、まさか・・・」
花鳥
「ええ、今日からウチでメイドする事になったのよ。」
美希はメイド姿で、風月の前に立っていた。
美希
「よ、よろしくお願いします!暁様、風月お嬢様。」
美希はモジモジしている。
風月
「ヤダなぁ・・・前と同じで『風月ちゃん』で良いよ!ね、暁?」
暁
「ああ・・・おぼっちゃまやお嬢様だなんて堅苦しい呼び方しなくて良いですよ。」
美希
「あ、はい!わかりました!風月ちゃん、暁君!」
こうして、花菱美希は暁と風月のメイドとなった。
余談だが、この後如月邸を出た美希が数秒後に愛歌に見つかり弱点をノートに書かれてしまった事は言うまでもないだろう・・・
次回は祝・500話目!!
暁と風月の話です!!
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