面接
とある企業の入社試験。一室に通された青年に、面接官が机の上に置かれた箱を指差して言った。
「私はあなたの問いに、『はい』か『いいえ』としか答えません。三回まで質問を許しますので、箱の中身を当ててください」
面接官の説明を聞き終わり、
「箱の中身は黄色いテニスボールです」
と、青年は面接官に一切質問する事なく、箱の中身を答えた。正解を聞くまでもなく、箱の中身は黄色いテニスボールであるのを青年は知っていた。何故なら、青年は超能力者であり、透視能力を使い、箱の中を見たのだ。
自信ありげに答えた青年に、初めは驚いていた様子の面接官がため息混じりに言った。
「どうやって箱の中身を当てたのかはわかりませんし、答えは正解ですが、面接の本来の意図と違うので、今回は残念ですが…」