自分の誕生日を好きな人が覚えていてくれたら。祝ってくれたら。
それは誰もが嬉しいだろう。
ドキドキして止まないだろう。
私の誕生日、彼は来てくれた。
一緒に住んでいる老人にしか教えてないことなのに、彼は知っていた。
どうせ彼が教えたんだろうと少し残念な気がしたけれど、私は嬉しかった。
沈んだ気持ちより、弾んだ気持ちのほうが勝ったようだ。
その日は運良く快晴で、澄み渡る青空の中彼は私の家までプレゼントを持ってきてくれた。
どんなくだらない物でも好きな人にもらうプレゼントは大切な宝物になった。
ちなみに彼がくれたのは推理小説。
別に興味もなかったけれど、嫌いでもないので素直に「ありがとう」と言った。
素直に感想を言う前は心がとっても澄み切っていたのに、言った途端少し曇った。
だって彼は正直に感想を言ったのだから。
「灰原が素直になるのは少し気持ち悪ィな」
って。
そこまで言われると少し傷つく。
私は素直に言っただけなのに。
一緒に住んでいる彼からは手袋。
冬、私が「手袋がない」と騒いでいたのを覚えていてくれたらしい。
素直にありがとうと言った。
私たちは空が青から藍に変わるまでドンちゃん騒ぎをした。
素直になっても楽しい、と言うことが改めて分かった。
楽しかった。純粋に、心から言える。
『いつまでもこの日が続くといい』
My birthday.
次は、あなたの番です。 |