ファイル484:地獄必至!!山岳マラソン『2』
レースはスタートした。
瀬川泉『ハヤテのごとく!の方のキャラ』
「どうも、ついにレースがスタートしました。今回レースの司会は、後援している白皇学院から派遣されました、私委員長さんレッドこと瀬川泉が。そして解説には、今回レースを主催した東京都の山口さんに来て頂きました。山口さん、今回のレースについて何か一言。」
山口
「そうですね。とりあえず今回のレースはとにかく体力勝負ですからね。しかも、妨害ありですから、大変面白い・・・あ、失礼!大変厳しいレースとなるでしょうね。」
泉
「・・・まぁとにかく、それではレースの中継カメラを見てみましょう。現在の所トップを進んでいるのは、白皇学院教師チームの桂雪路選手と薫京之介選手です。う〜ん、さすが桂ちゃん。お金が絡むとスゴい執念です。」
ヘリコプターから送られてくる中継の映像を見ながら泉が言う。
雪路は、薫を引きずる形で、傾斜40度の坂を時速50キロ近い猛スピードで爆走していた。
桂雪路
「ウハハハ、賞金は私の物よ!そしてロンドン旅行は金券屋に売り飛ばす!!」
そんな事を叫びながら走っていた。
泉
「チケット売る気満々だね。」
泉が呆れながら言う。
山口
「しかし、大丈夫でしょうか。あのように前も見ているかわからない状態で爆走して山の中を走っていると・・・」
次の瞬間、雪路は崖から空中に身を投げていた。
雪路
「あれぇぇぇぇ!!!」
雪路は薫を道連れに、崖の下へと消えていった。
すかさず、救助ヘリが現場へと向かう。
泉・山口
「・・・」
しばし2人とも沈黙。
山口
「・・・言うのがちょっと遅かったみたいですね?」
泉
「ですよね。さて、気を取り直して・・・(雪路の事は脳内より消滅)現在のトップは・・・あ、ハヤ太君!じゃなくて・・・綾崎ハヤテ君と愛沢咲夜さんのコンビです。う〜ん、さすがガンダムの生まれ変わりと呼ばれるだけありますね。既に脱落報告が舞い込み始めている状況で、スピードを落とさずに進んで行きます。」
ちなみに、出場者にはそれぞれ発信機が持たされていて、カメラが追えない場所にいてもどこにいるのかわかる。
山口
「けど後ろの2チームも結構速いですね。しかも、1チームは2人に近づいて来ているようですから、攻撃を仕掛けるようですよ。」
果たしてこれからどうなるやら。
ハヤテは雪路ほどではないが、それでもスゴいスピードで進んでいた。
木々の枝と枝を伝って飛びながら彼は突き進む。
咲夜をお姫様抱っこして。
咲夜
「ちょ〜ハヤテ、ウチやっぱ恥ずかしいんやけど・・・」
咲夜は顔を真っ赤にして言う。
ハヤテ
「まぁいいじゃないですか、誰かが見ているワケでもないし。」
ハヤテが笑顔で言い返す。
咲夜
「(ハヤテ、その笑顔反則や・・・まぁええか、ハヤテと一緒におれるんなら。)」
だが、2人の甘い時間は長くは続かなかった。
ハヤテは、殺気に気づいた。
ハヤテがそれを避ける。
飛んできたその物体はハヤテの足を掠った。
ハヤテ
「くっ!!」
咲夜
「ハ、ハヤテ!!」
ハヤテは地面に降りた。
咲夜
「ハヤテ、どうしたんや?」
事態を理解できない咲夜が言う。
ハヤテ
「わかりません。突然何かが飛んできて。」
咲夜
「何やて!!一体誰や、そんな事すんのは!?」
すると、上の方から声がしてきた。
潤治
「小生の攻撃を避けるとは、さすがだね。」
2人がその声をした方に視線を向けると、枝の上に立つ2人の若い男女の姿があった。
ハヤテ
「あなた達は、越水さんに時津さん。」
そこにいたのは、前の章で大活躍した2人であった。
咲夜
「アンタら、いくら妨害して良いからって、普通そこまでするもんか?」
非人道的な行いに、咲夜が関西人として突っ込む。
七槻
「悪いね咲夜ちゃん、けどボク達は何としても勝ちたいんだ。」
咲夜
「何やて!?」
潤治
「小生達は100万円が欲しいのだよ。」
潤治がスゴいマジメな顔で答えた。
ハヤテ・咲夜
「・・・」
ハヤテ
「あの、スゴいマジメな顔して何ガメツい事言っているんですか?」
ハヤテが軽蔑の眼差しで言う。
七槻
「勘違いしないでね、100万円が欲しいのはボク達の結婚式のためなのよ。」
潤治
「そう。だから小生達は負けられない。そして、一番手っ取り早く勝つ方法は、優勝しそうなチームを倒す事なのだよ。というワケで、君達にはここで脱落してもらう。」
そう言いつつ、彼は何かを投げた。
ハヤテにもそれが何かわかった。
どうやらダーツの矢のようだ。
ハヤテ
「咲夜さん、こっちです!!」
慌てて逃げる2人。
しかし、ハヤテの動きが鈍っていた。
咲夜
「ハ、ハヤテ?まさか、さっきの攻撃で!!」
そう、ハヤテはさっきダーツが掠った時に、重傷ではなかったが足に傷を負っていたのだ。
だが、それでも攻撃をかわすハヤテ。
しかし、数分後ついに追い詰められた。
ハヤテ
「クソ!!」
咲夜
「ったく、アンタらそんなにダーツが好きなんやったら、所さんと一緒に日本列島旅して来ればええんや!!」
この瞬間に到ってもボケをかます咲夜。
もちろん、そんな事で手加減してくれるほど甘くはない。
七槻
「散々手間かけさせてくれたね。」
潤治
「これで、終わりだ!!」
潤治がダーツをハヤテに向けて投げようとした、まさにその時。
「お待ちなさい!!」
若い女性の声が響いた。
「弱きを守り、強きを挫く!我が名はメイドブラック・マックスハート!!」
「同じく、メイドブルー・マックスハート!!」
「そして、マスク・ザ・マネ−参上!!諭吉に代わっておしおきだ!!」
現れたのはメイド服にグラサンという格好の2人の若い女性と、奇妙なマスクをつけた金髪ツインテールの少女だった。
潤治・七槻
「何!!」
突然現れた3人組に驚く潤治と七槻。
一方、ハヤテと咲夜はというと。
ハヤテ
「あれ、マリアさんにハルさん、そしてお嬢様ですよね?」
咲夜
「そやな。どっからどう見ても。」
2人でコソコソと話していた。
ハヤテ
「以前もこんな事あった気がしますが、また突っ込んで良いものでしょうか?」
咲夜
「まぁとりあえずやっといたら?」
ハヤテがおずおずと前に出る。
ハヤテ
「あ、あの・・・」
3人に話を聞こうとしたが。
マリア
「マックスハートです!!」
春風千桜
「2人でキュアキュアなんです!!」
ナギ
「マスク・ザ・マネーだ!!」
3人の気迫に押し切られるハヤテ。
ハヤテ
「やっぱりダメなようです。」
咲夜
「そやな。まぁ、とにかくせっかくの好意や。ウチらは先行かせてもらお。」
しかし、ハヤテには少しばかり気が引けた。
ハヤテ
「ハァ、けど大丈夫でしょうか。あの2人は強いし。」
未練がまだあるハヤテに、咲夜が一喝する。
咲夜
「ハヤテ!!仮にもオマエの主人と仲間の使用人やろ。信じたらんかい!!」
咲夜の一言で、ハヤテも吹っ切れた。
ハヤテ
「そうですね。わかりました。では、皆さん。お願いします。」
そう言うと、ハヤテは先ほどと同じように咲夜を抱え空中へと舞上がった。
そして、その場には5人が残された。
ナギ
「がんばれ、ハヤテ。咲夜。」
マスク・ザ・マネーこと、三千院ナギは2人を見送り言った。
潤治
「なるほど、身代わりと言うわけですか。しかしいくら3人がかりでも、小生ら2人に勝てますかな?」
潤治が見下すように言った。
マリア
「ええ、もちろんですとも。こちらもそれなりに準備をしているので。」
ブラックマックスハートことマリアはそう言うと、背中から愛用の箒を出す。
そしてそれを真ん中から折った。
中から出てきたのは弓矢だった。
さらにナギは懐からペンを数本出し、構える。
最後に、ブルーマックスハートこと春風千桜はブーメランを構えた。
しかし、それを見ても潤治と七槻は悠然としていた。
七槻
「君達忘れているみたいだね。今は特殊道具は一切使えない事を。ただの道具じゃボク達には勝てない。」
しかし、まるで七槻の言葉を聞いていないかのように、3人は攻撃を開始した。
マリアが2本の矢を連続して2人に向かって撃つ。
2人はそれを飛び上がって交わすが、次の瞬間2人の表情は凍りついた。
矢は明後日の方向に飛んでいかず、まるで誘導ミサイルのように2人を追ってくる。
潤治・七槻
「そんなバカな!!」
2人は叫んだ。
だが、叫んだところでどうにもならない。
次の瞬間彼らは上手く動いて矢を木の枝に指して止めた。
マリア
「あら、外しましたわね。」
マリアがさらっと言う。
その姿に、2人は恐怖を覚える。
そしてその瞬間、七槻は見た。
マリアの弓にお札が貼られているのを。
それはマリアが伊澄からもらった、力の妨害を無効にする札だった。
七槻
「あ!汚い!!」
マリア
「お互い様ですわ。それに、私達はレース参加者ではありませんので。」
そして攻撃は続く。
ナギ
「ハァ!!」
続いて、ナギが手に持ったペンを投げる。
投げたペンは青白い光を放ちながら、凄まじいスピードで2人に迫った。
何とか2人共除けたが、掠った場所には焦げた後がついている。
潤治
「恐ろしい。」
除けた潤治が呟いた。
ナギ
「ペンは剣より強いとはまさにこの事だな。」
ナギが誤った言葉を言う。
実際の意味は言論は力に勝るという事だ。
閑話休題。
そして、トドメとばかりに千桜がブーメランを投げる。
これもまたすさまじいエネルギーを持って、まるで意思があるかのように2人に向かって来る。
だが、さすがに場数を踏んでいるだけあって、何とかそれも避けた。
潤治
「く、仕方ない。七槻ちゃん、このままつき合っていては埒があかない。ここは一端撤退だ!!」
七槻
「わかった!!」
2人は戦いを止め、その場を離れようとする。
ナギ
「あ!」
マリア
「逃がしませんよ!!」
千桜
「マリアさん、ナギさん追いましょう!!」
3人も2人を追う。
こうして、七槻と潤治はレースどころではなくなってしまった。 |