挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。 作者:夕蜜柑
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

96/198

防御特化と似た二人。

【集う聖剣】のオーブを防衛しているのがフレデリカとドラグということはドレッドとペインは他軍オーブを奪いに行っている訳である。

ドレッドは三十人の仲間を引き連れてオーブを二つ手に入れることに成功した。
ドレッドが範囲攻撃を得意としないため犠牲も数人出たものの、間違いなく順調と言えるだろう。

「もう一ついくか……怠いけど」
そう言って次の標的目指して歩き出そうと向かうべき方向を見た時。
静かに佇む一人のプレイヤーを発見した。
その姿を捉えたドレッドは特に理由もなくゾッとした。

「………お前ら、予定変更だ。オーブ持って全員帰れ。頼む、急げ」
急にそう言われたプレイヤー達は戸惑っていたものの、ドレッドの普段とは違う雰囲気を察して言われた通りに帰っていった。
そうして全員を帰すとローブの人物は近づいてきた。
ドレッドは二本の短剣を抜きつつ声をかける。

「さて……お前強いな?」

「そうかな?」

「……俺は俺の直感を信じる。そうして勝ってきた。だからよ…」
ドレッドは息を吐き、集中力を高めて静かに呟く。

「面倒くさいが……ここで潰しておかないとな」

「私も……ここであなたに会うとは思わなかったけど」
そう言ってローブの人物、サリーが青い二本のダガーを抜く。
それを見たドレッドが目を細める。

「……チッ、あいつの報告よりヤバそうだ」
そう小さく悪態をついたのをサリーは聞き逃さなかった。
そこでサリーは方針を固め、ドレッドへと向かっていった。

偶然出会ってしまった二人の化物の戦闘が始まる。

ドレッドもサリーも攻撃系のスキルは使わない。
軌道が決まっているスキルの発動は隙に繋がるためである。
そもそも、短剣を二本持つ者は回避がある程度出来なければ話にならないのだ。

サリーの攻撃はドレッドに弾かれ、ドレッドの攻撃はサリーが余裕を持って躱していた。
ドレッドの方が動きは素早かったため、攻撃回数を稼ぐことができ、サリーに反撃を許さなかった。

「【超加速】!」
その上で先に仕掛けたのはドレッドだった。
加速した状態での攻撃にサリーの回避が一瞬遅れたその瞬間にドレッドが踏み込もうとする。

「……ッ!?」
しかし、ドレッドは短剣を突き出そうとした所で急に動きを変えて飛び退いた。

「………勘…か」

「これを疑ったら俺は終わりさ」
ドレッドが踏み込むのを止めた理由は勘でしかない。
サリーは自分とはまた違った回避の技術を見た。
ドレッドはサリーと距離をとったままサリーを見据える。

「やっぱここで倒さないとと思ったからよ……【神速】!」
ドレッドの二つ名にもなっているそのスキルは文字通り神の速度に至る力。
神の速度が人に認識出来るはずがないという風にして設定された力は、十秒間姿を消すというものだった。

「………へぇ」
サリーは情報収集により二つ名になっているそのスキルを知っていた。
ドレッドがスキルを隠さなかった理由は一つ。
知っているから対応出来るというものではないからである。



一握りのプレイヤーを除いて、対応出来るプレイヤーはいない。

ただ、サリーはその一握りだ。

「【流水】!」
サリーは音と風の流れで見えないドレッドを探り、そしてわざと致命的な隙となっている部分を作ることでそこに攻撃を誘導した。
そして、あのスキルを叫んで綺麗に短剣を弾き返した。

「【跳躍】!」
後ろに飛ぶことで距離を稼ぎ、もう一度接近する方向を探る時間を得たサリーだったが、ドレッドはいつになっても現われなかった。

「………帰ったか。まあ、【流水】を見せれたし良かったかな」
フレデリカとドレッドが同じギルドだと確信したサリーは、より情報の信憑性を増させることが出来ただけで良かったと思ったのだ。

「………ドレッドに攻撃を当てるのは苦戦しそうだなぁ」
サリーは恐怖と勘をセンサーにして攻撃を避けるドレッドの技術を練習してみようと思い、次のギルドを探しに向かった。


ドレッドは先に帰らせた集団を追いかけつつ考えていた。

「【流水】……それを抜きにしても回避能力は高い……それに、あの感覚は」
ドレッドがこのゲーム内でその姿を見てゾッとしたプレイヤーは二人。

一人はペイン。もう一人はメイプル。

「あいつらと同格だと考えるなら……俺は、何故生き残った?」
サリーにはまだ隠された力があり、先程の勝負では手加減している。
でなければ、ゾッとする程の強さたりえない。
と、そこまで考えたところでドレッドは考えるのが面倒になった。

「帰ったらペインにでも話すか。頭脳担当は俺じゃねーな」

偶然に出会った二人はそれぞれに大事なものを手に入れた。
ドレッドはフレデリカから聞かされたサリーと会ってみたサリーとの間にある違和感を。
サリーは【流水】が存在するとより強く思わせることに成功し、そして何より。

さらなる回避技術向上の糸口を手に入れたのである。
ギルド戦について色々と意見をいただいたので、一つまとめて返信を。

そもそも、ギルドの人数によってフィールドを分けるなりするのが妥当だと思います。
大規模ギルドとの差など生まれませんし、全ギルドが楽しみやすくもなるでしょう。
このルールはその点で大きな欠陥を抱えています。

それが出来なかったのは、メイプル達が大規模ギルドと戦う方が盛り上がると思ったからです。盛り上がりのない無双になる、小規模同士の戦いは書けませんでした。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ