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痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。 作者:夕蜜柑
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防御特化と五層へと。

そろそろ投稿ペースを一段階戻せそうです、まだもう少し駄目ですが…
サリー達七人はダンジョンを目指して、モンスターをなぎ倒しながら突き進んでいた。
クロムが攻撃を引き受けユイとマイが殴るだけでいいのだ。
メイプルがいないため移動速度が最低速度まで落ちていることを除けば文句なしにパーティーとして完成されていると言える。

「お、見えてきたぞ」
戦闘でモンスターの攻撃を受け持っていたクロムが指差した先には洞穴が口を開けていた。

「ささっと倒していこう?」
頭の上で本棚をくるくると回しながらカナデが言う。

「そうだね、行こう」
そのまま七人は立ち止まることなくダンジョンの中へと入っていった。


ダンジョン内には物理無効モンスターや物理大幅軽減モンスターが溢れかえっていた。
軽減モンスターはユイとマイでも一撃死を取れるのだが、無効はそうはいかないためカナデと入れ替わり立ち替わり攻撃することでダンジョンを攻略していく。

基本戦闘をしないイズ以外は度重なる四層の探索のため、物理に耐性を持つモンスターとの戦闘に慣れていた。
通常フィールドで見慣れた人魂系統のモンスターの炎攻撃は素早い動きでクロムがガードし、カナデが倒していく。
ダメージを受ければイズがアイテムで即座に回復させる。
耐性持ち程度の雑魚モンスターは論外である。

ダンジョンに溢れる雑魚モンスターでは一応不完全なこのパーティーでも脅かすことは出来ないのは当然だった。

サリー達の侵攻は続き、苦もなくボス部屋へと辿り着いた。

「じゃあ、開けるから」
サリーが振り返って言うと、全員が無言で頷きそれぞれの装備を構える。
直後扉は開け放たれ全員が中へと飛び込んでいく。

部屋の奥にいたのは九本の尾を持つ大きな狐だった。艶のある毛並みの黄色い尻尾をゆらゆらと揺らしている。

「皆、計画通りに!」
サリーの号令で全員が散る。
サリーが左斜め前へ、カスミがカナデと共に右斜め前へと駆け出していく。
残りの四人はクロムを先頭に入口で待機している。

サリーとカスミは走りつつイズから渡されたアイテムを使用する。
その手の中に握り込んだ黄色い結晶を砕き割ると二人の武器にバチバチと黄色い光が弾ける。
今回の作戦は一定時間武器に麻痺効果を付与する結晶を使い素早い狐を麻痺させるというものだった。

「こっち向いてて、っ!」
サリーが狐の前足を斬りつけて注意を向ける。狐は噛みつきや爪での攻撃、尻尾での薙ぎ払いでサリーを攻撃するが、サリーは取得したばかりの【氷柱】も駆使して攻撃を躱してカウンターを仕掛ける。
そうしてサリーが避けていることでカスミとカナデが自由に動けるようになる。

「【パラライズボム】!」

「【四ノ太刀・旋風】!」
カナデの麻痺効果を持った魔法、カスミの麻痺効果を付与された四連撃。
カスミ達に狐の注意が向かないようにサリーがダメージを与え続けていることもあり、しばらくして麻痺で一時的に無力化出来るとされている狐の動きが止まった。
一度麻痺が治ると次は効きにくくなるためこのチャンスを作れるのは一回限りである。

ただ、ユイとマイがいるのならチャンスなど一回で十分だった。

攻撃の余波でやられてしまわないようにクロムに保護されていた最終兵器が真っ直ぐに狐へと進んでいく。
その一歩一歩が死へと近づくカウントダウンである。

「「【ダブルスタンプ】!」」
リーチの長い大槌から繰り出された二人の二連撃は狐の行動変化を全て無視して葬り去った。
二人がいれば作られた全ては無視されるのが常であり、今日は欠席のギルドマスターがいれば全てを見たうえで一つ一つ丁寧に潰していくのが常である。


こうして七人が無事五層へと進出したその数日後、メイプルが四層のギルドホームにやってくるとサリーだけがそこにいた。

「皆はもう五層へ?」

「うん、私手伝おうか?行くならちょっと時間ないから最速で行きたいけど…」
メイプルは急いでいるサリーの気遣いだけをありがたく受け取って、ログアウトしてくれてもいいという意思を示した。

「あ、最後に……どうだった?強かった?」

「んー……まあこの層で出てくるモンスターとしては最強クラスなんじゃない?」

「最強……えっ、そうなの!?えっと……じゃあサリーは一人で戦ったの?」

「……?いや、七人で行ったよ。まあメイプルなら一人でもなんとか……」

「そっかそっか、そういうことも出来るようになったんだね」
メイプルはその言葉に元気付けられたかのように表情を明るくした。

「まあ?うん。ごめんね付き合ってあげられなくて。本当予定がなければ……」

「いいよいいよ!きっと大丈夫!サリーもいけるって言ってくれたし。私もちょうど行けるようになったところだし」
そう言うとメイプルはサリーに別れを告げてギルドを出ていった。

「インフルエンザが治ってすぐ行きたかったのかな?んー?まあいいか、急がないと!」
サリーは現実世界で控えている用事に遅れないように急いでログアウトしていった。




メイプルは目的地へと真っ直ぐに走っていく。皆は先に行っているのだから早く追いつかなければとやる気も十分だ。

「よーし頑張るぞ……」
深呼吸を一つして、メイプルは部屋へと踏み入った。

「たーのもーう!」

「おぉ……?まさか人間が来るとはな」
メイプルの発言に答えたのは長身の真っ白い鬼だった。

メイプルはこの四層の【最強】と対峙することとなったのである。

「ふふふっ、五層へと行かせてもらうよー!」
メイプルは元気よく鬼へと宣誓した。
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