ファイル474:双子の悪しき兄、デュリオア
その日、ファミリアはテスト期間で、早めに授業が終わった。
途中で園子達と別れ、彼女は帰路に着いていた。
ファミリア
「遅くなっちゃったわ・・・早く帰らないと・・・」
そう言いながらファミリアが走っていると、前方から誰かが歩いてきた。
それは、蘭こと鈴だった。
ファミリア
「あら、蘭ちゃ・・・鈴ちゃん!今帰りなの?」
鈴は黙っている。
ファミリア
「鈴ちゃん?」
鈴は無言でカプセルを取り出した。
それは、美保が開発した秘薬だ。
鈴はそれを飲み込み蘭の姿になると、突然ファミリアに襲いかかってきた。
ブンッ!!
ファミリア
「キャッ!?」
ファミリアはよろけたが、何とか避けた。
ファミリア
「ど、どうしたの蘭ちゃん!?」
ファミリアの質問にも、蘭は答えない。
蘭
「ファミリア・・・覚悟!!」
蘭は拳を振り上げる。
ファミリア
「えぇっ!?ちょっ、ちょっと待って・・・」
蘭は無言で拳を放った。
ファミリアが避けると、さっきまで彼女がいた場所の壁が砕けた。
パラパラ・・・
ファミリア
「ウ、ウソ・・・」
ファミリアは青ざめた。
蘭
「死ねぇ!!」
蘭は再び拳を振り上げた。
ファミリア
「ヤ、ヤバ・・・」
ファミリアは一目散に逃げ出した。
蘭
「待ちなさい!!」
ファミリアは必死に逃げていた。
ファミリア
「ハァ、ハァ・・・どうしちゃったの?蘭ちゃんは・・・」
ファミリアは壁の裏に隠れると、携帯を取り出しメールを打った。
ファミリア
「新美にメールは打った・・・後は、あの子が来るまで逃げ続ければ・・・」
そんな事を言ってると、蘭が上から突っ込んできた。
蘭
「アアアアア!!」
ファミリア
「キャ、キャアアア!!」
ドシュ!!
蘭の拳が、携帯をかすった。
ファミリア
「何て威力なの・・・1発でも喰らったら終わりだわ!」
ファミリアは携帯をしまうと、蘭に突っ込んだ。
蘭
「(ニヤリ。)ハァァァァァ!!」
蘭の拳がファミリアを襲う。
ドシュ!
ファミリア
「(少しかすった・・・今だわ!!)ハァッ!!」
ファミリアは蘭の体をつかんだ。
蘭
「!!」
ファミリア
「ハァァァァァッ!!」
ファミリアは1本背おいで、蘭を投げ飛ばした。
ドォン!!
蘭は地面に落ち、気絶した。
ファミリア
「フゥ・・・間一髪・・・それにしても、どうして蘭ちゃんは・・・」
その時、遠くから何かが聞こえた。
ファミリア
「!!」
ファミリアは蘭を抱え、飛び上がった。
それと同時に、紫の光線が飛んできた。
ファミリアは蘭を壁により掛からせると、光線が飛んできた方をにらんだ。
「さすがだな・・・オレの攻撃を避けるとはな・・・」
1人の青年が、塀の上に立っていた。
ファミリア
「やっと会えたわね・・・デュリオア・ファウナ!!」
デュリオア・ファウナ
「フフフ、久しぶりだな・・・我が双子の妹、ファミリアよ・・・」
ファミリア
「私は、1度たりともあなたを兄だと思った日はないわ!蘭ちゃんに何をしたの!?」
デュリオア
「言っておくが、この娘に何かしたのはオレじゃねぇぞ?だが、オレに1撃でも当てられたら、教えてやろうじゃねぇか。」
ファミリア
「そう・・・容赦しないわよ?」
そう言うと同時に、ファミリアは飛び出した。
デュリオア
「パートナーはどうした?」
ファミリア
「いないわ。今の私は丸腰よ・・・だけど・・・呪文の力だけに頼る私ではないわ!!」
ゴッ!!
ファミリアの鉄拳を、デュリオアは鮮やかに避けた。
デュリオア
「ヒュ〜、やるね〜。さっすが我が妹。」
ファミリア
「言うなって言ってるでしょ!!あなたと同じ血が私に流れてるなんて、考えただけでも虫酸が走るわ!!」
ファミリアは念動力で鉄球を作り出すと、投げ飛ばした。
ファミリア
「ハァァァァァッ!!喰らいなさい!!」
デュリオアに飛んでいく鉄球。
しかし、彼は平然としている。
「リウミシオ!!」
ドン!!
紫の光線が上から降り、鉄球を消し去った。
ファミリア
「な!?」
デュリオア
「そうそう、オレは今パートナーを連れてるんだ。出て来いよ、ヴュノー。」
デュリオアの後ろから、小さな子供が現れた。
デュリオア
「コイツがオレのパートナー、ヴュノーだ。コイツはまだ小さくてね。オレが面倒を見てるのさ。スゴいぜ?コイツの潜在能力はよ・・・」
ヴュノー
「デュリス!!」
紫の光線が、ファミリアを襲った。
ファミリア
「クッ・・・」
デュリオア
「フフフ・・・いつまで保つかな?」
ファミリア
「ナメ・・・るなぁ!!」
ファミリアは次々と鉄球を作り、乱射した。
デュリオア
「フン、力任せで来るか。」
ヴュノー
「ヴィ・リウミシオ!!」
四方から来る鉄球を、デュリオアは易々と消し去った。
ファミリア
「チィッ・・・」
デュリオア
「正直言って、呪文使えないエスパーと呪文使えるエスパーが戦ったところで、結果は目に見えてるんだよね・・・つまらないったらありゃしないよ・・・ねぇ、ヴュノー?」
ヴュノー
「・・・」
ファミリア
「・・・さい・・・」
デュリオア
「あん?」
ファミリア
「うるさいって言ってんのよ!!『結果は見えてる』ですって?そんなのは、力におぼれた者が言う虚しいセリフよ!!私は絶対に、あなた達なんかには負けない!!」
ファミリアは力強く叫んだ。
デュリオア
「負け犬の遠吠えは虚しいだけだぜ。イヤ、ファミリアの場合負け猫か?トドメだ、ヴュノー。」
ヴュノー
「ラージア・デュリス!!」
強大な光線が降り注ぐ。
ファミリアは目を閉じかけた。
「ファミリア!手を前に!!」
ファミリア
「!!」
ババッ!!
「アム・ヴュ・イルミリオ!!」
謎の叫びと同時に、ファミリアが発動した巨大な手が光線を握りつぶした。
ポシュ!!
デュリオア
「何?」
「大丈夫?ファミリア!!」
ファミリアのパートナー、新美が現れた。
その後ろには、真希もいる。
ファミリア
「新美・・・マスターも・・・」
真希
「これで3VS2。私達の方が有利よ。さぁ、続行しましょうか?」
真希が言った。
デュリオア
「イヤ、もういいや。満足したし、オレら帰るぜ。」
新美
「ハァ!?帰る!?」
ファミリア
「待ちなさい!あなた達にはまだ聞きたい事が・・・」
デュリオア
「その事なら、教えてやるよ。あの娘に洗脳をかけたのは、10人の悪魔の内の1人サイクロプスだ!」
ファミリア
「サイクロプス・・・」
真希
「神話に出てくる、射撃の名手と言われる1つ目の魔物・・・」
デュリオア
「そだよ、よく知ってるじゃんか。とまぁ、ソイツが犯人なワケよ。今回あの娘がファミリアを襲った原因を作ったヤツさ。」
新美
「言っておくけど、私があなたを逃がすつもりはないわ。ここで捕まえ、警察に引き渡す!!」
デュリオア
「悪いけど、オレ達はもう帰るよ。手土産を持ってね。」
そう言うと、デュリオアは下に降り、元の姿に戻った鈴を背中に抱えた。
デュリオア
「これからは気をつけた方が良いよ。特に、江戸川コナンと灰原哀の周りにはね・・・」
そう言うと、デュリオアとヴュノーは鈴を連れてどこかへと消えた。
真希
「コナン君と、哀ちゃんの周り・・・?」
真希達は、しばらく立ちつくしていた・・・ |