「なぁ、竹中?俺が総員突撃の命令出してから、何日たった?」
「そうだな・・二日ぐらいたったかな」
「そうか、十八部隊もだいぶ減ったな」
「あぁ、おそらく次の襲撃は防げるかどうか・・」
あれから、二日たった。今は敵の攻撃も止み
ひと時の休息を得ていた。
しかし、休息とは言っも、怪我人の治療に俺は走り回されていた。
「衛生兵頼む!こいつを診てやってくれ」
「わかりました。そこに寝かせといてください」
俺は、急いで向かった。しかし、これはひどい
「おぃ、衛生兵・・俺は・死ぬのか?」
「えぇ、おそらく。だけどまだダメですよ
今死んだら、自分のために死ぬことになりますよ」
「お前も、中隊長に似てるな。俺もまだ死ぬ訳には
いかないな」
「よし、応急処置終わりました」
「ありがとう、衛生兵・・」
死んだ・・当たり前だ頭をやられてた。
処置のしようがない。
横では、こいつを運んできたやつが泣いていた。
くそっ俺はこの部隊が嫌いだ。
この部隊に配属されて二ヵ月いつも無茶苦茶な戦いをしやがる。
本当に、こんな奴等が東京中央二部訓練学校を卒業できたのか謎だ
だが、戦績は確かにすごかった三ヵ月前の宗谷湾防衛戦の時は
十八部隊のみで一週間耐え、援軍が来た時には
戦艦を撤退までさせたらしい。
その後、帯広の
「おい、敵だ。戦闘配置」
無線で戦闘配置の連絡がきた
「敵はファイブ・マンセル(五人一組) 武器はハンドガンとライフル
おそらく偵察に来ただけだろう」
「後ろのやつ炸裂弾を持っているぞ」
「いや、照明弾かもしれない」
「どちらにしても、あれを投げられたら厄介だな」
この暗闇の中、部隊全員が敵を確認していた。
俺には暗くて何も見えないというのに、
そんな中、中隊長は、
「簡単なことだ。あいつを先に倒せばいいのさ」
そこで、スリー・マンセル(三人一組)のチームが編成され敵に向かっていった。
しばらく、音が無くなったかのように沈黙が続いた。
しかし
人の断末魔と一発の銃声が札幌市街に鳴り響いた。
「衛生兵、至急来てくれ 竹中さんが撃たれた。」
一本の無線が入った、
「どこを撃たれたのですか?場所を教えてください」
「左の腰のあたりを撃たれた、弾は貫通している」
「わかりました。損傷個所をしっかり押さえといてください」
「了解、それとロシア語がわかるやつも来てくれ
一人生け捕りにした。」
「まぁ 衛生兵の護衛も必要だし、誰かロシア語が分かるやつはいないか?」
まわりの兵士たちは
「語学研究してたのって、中隊長と竹中さんだけだろ」
まじかよ、よりによって中隊長かよ、
「いぇ、自分もロシア語しゃべれるんで大丈夫です」
「いゃ、護衛は、必ずいるからな、俺が行くよ」
「そんな、中隊長がここを離れたらここの統率は誰が取るんですか?」
「関根がいる、隊長 俺 竹中がいなくなったら関根がやることになってるからな
ほら、ぐずぐずするな、行くぞ」
「は、はぃ!」
竹中さんは、それほど大した怪我ではなかった。
「竹中さん一応、縫いはしましたがいつほどけてもおかしくありませんので
注意してください すみません、医療器具がもう少なくて、これしかできません」
「いや、これで十分だ。ありがとう」
「処置は終わったか」
中隊長の声だ、
「はい、今終わりました。」
「じゃ、このロシア人も治療してやってくれ」
「どうしてですか 敵ですよ
ただでさえ医療器具が少ないのに」
「敵以前に怪我人だ診てやってくれ」
訳がわかんない、どうして敵なんかを
しかし、敵の怪我には銃痕が無かった
「竹中さん、また銃を使わなかったんですか?」
「当たり前だ、敵は俺達の場所を知らないのになぜ銃声をあげて
場所を教える必要がある ナイフで十分だ」
「そんな、無茶をするから撃たれるんですよ」
「だが、そんな傷もすぐに治してくれる、いい衛生兵がいる」
いい衛生兵か・・今までほかの部隊ではそんなこと言われなかったな
そんな中、生け捕りにしたロシア人が
「衛生兵、すまないが胸に刺さってる金具を取ってくれないか?」
「なんだ、日本語喋れるのか」
そう言いながら胸に深く刺さっている金具を取ろうとした。
「よせ、そいつを外すな!!」
中隊長が叫んでいたが、遅かった
しまった、安全ピンだっ 細工していやがった
なるべく遠くに離れなきゃ・・くそ、足がもつれて
気がつくとロシア人がいた場所には、焼き焦げた跡しかなかった。
そして、中隊長がおれの前に横たわっていた
「中隊長!!どうして、何で俺なんかを?」
とにかく止血だ、出血が激しい
「誰か、損傷個所を押さえていてください誰か!!」
誰もいないのか、違うなにかがおかしい
そうか、俺は耳をやられたんだ。音が聞こえない・・
すぐに竹中さんがやってきた。
なにかを叫んでる、でも何も聞こえない一体どうすれば、
このままだと中隊長が、死んでしまう。
中隊長がおれの腕をつかみ何かをしている。
なんだ、手信号か?
俺には読めない
竹中さんは、耳が聞こえないのを理解したのか
出血しているところ抑えてくれた。
しかし、損傷が激しいこれではもぅ・・
「竹中さん中隊長に話しかけててください」
竹中さんは、わかったと首を縦に振った。
とりあえず、縫合は終了した。
しかし、傷は深くそれに 中隊長は左目と左腕を失ってしまった。
あとは、最後を見届けるしかなかった。
あれ?音が聞こえる、どうやら一時的なものだったらしい
「なぁ、竹中?俺が総員突撃の命令出してから、何日たった?」
「そうだな・・二日ぐらいたったかな」
「そうか、十八部隊も初めの頃に比べたらだいぶ減ったな」
「あぁ、おそらく次の襲撃は防げるかどうか・・」
「たしかにな、まぁ何とかなるだろう」
その時、俺はどうしても感情を抑えきれなかった
「中隊長どうして俺なんかを助けたんですか」
「なんだ、聞こえるようになったのか
仲間だからに決まってるだろ。
それにお前が生き残ればまた、けが人が出ても大丈夫だろ」
俺が、こんなに感情的になるだなんて知らなかった。
「だけど、自分はけが人を治した数より目の前で何も出来ずに死んでいった
兵士の方が多いんですよ」
「それはそいつらの運命だったんだよ。それにお前には感謝しているさ
俺が見届けてやれなかったそいつらの死に際を見届けてくれたんだ ありがとう」
「それは、衛生兵として当たり前のことです」
中隊長の反応がだんだん鈍くなってきた。
「だんだん、眠くなってきたな」
「中隊長!!ダメです」
「おいおい 泣くんじゃねーよ 帯広での戦いのときも
お前泣いてたよな」
「あの時のあれは、不可抗力です」
「竹中、あとは頼んだぞ関根と一緒に頑張ってくれ」
「わかった 任せといてくれ」
それを聞いた後、中隊長は自分の銃AK-47を右手に抱き
静かに目を閉じた。俺が中隊長の横で泣き叫ぶ中・・
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