挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
俺と花畑 作者:あーもんどツリー
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

4/8

ガーデンと呼ばれるこの世界に

その日は奇しくも雨模様。
水嵩(みずかさ)の増した川、過度に潤いぬかるんだ土壌(どじょう)、時々遠くで(うな)(いかずち)・・・。
「あのさぁカッキー。《プエラ》さんってなんで《プエラ》さんなんだ?」
「《プエラ》さん、本当は(くず)なの。その名で呼ばれるのがあまり好きじゃないから、学名の《プエラリア・ロバタ》を縮めて《プエラ》さんって、皆呼んでる」
へぇ。プエラリア・ロバタだからプエラさんか。
確かにくずと呼ばれて喜ぶ人はあまりいないよな。
と、村の入口の辺りが騒がしくなってきた。
何だろう、と思っていると誰かが叫んだ。
「気を付けろォ!!川が決壊したぁぁあ!!」
どよめきと同時に村人の群れは流れ始めた。
「皆どこへ動いてる!?」
「穴を(ふさ)ぐために川へッ!!」
人の流れはやがて広がり、足下には川から出ただろう水が激しく絡みついてきた。
「何で人で塞ぐ!?」
「資材がないのッッ!!」
何てこった。
そうこう言っている間にも川の水は村の中へ流れ込んでいく。
『手を取れえぇぇぇ!!』
『肩組めぇぇぇぇ!!』
『【(つた)の道】を護れぇぇぇぇぇ!!!』
蔦?
一体何を・・・、と疑問に思った瞬間だった。

「来たぞぉぉぉぉぉぉぉぉッッ!!!」

目の前すれすれを緑が駆け抜けた。
視界を埋め尽くすその緑は、他ならぬ蔦だった。
とても巨大な、(くず)(つた)

「《プエラ》さん・・・!!」

杜若(かきつばた)の視界の先、(はる)か遠くに一つの人影。
アレが、と一種の感動さえ覚えた。

不思議な蔦を繰り出したその人こそ、杜若が奇声を発するほど待ちわびた、村のスター。
村の皆が憧れる、ホープかつヒーロー。

プエラリア・ロバタ。《プエラ》さんだった。



川の決壊はその後、プエラさんの(つた)によって埋められた。蔦すごい。

落ち着いてからは本当に凄かった。
プエラさんと話したいファンたちがこぞって列を成し、最早お祭り状態。
村はその日中、異常なまでの活気に満ちたのだった。



(くず)【花言葉:活力】
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ