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執事!
それは仕える者・・・
執事!!
それは(かしず)く者・・・
執事!!!
それは主の生活全てをサポートする、フォーマルな守護者・・・
そう!
これは1人の少女のため・・・
命をかけて戦う1人の少年の、超コンバットバトルストーリーなのである!!
だが・・・
今回、そのメインヒロインであるお嬢様の三千院凪(さんぜんいんナギ)と、彼女のメイドであるマリアは出ない。
なぜなら・・・
今回の主人公は、生徒会3人娘の1人、朝風(あさかぜ)理沙(りさ)だからである!!
では、本編へどうぞ!!
1人の巫女と不思議な力
作:ユーリ


彼女の名前は朝風(あさかぜ)理沙(りさ)

私立白皇学院に通う、ごく普通の女子高生だ。

理沙の実家は、少しは有名な神社である。

要するに、彼女は巫女さんなのだ。

ただし、理沙には鷺之宮伊澄のような能力はない。

彼女は、お祓いの類で精一杯なのだ。

で、今日理沙は何をしているのかというと、休みで1日中ヒマなので、実家の手伝いをしていたのである。



朝風(あさかぜ)理沙(りさ)
「フゥ・・・実家の手伝いも疲れるな・・・」

理沙は今、巫女服姿で神社の庭を掃除していた。

理沙
「しかし、実家の手伝いは楽しい。それに比べて白皇学院の生徒会の仕事は大変だ。ヒナは人使いが荒いからな・・・」

このヒナというのは、生徒会長の桂ヒナギクの事である。

「いつもそういう風に生徒会の仕事をしてくれればいいのに・・・」

理沙
「どわぁぁぁぁぁっ!!?」

理沙は驚いて振り向いた。

「と、生徒会長が言ってましたが・・・」

理沙
「なんだ、伊澄さんか・・・」

そう、彼女がさっき説明した鷺之宮伊澄。

悪霊を除霊する能力を持った、スゴい少女だ。

方向音痴(しかも途中で目的地を忘れる)なのがタマにキズだが・・・

理沙
「しかし、今日は来るのが随分早いな?いつもならもう少し遅かったが・・・」

鷺之宮(さぎのみや)伊澄(いすみ)
「今日ここに来る途中で彼女に会ったので、ここまで案内してもらいました。」

理沙
「彼女?」

「初めまして、ソニア・シャフルナーズです。」

理沙
「あ、どうも・・・」

彼女の名前はソニア・シャフルナーズ。

テロリストを船に侵入させたり、父の仇として三千院家に復讐しようとしたシスターだ。

ちなみに今は改心しており、三千院家の執事ともたまに交流している(麻雀でだが)。

理沙
「で、シスターがなぜここに?」

ソニア・シャフルナーズ
「ああ、それは・・・彼女からクラスメートがこの神社にいると聞いたもので、挨拶に来ようかと・・・」

理沙
「ヒナか?」

ソニア
「そうですよ。」

理沙
「ならちょうどいい。君達もちょっと手伝ってくれたまえ。」

伊澄・ソニア
「?」





数分後、そこには理沙と同じく巫女服に身を包んだ伊澄とソニアの姿があった。

伊澄
「こんな姿ハヤテ様に見られたら、恥ずかしい・・・」

伊澄は下を向いている。

ソニア
「ヘェ・・・これが巫女服かぁ・・・」

それに比べて、ソニアは落ち着いている。

理沙
「どうしたのだ?」

ソニア
「実はこの前、ハヤテ君の執事復帰のための指導で電車に乗っていた時、ナイフをちらつかせる不審者を退治したんですよ。その時、その男が『オレは巫女さんの方が萌える』と言っていたので、どんな服なのか気になっていたんですよ。」

理沙
「ホゥ・・・マニアな表現をするヤツがいたものだな・・・とりあえず、庭掃除を手伝ってくれたまえ。」

伊澄
「はい。」

ソニア
「了解です。」





理沙
「フゥ・・・」

理沙がホウキでせっせと庭をはいていると、目の前に怪しげな男が2人現れた。

ザッ!

理沙
「?」

「お嬢ちゃん、オレ達ちょっと道に迷っちまってさぁ。」

「ちょっと道案内してくれないか?」

理沙はこの2人の発言に、いささか疑問を感じた。

理沙
「なぜ私に道を聞く?この神社に来る途中にもたくさん人はいただろう?」

「(鋭いお嬢ちゃんっすね、兄貴・・・)」

「(このお嬢ちゃんを狙おうとしてる事、バレてるんじゃないだろうな?)」

そう、この男達は以前三千院ナギを誘拐して綾崎ハヤテに倒され、ワタルをさらうつもりでサキを誘拐したがソニアに倒された、あの誘拐犯2人組である。

理沙
「まったく・・・用がないなら私は向こうに行くぞ?仕事が忙しいのでな。」

そう言って、理沙は向こうに行こうとした。

「チッ、こうなったら仕方がねぇ!!」

理沙
「え?」

「力ずくでも一緒に来てもらうぜ!!」

そう言って、2人組は理沙の腕をつかんだ。

ガシッ!

この時ようやく理沙は悟った。

この2人組は悪者だと・・・

理沙
「ちょっ、キャッ・・・」

ソニア
「何してるんですか、あなた達は!!」

ザッ!

「!!」

ソニア
「あら?あなた達は確か・・・」

「チッ!!」

2人組は急に走り出した。

ソニア
「大丈夫ですか?理沙さん。」

理沙
「あ、ああ・・・」

伊澄
「どうしたんですか?」

タタタ・・・

ソニア
「今、2人組の不審者が・・・」

伊澄
「不審者?」

理沙
「あ、そういえば忘れていた・・・」

伊澄
「何をですか?」

理沙
「今日、後数秒で泉と美希がここに来るのを・・・」

伊澄
「え?」

ソニア
「そういえば、私も忘れてました・・・」

伊澄
「何をですか?」

ソニア
「あの2人組、以前ワタル君をさらおうとしてサキさんを誘拐した誘拐犯達ですよ。」

伊澄
「・・・」

しばしの沈黙。

次の瞬間、伊澄の怒りが爆発した。

伊澄
「どうして、そういう事を先に言わないんですかーっ!!!」

理沙
「ス、スマーン!!」

ソニア
「ゴ、ゴメンナサーイ!!」

伊澄
「という事は、今頃泉さんと美希さんは・・・」

「キャ〜ッ!!!」

ソニア
「なんですか、この悲鳴は!?」

理沙
「この悲鳴は、美希だ!!」

お決まりの展開である。

伊澄
「急ぎましょう!!」





タタタ・・・

理沙
「泉!!」

瀬川(せがわ)(いずみ)
「あ、理沙ちん!伊澄ちゃんも!それともう1人・・・誰?」

ソニア
「シスターをしているソニア・シャフルナーズです。」


「じゃあソニアちゃんだね♪って、そんな事言ってる場合じゃないよ!!美希ちゃんが変な2人組にさらわれたの!!」

理沙
「アチャー、やっぱりそうか・・・」

ソニア
「あそこで倒しておけばよかったですね・・・」

伊澄
「とりあえず、泉さんは警察に電話を!!」


「わかったよ!でも理沙ちん達は!?」

理沙
「私達は今から2人組を追いかける!美希がさらわれたのは私達のせいだからな。」


「でも、あの人達車使ってるんだよ!?どうやって追いつくのよ!?」

理沙
「そ、そうか・・・」

ソニア
「大丈夫ですよ。」

ピポパポピピピ・・・

パチン!

ソニア
「今ハヤテ君に私達の現在地をメールで伝えました。彼ならすぐに来てくれますよ。」

理沙
「そうか。美希、待ってろ!必ず助けに行くからな!!」





ブォォォォォ・・・

美希は今、2人組の車の中に監禁されている。

美希は手足をキツくロープで縛り上げられ、後部座席に座らされていた。

花菱(はなびし)美希(みき)
「オマエ達、どういうつもりだ!私を誘拐したりなんかして!!子供を誘拐したら重い罪になるという事は、知ってるのか!?」

「知ってるさ。現にオレ達はすでに2回も誘拐をしてるからな!!」

原作ではナギとワタル(実際はサキ)で2回誘拐をやってます。

美希
「フン、バカ共が・・・私を誰だと思っている!内閣総理大臣経験者の孫娘、花菱美希だぞ!!こういう事をするからには、それなりの覚悟を・・・」

「ヘェ・・・オマエ、政治家の娘か・・・」

美希
「そうだが、なんだ?」

「今日はついてるぞ、弟よ!今まで金持ちのお嬢様を誘拐して執事に倒されたり、ガキを誘拐しようとしてメイドさんを誘拐してシスターに倒されたりと運がなかったが、今回はついてる!今回はか弱そうな娘の上に、誰も邪魔するヤツがいねぇ!!」

「だよな兄貴!一緒にいたヤツだってか弱くて、何の役にも立ちゃしねぇ!!」

美希
「(執事というのは、ハヤ太君の事だな・・・)泉をバカにするな!!」

「あー?」

美希
「それに、まだ私には理沙がいる!それにオマエ達を一度負かしたその執事とも知り合いだ!!彼らが来たら、オマエ達なんかあっという間に倒されるだろうよ!!」

「うるさい小娘だな!!おい、弟!ソイツの口を塞いでおけ!!」

「わかった。」

ビーッ!

美希
「あ、何をする・・・むぐ〜っ!!」

ペタッ!

美希は口にガムテープを貼りつけられた。

美希
「ん〜、ん〜!!」

「やはり、手足を縛っただけではしゃべるからうるさいな・・・」

「これで少しは静かになったな。」

美希
「ん〜、ん〜・・・(クソォ・・・口を塞がれてしまった・・・これじゃあ声が出せない・・・私、今大ピンチだなぁ・・・こんな時、ヒナならどうするんだろう?そういえば、ハヤ太君がナギちゃんのお弁当を届けに来た時、ヒナと話をしてるのを見たなぁ・・・確か、『言ってくれれば助けに行く』と言っていたっけ・・・あれって、誰に対してもそうなのだろうか?うん、そうだろうな。私が助けを呼べば、ハヤ太君も来てくれるだろう・・・だが今私は口が塞がっている・・・それなら、心の声で叫ぶまでだ・・・頼む、私を助けてくれ・・・ハヤ太君、理沙・・・)」





その頃、ハヤテは理沙達のところにたどり着いていた。

ちなみに泉は警察に向かっている。

綾崎(あやさき)(ハヤテ)
「じゃあボクは今から花菱さんを助けに行きますが・・・朝風さん、伊澄さん、シスター。ついて来ますか?」

理沙
「もちろんだ。」

ソニア
「彼女がさらわれたのは私達のせいですから・・・」

伊澄
「ではハヤテ様、行きましょうか。」

ハヤテ
「ええ。では伊澄さん、背中に。」

伊澄はハヤテの背中に乗った。

ハヤテ
「では、朝風さん達も・・・」

そう言うと、ハヤテは理沙とソニアを抱きかかえた。

ガシッ!

理沙
「ちょっ・・・」

ソニア
「ハヤテ君!?」

ハヤテ
「今から自転車で追いかけたのでは、追いつくのは難しいです。ですから・・・空を飛んでいきます。」

理沙
「え?」

ソニア
「ハヤテ君、今何て・・・」

ハヤテ
「しっかり捕まっててくださいね!疾風(ハヤテ)の・・・ごとく!!!」

ドンッ!!

ハヤテは空中に飛び出した。

理沙
「う、うわぁぁぁ〜っ!?」

ソニア
「キ、キャアアア〜ッ!?」





今ハヤテは、空を飛んでいる。

ソニア
「スゴいスゴいハヤテ君!空を飛んでますよ!」

理沙
「ものスゴいスピードを出せる必殺技だと以前泉から聞いていたが、まさか空を飛ぶ事もできるとはな・・・」

伊澄
「いつの間にこれだけの進歩を・・・」

ハヤテ
「ええ、その手のプロに教わったんですよ。最初は空中制御も難しかったんですけどね。」

ハヤテに空の飛び方を教えた人物というのは、以前教会でハヤテや伊澄が出会った幽霊神父、リィン・レジオスターの事である。

リィン・レジオスター
「(うまく使えているようだな。)」

ハヤテ
「(ええ、おかげさまで。)」

リィン
「(君は覚えが早い。ここまで早く使いこなせたのは君が初めてだ。)」

ハヤテ
「(そうですか。ところで、犯人達の車は見つかりましたか?)」

リィン
「(ああ、今南西の方角を逃走中のようだ。)」

ハヤテ
「(わかりました。)飛ばしますよ!!」

ハヤテはさらにスピードを上げた。

ドギャン!!





「ハハハ、今日はラッキーデーだぜ!こうも楽に誘拐できるとはな!!」

「本当だな、兄貴!!」

美希
「ん〜、ん〜・・・」

ギュオオオオ・・・

「ん?何だ?」

「何の音だ?」

美希
「?」

美希が横の窓から顔を出して上を見てみると、空を飛んでいるハヤテの姿が見えた。

美希
「んん!?(ハ、ハヤ太君!?空を飛んでるの!!?)」

ハヤテ
「車の前のボンネットに何かを突き刺せば、動きを止められそうですね。」

ソニア
「なら、ここは私に任せてください、ハヤテ君。」

そう言ってどこからともなく巨大な十字架を出したソニアは、車のボンネットめがけて放り投げた。

ドガッ!!

「うぉぉぉぉぉーっ!?」

「あ、兄貴ーっ!!」

美希
「ん〜!!」

車は急停車した。





急停止した車に、ハヤテ達が追いついた。

ハヤテ
「さぁ、もう逃げられませんよ!!」

ソニア
「美希さんを放しなさい!!」

「フン、そうはいくかよ・・・」

そう言うと、2人組は美希を腕に抱え、ナイフを突きつけた。

ギラッ!!

美希
「んんっ!!」

「このお嬢ちゃんにケガさせたくなかったら、そこを退きな。」

ハヤテ・ソニア
「くっ・・・」

伊澄
「手が出せません・・・」

理沙
「(親友の美希が大ピンチだというのに、私には何もできないのか・・・!?頼む、神様・・・美希を助ける力を、この私に与えてくれ!!!)」

その時、ナイフが犯人の手を離れ、1人の頬をかすった。

「がっ!?」

美希はそのスキをつき、もう1人に体当たりをした。

ドンッ!!

「ぐっ!!」

美希はハヤテ達の元に駆け出した。

タタタ・・・

ハヤテは素早く美希を抱え、犯人達から引き離した。

ハヤテ
「もう人質はありませんよ!」

ソニア・伊澄
「観念しなさい!!」

「ク、クソォ・・・!!」

こうして、犯人達は逮捕された。

その後・・・





美希
「助かったよ、みんな。」

ハヤテ
「いえいえ、困った時はお互い様ですから。」

ソニア
「それにしても理沙さん、スゴかったですね!」

理沙
「え?」

ハヤテ
「ナイフを念動力(サイコキネシス)で動かすなんて・・・」

理沙
「そ、そうだな、アハハ・・・(私はこれからもこの力で、親友達を守っていくんだ。ありがとう、神様・・・)」

もちろん、理沙に念動力を授けたのは、神様などではない。

理沙に念動力を授けたその人物は、ハヤテの横で人知れずクスリと笑っていた・・・




ここまで読んでくれてありがとうございました。
理沙に念動力を授けたのは誰なのか?
この話を最後まで読んだ皆さんは、気づいたかと思います。
良ければ感想もくださいね。













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