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天使が正義でなきゃいけないと誰が決めた? 作者:上七川春木
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1 誕生、そしてムリゲー突入

初めまして、上七川春木(かんながわはるき)です。
私の作品に興味を持って下さりありがとうございます。
処女作で、後先考えず気の赴くままに書いている作品なので、至らない場所や設定の不備、おかしな表現、誤字脱字等あるかと思いますが、よろしくお願いします。それらの場所を教えて下されば泣いて喜びます。
感想や意見などでもくだされば泣いて喜びます。
それでは、よろしくお願いします。
 目を覚ますとそこは森だった。

 不思議な森。天を突くような、枝木のない円柱そのもののような高い木が周囲に生えそろい、空は多くの葉で覆われ蓋されている。
 だというのに全く暗くない。それは周りにある光のせいだろう。周りを埋め尽くすような数のバスケットボール大の光の球体が、ふわふわといくつも宙に浮かんでいる。
 それと同時に小石のような大きさの光の粒が、目に優しそうな寒色や暖色の様々な色の光の粒が、そこらじゅうを曲線を描いてゆっくりと飛びまわっている。

 そこまで見ると僕は横たわっている自分の体を起こそうとした、が。

 起き上がれない。

 というか、起き上がるときに地面につくための手と腕がない。

 そして、地に立ち踏み締めるための足と脚がない。

 なぜか顔もそこには存在していなかった。

 自分自身の姿を自分で簡単に見ることができる違和感は、そのときは考えることな出来なかった。出来るわけがなかった。
 なぜなら自分の姿を目でとらえると、そんな些細なことは吹き飛んでしまったから。いや、そもそも目なんてものは今の自分には無かったが。

 そんなわけがないと否定しようとするが、分かってしまった。
 なぜかは分からないがそれが自分であると否応なしに理解してしまう。

 僕は周囲と同じバスケットボール大の光の玉になっていた。


 ええぇ…… どうしよ、これ……


   ◇◇◇


 ここの森に来る前の記憶は電車に轢かれそうになったところで途切れている。いや、たぶん轢かれているだろう。あの状態から自分が電車を避けれたとはまるで思えない。

 何で轢かれてしまったのやら……

 いやいや、理由は分かる。自分がどうしてそこを歩いていたかは忘れてしまったが、なんで電車の前に躍り出るような真似をしてしまったのかはよく覚えている。
 自分がハマっているオンラインゲーム、そのセカンドキャラのスキル構成考えていたんだなこれが。ファーストキャラが戦士職だったから魔法職にしようと決めていた。魔法職は戦士職よりも選択の幅が大きかったから、それも踏まえて考えに没頭してしまった。

 こんな癖とっととどうにかしていればよかった。今となってはその考えたものもパーだ。こんな体ではコントローラーはおろかキーボードすら叩けまい。僕のゲームたちよ、必死に育てた僕のキャラたちよ、さらばだ。

 あ、なんか泣けてきた。こんな体で涙なんか出るわけがないが、……出ないよね?

 夢ならばどれほどよかっただろう。しかし、自分の本能とでもいうべきところがガンガンと、これは現実だと喚いている。

 少し現実逃避をしてしまったが、そろそろ現状を把握すべきだろう。これは転生というやつか? だとしたらこの体は何だ? 目が見えたり音が聞こえることはひとまずよかったとして、まさか実態がないとは……

 これが転生だとわかるのは、前にネット小説を読み漁っていたおかげか。まさか自分のオタク趣味にこんなところで感謝することになるとは、人生というものはよくわからないものだ。今の状態が人生などというものに、場外ホームランを打った時の打者とボールのようにかけ離れているのはともかくとして。

 さてどうするべきか、と僕が考えたところで、ピロンッと軽快な音と共に目の前に光の膜のようなものが表れた。こんな状態ではどこが目の前なのか分かったものじゃないが、そこは置いておく。

 そこにはこんなものが書かれていた。


=======================================

名前:古代の光球(エルダースフィア)
種族:古代の光球(エルダースフィア)
クラス:最下級天使
属性:第一属性「中立:0」(最小値を0、最大値を1000とする)
    第二属性「聖:100」(最小値を―1000、最大値を1000とする)

アビリティ(Lv 1/10)
  最下級天使[Lv 1/5]

称号
  なし

=======================================


 おそらくこれはステータスというものなのだろう。なんでステータスというものがあるのかは突っ込まない。そういうものなのだろうと取り敢えず納得するとし、現状把握がしやすくなって嬉しいだけだ。

 というか、雑魚い。

 すさまじいまでの雑魚。

 ちょっと小突かれただけで死にそうである。
 属性とかよくわからないものがあるが、それは追々調べるとして……

 天使?

 天使なの?

 まじで?

 え? 普通こういう転生モノでは転生体がモンスター枠だった場合、それこそゴブリンとか、スライムとか、ドラゴン、悪魔などのいわゆるダークヒーローのような立ち位置のものではないのか?
 天使なの? なんか僕の思っていた転生モノと違う。しかもアビリティの枠、最下級天使[Lv 1/5]だけだし。転生者特典とかないのか?

 ナニコレムリゲー。

 よく見たら名前とか種族名そのままだし。そういえばよく考えたら僕自分の名前覚えてないや。ちょっと寂しいけどしょうがないか、来世まで名前引きずってもいいことなさそうだし。

 どうしよう。

 いきなり詰んでる。この強さじゃレベル上げすらもままならない。

 そして、レベル上げしたとしてもアビリティの総合レベルと思われるものが(Lv 1/10)。
 上限がたったの10。

 どうしろというのか。

 …………………………………

 ……………………

 ………

 ……どうもしないでいいや。

 とりあえずここら辺をふよふよと散歩してみることにしよう、と淡く光る木々の間を、同じく漂う同族の光球たちを避けながら流れていくのだった。



 つまるところ、現実逃避である。


作品を読んで下さりありがとうございます。
作品の不備や誤字脱字の指摘、感想意見などいつでも募集しています。
書いて下されば泣いて喜びます。

もしよろしければ、次の話もよろしくお願いします。

※誤字訂正を行いました
円柱そのもののような高い気が周囲に生えそろい

円柱そのもののような高い木が周囲に生えそろい
+注意+
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