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痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。 作者:夕蜜柑
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防御特化とイベント終了。

終わった!第二回イベント終わりました!
「ぐぁっ!」

「さよなら」
プレイヤー達が光となって消えていく。
サリーはダガーをしまうとその場に座った。
何度かの襲撃があったものの誰一人としてサリーに傷を負わせることは出来なかった。
六日目もそろそろ終わりに近づいてきていた。

「あと三十分か…」
最後の襲撃からしばらくは誰も来ることが無かったため現在の時刻は十一時半である。
メイプルの能力さえ戻れば七日目は自由に行動出来ることだろう。
今と同じようにダンジョンに引きこもるもよし、外に出るのもよしだ。

「今日最後の…相手かな…?」
サリーが立ち上がってダガーを抜く。
誰かが歩いてくる音が聞こえたのだ。

「ん?」

「……ん?」
侵入者とサリーが顔を見合わせる。
侵入者は一人。
その装備は綺麗な和服に刀だった。

「また…会ったな!」

「はぁ…こんなところで何してるのカスミ?」
そう、侵入者はカスミだった。
カスミは刀に手をかけすらしない。
戦闘の意思は無いのだろう。

サリーにも戦闘の意思は無かった。
もし向かってくるようなことがあれば戦うつもりではあったが、一度協力してダンジョンを攻略した相手である。
自分から斬りかかっていくつもりはさらさら無かったのだ。

「私も一応金メダル持ちだからな。身を隠そうかと思ってな」

「私達と同じ感じだね」

「やっぱりメイプルもいるのか?姿が見えないが…」

「メイプルは奥に引きこもってる」

「会いに行っても大丈夫か?」

「毒の上を歩けないと一瞬で死ぬよ?」
サリーがそう言うとカスミは奥がどのような状況なのか察したようで行こうとはしなかった。

「まあ、そのうち出てくると思うよ。私はメイプルにメダルを渡してあるから…ここでメダル狙いのプレイヤーを倒してる感じ」
それを聞いたカスミは一つ提案をした。

「なら、私もここにいていいか?外を歩いているとやたらと戦闘になってな…」
カスミは多くのプレイヤーに顔を知られているので外を歩いていれば戦闘になる回数が多いだろう。

「いいよ。誰か来たら斬って」

「了解。私も金メダルは持ち帰りたい」
中ボス枠は二人になった。
ただ、カスミが加わったことで他のプレイヤーがモンスターだと勘違いすることは激減しただろう。
だが、代わりに金メダルの誘惑が追加されたため戦闘になる可能性は大して変わらないだろう。
二人が会話しつつ通路の先を警戒していると二人の後ろの通路からメイプルがやってきた。

「サリー!レベル上がったよー!ほらほらー!……あれ?」
奥から走ってくるメイプルの横をシロップと朧がついてくる。
メイプルはそこでカスミと目が合った。

「カスミ!?なんでいるの!?」

「ん…それはまあ、メダルを守るためだが……その二匹は何だ?」
シロップと朧を見たのは二人以外ではカスミが初である。

「この子達はパートナーだよ!」
前回出会った時には怪鳥の話はしていなかったためそのことを話す。
カスミは怪鳥のありえない強さと二人がそれを倒したということに驚いていた。

「報酬の卵か…現状二人しか持っていないだろうな。私も結構プレイヤーと出会ったが見たことがなかったしな」
カスミの予想は当たっている。
幻獣を従えているのはメイプルとサリーだけである。
今後のイベントでどうなるかは分からないが、その時も恐らく高難度のダンジョンクリアを要求されるだろう。

「そうだ、朧返すね?」

「ん、ありがとう」
二人は装備を元に戻す。

「どうする?この洞窟から出る?」
メイプルが復帰したのだから引きこもらなくても生き残れるだろう。
だが、メイプルはあまり出たいとは思っていないようだった。
メイプルはメダルを慎重に守り切りたいと思っていた。
メイプルがその旨をサリーに伝える。

「なら…取り敢えず通路を潰してきてくれるとありがたいかな」

「ん、了解!」
メイプルが広間の入り口に歩いていき新月を構える。
久しぶりに大きな紫の魔法陣が展開される。

「【毒竜ヒドラ】!」
毒竜は狭い通路をグチャグチャにしながら出口に向かって突き進んでいく。
途中で一組のパーティーを飲み込み、さらにたまたま出口にいたプレイヤーの顔面を吹っ飛ばしていったことなどメイプルは知らない。
メイプルはそのまま通路を歩いていき、しばらく進んだ場所に【ヴェノムカプセル】を展開すると戻ってきた。

「これで安全は確保されたね!」

「もう、私もカスミも出られないけどねー」

「ああ、そうか。そうだったな……信じてるぞ?」
この状況ならカスミは逃げられない。
つまり、メダルの強奪も可能である。
聞かれるまでもなく二人はそんなことはする気はなかった。

「これで後は一日過ごすだけだね」
時間はもう既に十二時を過ぎている。
ここは一旦眠るのが得策だろう。
わざわざ疲れを残して七日目を迎える必要などない。
念のためにと交代で一人が見張りをしつつ睡眠をとった。
結局侵入者は一人も現れることはなく、朝を迎えることが出来た。
入り口ではたまに毒耐性があるからと足を踏み入れて死亡するプレイヤーもいたりした。


「おはよう」

「おはよう!」

「おはよう。最終日だな」
長かったイベントも遂に終わりを迎えることとなる。
二人としては目標も達成することが出来て、充実したイベントとなった。

「あ、そうだ!いつメダルが必要になるか分からないからサリーの分は渡しておくね?」
メイプルがサリーの分のメダルをインベントリから取り出して渡す。

「ありがとう」
サリーはそれをしっかりと受け取るとしまい込んだ。
カスミは銀メダルを探すことに全力を尽くさず、金メダルがあればいいというスタンスだったので銀メダルは二人のように大量に持っていない。

「でも、あれだね?一日ここにいるのも暇だね?」

「確かにな」

「じゃあメイプルの遊び道具で遊ぶ?色々持ってたでしょ?」
メイプルはサリーの提案に乗って、持ってきていたものを片っ端から出していく。
その中にはオセロもあった。

「カナデ、強かったなぁ」
メイプルはカナデと遊んだことを思い出した。また会った時には遊ぶことを約束しているのだ。

「カナデ?誰だ?」
カスミはカナデのことを知らないので、メイプルが説明する。
その話の流れで巨大イカとの戦闘のことも話した結果、カスミは驚いていた。
立て続けに強敵と戦っている二人のようなプレイヤーは珍しいのだろう。

「メイプルが弱いだけじゃないの?」

「むむむ…言ったなー?じゃあ私とやろうよ?」

「いいよ?」
メイプルが黒、サリーが白でゲームスタートだ。





結果。
盤面のほとんどは黒に覆われていた。

「え…メイプル強くない?」

「結構得意なんだよ?カナデには負けたけど…」

「じゃあ、次は別のやつ!三人で出来るようなので」
サリーも負けたままではいられないので別のゲームで勝負することにした。
オセロは勝ち目がないと悟ったのだ。



こうして三人で遊んでいる間、それを邪魔するプレイヤーは誰一人として現れなかった。
そしてついに。



イベント終了の時がきた。
フィールド全体にアナウンスが鳴り響き今から五分後に元のフィールドに転移することになる。
これでまたカスミとはお別れだ。

「じゃあ、また戻ったら」

「ああ、また会おう」
新たな出会いと、新しい力の入手。
二人にとって大満足の第二回イベントはついに幕を閉じた。
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