光る眼
そういや、こんな話があるっていうこと、聞いたことあるか。
俺の友達からの話なんだが、ある山を車で走っていた時のこと。
山頂のところにある遊園地で別の友人と一緒に遊んでいたから、すっかり暗くなってしまったそうなんだ。
それで、車でずっと下っていたそうなんだ。
周りは森で、その日は昼間からどんよりとした曇り空で、そのまま夜までいってしまったんだ。
だから、星はおろか、月も見えないという状況だったらしい。
そこで、道なりにずっと下っていたら、一直線の場所に出たらしい。
で、問題のやつが現れた。
目を爛々と輝かせ、その背丈は熊よりも大きく、また、その牙はマンモスを彷彿とさせるような、鋭く大きいものだったらしい。
命の危険すら感じた友達だったんだが、車のクラクションをけたたましく鳴らし続けたら、道の端によってくれたそうなんだ。
そのまま行こうとしたら、急にドンと車が動かなくなった。
それは、やつが牙を車のタイヤに突き刺したことで、車が止まったことが原因だったらしい。
だけど、その時には降りることなんか考えず、ただ、ギアを入れ替えてみたり、坂道発進をしてみたり、いろいろと試していたらしい。
その時、ミラーに映ったやつの顔をまともに見たらしい。
その毛深い体についた眼からは、赤い色をした液体が流れていたそうだ。
その液体は、車の天井にへばりつくと、白い気体へと鉄を変えていったらしい。
ここまでくると、どうしようもない。
外に行っても殺されるし、中にいても死ぬだけだ。
だけど、運がいいことに、そこに助けが現れた。
対向車が、クラクションを鳴らしながら突っ込んできたんだ。
それを見て、やつは逃げて行ったらしいが、対向車の運転手があわてて降りるように手で指示をされたらしい。
それで、荷物を道路に放り出してから本人らも降りると、車の上半分が、酸で完全に腐食していたそうだ。
やつは今も、その森の中のどこかにいるらしい。
夜の道、一直線で見通しがいいところにいる熊より大きいものを見たら、そのまま回り道しろってさ。
友人がその話の最後に行ってたセリフさ。