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痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。 作者:ユーキャン@夕蜜柑
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防御特化と素材集め。

第一回イベントの翌日。楓は掲示板の前でメモを取っていた。
ダメージ軽減系のスキルを取る作業に再び入るために現在取得条件が判明している全てのダメージ軽減スキルとそのスキル名を記録しているのだ。

そしてNewWorld Onlineが発売されて明日でちょうど三ヶ月。それに合わせて明日は大規模アップデートが行われる。幾つかのスキルの追加やアイテムの追加。それらもネットを賑わせたが目玉はそれでは無い。
目玉は現在のマップの最北端にあるダンジョンのボスを倒した者が、アップデートで新たに追加されたマップに進むことが出来るようになるというものである。
勿論パーティーで挑んでもソロで挑んでも問題無い。
分かりやすく言うなら、一層をクリアすると二層に行けますよということである。
楓もスキルを身につけたら行ってみようと思っているのだ。


「今日は…【大防御】を習得しよっと!」
そう意気込む楓だったが、問題点が一つ見つかった。闇夜ノ写は触れたもの全て飲み込む凶悪スキル持ち。そのため攻撃を受けとめることが取得条件の【大防御】が取得出来ないのである。なにせ受け止める前に消しとばしてしまうのだから。

「うーん…でもこの大盾があればいらないかなぁ…いや、でもなぁ…スキルいっぱい持っておきたいなぁ…」
考え込んでいた楓は暫くすると何かを思いついたのか歩き出した。

「上手くいくかな?」
そう言うと以前クロムに連れて行ってもらったイズの店へと向かった。






「あら!いらっしゃい。随分と有名人になったわね…ここに来た時はまだ装備も初期装備だったのにね」

「ありがとうございます!それで…今日は話があってですね…無理ならいいんですけど……」
そう前置きをして楓が話し始める。それを最後まで聞いたイズは楓の話を確認するように復唱し始める。


「性能は気にしなくていいから、純白の、見た目にこだわった装備一式が欲しい。そうなると作るのにはいくらかかるか…ね。そうね…ある程度素材持ち込みなら一式で百万ゴールドってところかしら。持ち込む素材によっては勝手にある程度性能は上がるかもしれないけど」
闇夜ノ写はスキル上げに適さない戦闘用の大盾である。
そのためもう一つスキル上げ用の大盾を手に入れることに決めた楓だったが、見た目にはこだわりたいのだ。だからしょぼい盾を買おうとは思わなかった。注目されるようになった今、オシャレにも気を配りたいのである。
なので全身分の装備を揃えようという訳だ。
漆黒の装備の次は純白の装備。
楓がむふふっと笑う。頭の中には既にその装備に身を包んだ自分がイメージされている。

「分かりました!お金と素材を持ってまた来ます!」
そうして、楓は店を飛び出した。
自分の思った装備の為に必要な素材がどこで取れるかを知るため、楓は情報掲示板へと戻っていった。








まずはある程度の硬さを持った真っ白な素材が必要である。楓は掲示板からその条件に合う素材を二つピックアップした。

一つは白水晶。しかし、これは【DEX 0】の楓には採掘出来ないと分かった。
なので、楓はもう一つの方に向かうことにした。

場所は町から南にいった広い地底湖だ。この湖には何か秘密があると言われているが、未だ何も怪しい物は見つかっていない。
そこで狙うのは雪のように白く、硬質な鱗を持ち集団で泳ぐ魚である。うち一匹は長であり、水に溶け込むような青色らしい。

「小学校の時にそんな話あったなー!懐かしい!」
楓は釣り道具を新たに買うと意気揚々と地底湖目指して歩き出した。








「さてと…いざ、釣り開始!」
ぽちゃんという音が釣り開始の合図だ。それから先は静かに獲物がかかるのを待つ。
そして、二十分後。

「か、かかった!」
楓がぐっと力を込めて釣竿を引く。水の跳ねる音が静かな地底湖に響く。
そして、ついに真っ白な魚が釣り上げられ、楓の背後でピチピチと跳ねていた。
暫くそのまま放置しておくと五センチ程の鱗を一枚残して光となって消えてしまった。
本来の鱗はもっと小さいのだが、ゲームの仕様なので納得しておいてインベントリに仕舞い込む。まだまだ釣らなければならないが楓は明日は学校である。

「まさか、こんなに時間がかかるだなんて…ぐぐぐ…今日はあと二匹釣ったら引き上げるしかないか…」
釣りにはDEXやAGIのステータスが関係する仕様となっているため、楓の効率は最低値である。生産系のステータスの人なら一分で一匹釣り上げられるだろう。
仕方ないので、楓は切り上げてログアウトすることにした。
ゲームのために現実を疎かにする訳にもいかないのである。




「ふうっ…今日はこれで終わりっ。明日の準備しないと!」
楓はハードの電源を落とすと明日の時間割を鞄に詰めていく。

「それじゃあ……お休みなさい」
ベッドに横になって数分で楓はすぅすぅと寝息を立て始めた。
きっといい夢を見ることだろう。
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