#4
スターバックスで三人の女の子に向き合う小見尋のスタイル。樹理のコーディネート。
黒いタートルネックのセーターには、胸と上腕の位置を白と黄色のストライプ帯が横切っている。バイクのライダースーツをイメージさせるデザインだ。ボトムはグレーのデニムパンツ。靴はジャックパーセル。
髪型は、普段なら前髪を下ろしているのだが、今日は樹理が出かける前にいつもと違う髪形にセットしてくれた。
彼はもともと髪をいじるのに時間を費やすタイプじゃないのだけれど、樹理のすすめで前髪は短く襟足を長めに残していた。襟足が外向きに跳ねているのが、彼女の好みらしい。
ディップとコームを使って、トップヘアーをふんわりと逆立てる。ソフトモヒカンとかいう髪型。
「こうして、おでこを出してた方が愛想がよく見えるわよ」
「そんなもんかな」
樹理は小さなはさみを取り出すと、彼の顔に当てた。
「ち、ちょっと、なにすんだ?」
「眉毛の形を整えるのよ」
「別にそこまですることないだろ」
ファッションモデルのような極細マユにされることはなかったが、彼女に手入れされて眉毛のラインが整ったぶん、顔の印象が薄くなったような気もする。
なんだか、半分別人になったようだと彼は感じた。
「小見尋くん、急に眉を整えたでしょう?」
春香は目ざとい。
「あ、わかる?」
「うん。剃ったところがまわりより肌が青くなってるから。急におしゃれしろって言われても困るわよね」
樹理は見栄っ張りなところがあるから、自己主張の少なめな彼氏では、お内裏さまとしては役者不足というわけだ。
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