挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。 作者:夕蜜柑
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

98/202

防御特化と炎帝ノ国。

現在は大規模ギルドと特別な小規模ギルド一つがトップ争いをしており、大型ギルドの中でも勢力のあるギルドの【集う聖剣】と【炎帝ノ国】は一歩抜け出ていた。それを追いかける形で【楓の木】が続いている。

【炎帝ノ国】は木がそこそこ生えた草原地帯でオーブを守っていた。
そこにいるのは第一回イベント八位の【トラッパー】ことマルクスと、十位の【聖女】ことミザリーである。

ミザリーは範囲回復のスペシャリストだが、範囲攻撃も得意とする。
治すも壊すも彼女次第という訳だ。

【トラッパー】は第一回イベントでは上手く罠を使ったことを隠していたが、後にギルドメンバーが話していた内容から偶然フレデリカに流出してしまった。
ギルドメンバーが増えることでこういったデメリットもあるにはある。

人の口には戸が立てられないのだ。

【トラッパー】という二つ名を付けられたマルクスの特技は罠のように設置出来る魔法を使うことである。
その種類も煙幕を発生させるものや、火柱を上げるものなど様々だ。
それらは味方に属する者以外、つまりギルドメンバーやパーティーメンバー以外が範囲に入った際に発動する。

事前に設置する必要があるため、攻めるのには不向きで、防衛に回ることとなったのである。
四位の【炎帝】と七位の【崩剣】はそれぞれ攻撃に向かっている。

「大丈夫かなぁ……罠を突破されたりしないかなぁ?」

「大丈夫ですよ。それにほら突破されても頼もしいメンバーの皆さんがいます」
その場にいるギルドメンバーはそれを聞いて、お前達の方が頼もしいという目線を送っていた。

「心配だなぁ……オーブを取られたら怒られるよなぁ……」
こう言ってふらふらとオーブの周りを歩き回るマルクスだったが、その心配をよそに彼の置いた罠は猛威を振るっていた。
罠は発動するまで見えず、発動した頃にはもうほぼ避けられない。
そして設置された量が多いのと設置位置が上手いため、プレイヤー達は見事にやられていた。
火柱が上がったり、爆音がしたりするとその方向からプレイヤーが来ていることが分かるため防衛も簡単になるのだ。

「ほら、もう今回の襲撃者もボロボロですよ。罠が効いています」

「そっかぁ……なら安心だなぁ」
ボロボロになったプレイヤー達は、ミザリーの回復によるサポートを受けたギルドメンバーに倒される。
それが終わるとマルクスは護衛を連れて罠を再設置しに行くのである。



「えっと……ここかなぁ。んー……後はここ……?」
ぶつぶつと呟きながら恐る恐る罠を設置していくその姿を見てギルドメンバーは何故これで上手くプレイヤーを倒せるのかが不思議だった。

適当に置いているように見えるが、面白いようにプレイヤーが罠を踏んでいくのだ。

一言で片付けるなら才能なのだろう。

サリーが回避に優れるように、メイプルが何かしらを見つけてくるように、ドレッドが恐怖をセンサーにするように。
上位陣のほとんどは不可解に思えるような何かを持っている。

マルクスの罠設置能力もそういったものの一つで、一種の勘。
そう、感性に支えられている。

マルクスは罠を設置し直してオーブの近くまで戻ってきた。
挑んでくるプレイヤーも徐々に減っており、マルクスはようやく安心出来るようになると一息ついた。

「何者かが来てます!」
ミザリーの声に飛び上がったマルクスがミザリーの指差す方向を見ると、連続して火柱と爆炎が発生していた。

「私が見てきます!」
どうしようどうしようと慌てるマルクスをおいて、ミザリーが五人のギルドメンバーと急いで現場に向かう。


すると、そこにはローブを纏った人物が一人いるだけだった。
ミザリーはそこで起こっている光景に目を疑った。
その人物は罠を踏んだ後、まるでそこに罠があると分かっていたかのように俊敏に回避するのだ。

「んー……恐怖センサー、もっと正確にしたいけど……これは私には難しいかな」
それだけ呟くと、ローブを纏った人物はその場を去っていった。

「………助かりましたね」

「な、何がでしょう?」

「全く……どこの化物ですか。スキル?それとも素でしょうか……」
去ってくれたのはありがたいとこぼし、マルクスの元に戻ったミザリーはその後不安になったマルクスが罠を設置し直すのに付き合うこととなった。

「この辺どうかなぁ……いや、また突破されるかも……ううぅ」

「大丈夫です。あのプレイヤーが常軌を逸しているだけですよ」

「そうかなぁ……」
そう言っている間に逆側で火柱が上がりプレイヤーが倒されているのを伝えられたマルクスは少し落ち着いた様子で設置作業を進めていった。

それからしばらくして【炎帝】はギルドメンバー二十人を引き連れて発見したギルドを滅ぼそうとしていた。
そして、帰る帰ると言いながら寄り道をしていたサリーがその姿を隠れて見ていたのである。

+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ